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ゼロから始めるエアブラシ塗料(塗装ブース編)

こんばんは。
ゼロからオヤジです。

今回はエアブラシ塗装をはじめるにあたって最初かつ最大の壁、排気問題に向き合います

かく言う私もエアブラシに興味を持ち始めてから、塗装ブースと排気設備の検討が最大のハードルでした。
同じ悩みでエアブラシの導入を躊躇されている方も多いと思いますので、この記事が何かの助けになれば幸いです。

それではエアブラシが抱える大きな課題を解決するツール、塗装ブース編。

スタートさせていただきます。

エアブラシの課題

まず初めにエアブラシが抱える課題を整理します。
この整理で塗装ブースが解決・軽減できる課題の輪郭を少し見えやすくしたいと思います。

1.有機溶剤

改めて調べてみると「他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称」との事です。エアブラシで塗料を使用する際の希釈、及びツールの洗浄に使用する溶剤に多く含まれています。厳密には完全一致しない気がしますが、シンナー(英語で薄めるもの)という呼称が一般的かもしれません。

人体に有害であること、においがキツイ事が課題です。

2.騒音

エアブラシ塗装では騒音が発生します。塗料噴出のために気体を圧縮するエアーコンプレッサーと、排気設備の排気音です。

無音にはできないですが、できるだけ小さい方が好ましいです。

3.設置スペース

エアブラシ塗装は必要なアイテムも多く、場所をとるイメージがありますね。
少なくともコンプレッサー、ハンドピース、排気設備の置き場と塗装スペースの確保が必要です。

できるだけコンパクトかつ作業しやすい環境が理想です。

4.建物への影響

エアブラシ塗装を始めたいから壁に穴を開けよう!なんて勇気は普通の人は持てませんし、賃貸であれば当然難しいです。

既存の環境をできるだけ変えずに済むことが求められます。

5.金銭的コスト

エアブラシセットだけで既に高額なのに、さらに排気設備なんて。。。というところかと思います。

安心して作業できる環境を作るにあたり、どの程度までコストが抑えられるのか?がポイントです。

課題まとめ

以上がエアブラシ塗装における課題の大枠です。

特に「1.有機溶剤」に関しては自分だけでなく同居のご家族やペットへの健康被害も懸念されるため、しっかりケアしたいところです。

私は「1.有機溶剤」「4.建物への影響」の2点の解決を必須条件、「2.騒音」は出来るだけ、と設定して塗装ブースを探しました。

色々な塗装ブース

上記の課題を解決すべく塗装ブース選定に漕ぎ出したわけですが、塗装ブースと言っても色々な製品があります。
私が現在使用している塗装ブースにたどり着くまでの経緯をなぞりながらご紹介します。

一般的な塗装ブース

Amazonなどで調べるとこのあたりが出てくるかなと思います。タミヤさんやエアテックスさん、クレオスさんなどエアブラシを販売しているメーカーさんの製品なので安心感がありますよね。

さらに廉価なものだとこんなものも。

価格は1.5万円よりも少し安いイメージ。
とはいえ本当にこれで大丈夫なのか?というと判断ができませんでした。ブースの囲いも短いし、本当にこれで吸い込み切れるんだろうかという不安です。

他にもないだろうか?とまだ探し続けます。

ネロブース

Amazonで色々見ている中で異彩を放っている塗装ブースがありました。それがこちらです。

モデラー界隈では有名な「ネロブース」というもので、他と比べてかなり高価ですがその性能は折り紙付き、という代物です。Youtubeなどで製作動画を上げている方の中でも使っている方を見かけます。

私は前述の通り、家族への影響を最優先に考えていた(一瞬でも「くさい」と言われたらダメ)ため、このネロブースにはかなり惹かれました。

業務用シロッコファンを採用し、強力な吸引力を実現しつつ、静音性も高いとのこと。ブース内で作業すれば周囲へは飛散しなさそうな構造も含め、とても信頼できそうです。

ただ、お値段がかなり高いうえ、人気があり過ぎて正規の価格での購入はそう簡単ではありません。。。

良いヒントをもらったので、こういうタイプでもう少し安いものはないのか?と探し続けます。

互換ブース

次に見つけたのがこちら。

「互換ブース」です。こちらも塗装ブース界隈では有名で、使っているモデラーさんも多いようです。金額は22,000円(税抜)でネロブースと比較すると手が届く範囲。
高い吸引力は保持しつつ、LED照明がセットされているなど細かい点も魅力的です。
ただ、風量を最大にした際はそこそこうるさいようで、静音性に関してはそこまででは無いのかも。

こちらもかなりの人気商品で、購入するには互換屋さんの実施する抽選で当選する必要があります。月に1~2回程度抽選の機会がありますが、複数回落選することもよくあるようで、いつ購入できるか分かりません。

私も一度抽選を受けてみましたが、落選してしまいました。
次の抽選はまた半月以上先。それも当選する確率の方が高そう。

安定して購入できるブースは無いのか。。。とまだ探します。

MOTOブース

次にこちら。「MOTOブース」です。

価格は60,000円とこちらもお高いのですが、吸引力、静音性は申し分なさそう。
オーダーメイドなので色や素材感などオプションの選択が可能なのも魅力的。

さらに吸引力の強い上位モデルの「MOTOブース devil」(75,500円)も用意されております。

機能面はもちろんの事、見た目は大分おしゃれな感じで良いですよね。
購入も比較的安定してできそうなので、金額さえ許せばとても良いものだと思います。

とはいえやはり値段が。。。
かなり揺れましたがまだ探します。

みれすブース

そして辿り着いたのがこちら。通称「みれすブース」です。

「ネロブースの再販まだかな。。。もういっそMOTOブースにしようかな。。。でも互換ブースあたるかもな。。。」

と悶々とする中、ある掲示板でこの名前をみつけました。

「みれす&Cut New Games塗装ブース販売」というTwitterアカウントで告知されていて、Yahooオークションの販売ページを介して購入可能です。

価格はいくつかパターンがありますが、フルオプションで30,300円。価格帯としては絶妙なところです。

高い吸引力と静音性、LED照明などのオプションと安定した販路。
約1ヶ月ほど悩んで塗装ブースの選定をしていた私はこのブースに即決しました。

ゼロからエアブラシ塗装を始めるにあたって、塗装ブースが満足いくものでないとそもそもエアブラシを諦めなければいけない。
また、ブースがあっても建物への影響の無い排気設備の良いアイデアが無いと、これもまた諦めなければいけない。
しかしブースが決まらなければどのホースを選ぶかも決められない、という負のループにハマっていた私としては、とても嬉しい出会いでした。

私が購入したのはこちらのモデルです。

これは内側が木製なので本当は上位モデルのこちらを買えば良かったかも。私は後からアクリル板を購入して設置しました。

購入後にダクトの向きを質問されるので、自分の作業スペースの環境に合わせて選択してください。数日で綺麗に梱包された塗装ブースがあなたの手元に届くと思います。

まだ使用し始めて半月ほどしか経過しておりませんが、とても満足しています。

当時の私も、やっと次のステップに進める!と霧が晴れた気分でした。

排気設備の検討

ようやく出会えたみれすブース(通称)によって、排気設備の検討に入れることになりました。

建物への影響をゼロにするのがミッションです。具体的には、「壁、窓等に特別な加工を必要としない」「使わない時は簡易に取り外せる」の2点。

先に結論から言うと、以下2つを購入すれば実現できます。(設置する窓枠の高さが67cm~181cmの場合)

https://www.monotaro.com/p/4887/8122/

↑ダクトカフス(150Φ)です(うまく貼り付けできないのでURLで失礼します。)

このダクトパネルが意外と優秀で、伸縮の調整をねじの締め付けで行えるタイプになっています。
既存の窓枠に縮めた状態ではめ込んだ後、パネルを伸ばしてセットできます。取り外しも同様で非常にかんたん。

ただし、このパネルに付属しているパイプは塗装ブース側の排気孔と径が合わず、このままでは設置できません。

そこでダクトカフスを使います。


ダクトパネル側に付属のジャバラ式のパイプとダクトカフスをアルミテープでしっかり固定して塗装ブースの排気孔に被せます。当初想定ではここも固定する予定でしたが、いざはめてみると意外な安定感。
これなら使わない時は窓枠からだけではなく、ブース本体からも取り外して収納できます。

少し引くとこんな感じ。

外からはこう見えます。

使わない時は机の下に片付けます。

ダクトパネルの上下にスポンジテープをつけて窓枠などに傷が付かないように多少の細工を施せば、これで排気設備はバッチリです。

建物に影響は無く、使用後は完璧に現状復帰できます。
取り付け、取り外しも簡単で、慣れれば1分かかりません。

みれすブースの効果

長くなりましたが、私が採用した塗装ブース、排気設備の紹介は以上です。

実際に使用してみての感想ですが、
塗装ブースが動いている最中、目の前で作業していても全くと言って良いほど匂いを感じません。

ラッカー塗料の溶剤、ツールクリーナー、掃除に使ったペーパータオルの残骸など、匂いの元をブース内に置いておけばブース外へは有機溶剤は飛散していないと感じます。

また、音も非常に静かです。
風量の強弱が選択できるのですが、弱だと下手したらコンプレッサーの方がうるさいのでは?と思うくらいの音量です。
また、強にしてもストレスが溜まるような音量ではなく、十分な吸気力のなか、安心して作業できます。

オプションのLEDライトはファンのスイッチとは別系統で独立しており、塗装をしない時でも明るいブース内で作業可能な点も助かっています。
(頭を突っ込むことは出来ないので、目の近くでパーツを加工したい時や真上からパーツを見ながら作業する際は別の台が必要になります。)

家族にも匂いが気にならないか聞いてみたところ、「どんな匂いがするの?」と聞かれたくらいなので、匂い対策はバッチリです。

ここまで触れてこなかった本体のサイズですが、横幅、奥行きが44cm、高さが70cmで上に長い構造です。置けるものの高さに制限のある環境の方はご注意ください。
本体はそんなに重くなく、一人で十分運べます。

まとめ

以上でゼロから始めるエアブラシ塗装(塗装ブース編)は終了です。
紆余曲折ありましたが、私は現在のみれすブースに落ち着いて良かったと満足しており、後悔は全くありません。

色々な要因を加味して選択する必要のある塗装ブース。
私の経験が少しでも皆様の助けになれば幸いです。

今回のエントリーはここまで。
最後までお付き合いありがとうございました。

またご覧いただけると嬉しいです。

ゼロから!
また会いましょう!

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