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地雷からめぐみの雨に変わった

この数年来息子が
夢中になっているゲームの問題は
私と息子の間で
地雷みたいなものだった

親子の間の約束で
ゲームとテレビの時間を
設けているけれど
ダラダラと超過してしまうことも多くて
わたしはいつもイライラしながら
息子の姿を見ていた

ソファで背を丸めて
画面をやぶにらみしている姿
その姿を見ているだけで
ゾッとしちゃう
(なんて子どもらしくない姿!)

ゲームやテレビが長時間になるのを
咎めるわたし
ウルセェとかウゼェとか乱暴な言葉を
ぶつけてきて、画面を見続ける息子

わたしは脅してしまう
脳みそが壊れるよって
(壊れるわけがない)
依存症になるよって
(現状、なってない)

お互いを攻撃して
ゲームの時間は終わらせても
いら立ちや怒りがどこかに残ったまま
一緒に過ごす時間がうまくいかない
食事も外出も楽しくなくなるよね

ああ、よくないよくない
こんな関係は
わたしが望んだものとは違う
ゲームのせいで
わたしと息子の間には地雷がいっぱい

何が問題なんだろう?
わたしは何をしたいんだろう? 
なぜ脅すんだろう?

「親の時間」の仲間に聞いてもらって、
ほんとうに正直なわたしの本音を
言ってみた

息子に
わたしの言うことをきいてほしい、
わたしの思い通りになってほしいって
思ってる
ゲームじゃなくて
読書に夢中ならオーケー
サッカーや野球なら最高

読書や工作は「いい遊び」で
そして、
「オトコノコ」にはスポーツがいい
そんな偏見が私にはあるんだ

それはわたしのことを何も否定せず、
黙ってきいてくれる時間だから
話せたこと
夫や友人との普段の会話では
そんな理不尽(だと自分でも分かっている)を
話したりしない

正直な気持ちを責められることなく
聞いてもらっていると
いろいろと思い出した

兄が剣道や音楽をやると
父親は満足そうにしてた
野球やバスケで選手をやってる男子たちは
クラスの中で一目置かれてた

たくさん読書していたり
工作が上手い友達は
周りの大人から褒められていた
(勉強はもちろんだけど!)

おまけに母親になると
今度はそういう子を「褒める側」に回った
他のたくさんのお母さんたちと一緒に

男の子の理想的な姿
子どもの理想的な姿
わたしがほしかったそれを
息子にペタッと貼り付けて、
それを見たがっていた

目の前の息子の姿が
どんなかたちをしているかは
見ていなかった

そりゃ怒るよね、息子

彼はわたしの脅しや要求には
はっきりと拒絶してくる
どなるし物を投げるし
いつからこんな風に
反抗してくるようになったんだろう

そうだ、小さい頃は
私の言うことをおとなしく聞いて、
責めるとすぐ謝って、
わたしにとって
かわいい「下の子」だったな

でも本当に
それは喜ばしいことだったのかな
わたしは小さい頃どんな気持ちで
「おとなしい子」を演じてきたか

「親の時間」を始めて
聞き合う時間を重ねながら
少しずつ少しずつ
自分を整理できてきたら

強くて大きな存在として
わたしの思い通りにならない息子を
やっと喜んで
迎え入れることができるように
なってきた気がする

だから、息子は
「かわいい下の子」の被り物を脱ぎ捨てて
わたしに自分のすがたを見せて
自分のことばを言うようになったのかな

そんなことを意識するようになったら
ウゼェもウルセェも
長時間ゲームやったり
テレビ見てたりするのも
イライラしないで
いられるようになってきた

それはもう地雷じゃなくて
過ぎていく雨みたいなもの

たいして長時間は続かないんだ
禁止さえしなければ

ゲームやめてトランプしようよって
誘ったり
ゲームを続けたい理由を聞いて、
彼のやりたいようにさせてみると
思ったより早く切り上げたりする

そして、
わたしが今息子に思う気持ちを
小さい頃のわたしにも、
『 最初から強くて大きい存在だったのにね』
『おとなに理想を押しつけられた時に
怒ることができたらよかったのにね』って
言ってあげることができる

わたし自身が優しい気持ちになれるような
めぐみの雨だ

まりちゃん

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