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どんなときも諦めない

コロナウイルスが流行している今、
何か始めようとすると
「今はそんな事している場合じゃない」
そんな言葉が頭に浮かんでやる気を失い、
何も行動に起こすことが
出来ない日が続いています。

そんな時に、同じような気持ちを
経験したことを思い出しました。

20年以上前に娘が白血病になり
闘病生活を送っていた時のことです。
入院し治療している時に
「部屋から出てお友達と遊びたい」
という娘に
「今はそんな事している場合じゃない」
と心で思っていました。
今は余裕なんて私はない。
どうしたら治る?
治らなかったらどうしよう。
そんなふうに考えるのが精一杯で、
病院でお友達とどうやって遊ばせることが
できるかなんて考えられない、
と言うのが正直な気持ちでした。
反面、私は娘が命に関わる病気なので
希望は全て叶えてあげたい
とも思っていました。

また、私が子どもの時に
度々熱を出すという理由から、
外遊びや水遊びを制限されていたり、
冷たい食べ物を食べることが
許されなかったりなど、
いろいろなことを自由にさせて
もらえないことがあったので、
できるだけ子どもの考えを聞き、
尊重しようという気持ちもありました。

娘が同じ小児癌で入院している
子ども達と仲良くなるのに
時間はかかりませんでした。
子ども同士は、特に親が手助けする
必要もなく直ぐに遊び始め、
それが数日後にはひとり増え、
二人増えして、7~8人の
グループになりました。
「夕飯食べたら、遊ぼうね」
そんな約束を交わすまでになったのです。
娘は毎日、お友達と遊ぶ時間を
楽しみにしていました。
親同士も癌の子どもを支える
親として相通じるところもあり、
何人かと親しい関係ができました。
また、食事制限や外出制限に対して
出来るだけ娘の希望が叶うように、
医師に意見を言ったりして
話し合いを何度も持ちました。

考えてみると、
自分の子どもの為なら
「今はそんな事している場合じゃない」
に負けなかったなーと思います。

子ども達と同じくらい
おとなである自分も大切な人なのだから
「今はそんな事している場合じゃない」
そう言って自分のやりたい事を
後回しにするのは
終わりにしようと思います。

子どもの頃は母の出す制限を
止めることができませんでした。
でも、同じ母親になった今は、
私の母は、社会が求める親の責任を
果たしたのだと思うことができます。

私は現在、
社会の期待に応えることが
自分自身のやりたいことや
自分が幸せなることと
同じではないと知っているので
私が子ども達に言うように
「どんな時もやりたい事を
諦めなくていいよ」と
私自身に言ってあげようと思います。

としみ

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