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なぜ印刷会社がコーヒー牛乳を作っているのか

解説しよう!紙製で筒状の飲料容器を見たことがあるとしたら、それはほぼ間違いなく、トッパングループの千葉県袖ケ浦工場で作られている。紙製で筒状の飲料容器「カートカン」はトッパンの日本国内の専売特許だからだ。なんで飲料容器を印刷会社が作っているのという素朴なご質問についてお答えすると、もちろん容器の外装の印刷を行っていることもあるが、それ以上に内側のバリアフィルムというフィルムを製造、貼り合わせしているからだ。バリアフィルムを内側に貼らなければ、中身の飲料はあっという間に腐ってしまう。バリアフィルムも大手印刷会社の特許製品なのだ。
というわけで筒型カートン製の飲料容器を袖ケ浦工場で作っているのは分かったとして、なぜ中身のコーヒー牛乳を作っているのか。飲料メーカーがめんどくさいからだ?それはいいすぎだとして、飲料容器の製造から、コーヒー牛乳の充填だけでなく、コーヒー牛乳自体を調合までを印刷会社に委託したほうが、安上がりなケースが多いからだ。というわけでトッパングループの袖ケ浦工場は、コーヒーを濾して、牛乳やらなんやらと調合して、コーヒー牛乳を作っている。千葉県はもともと乳牛牧場が多く、牛乳工場を買収したから袖ケ浦に工場があると聞いている。
作っているのはコーヒー牛乳だけでなく、野菜ジュースやらなんやらも作っている。それどころかレシピから開発して提供する場合もある。トッパングループは事実上の飲料メーカーでもあるのだ。
というわけで飲料のレシピ開発から生産、殺菌、飲料容器の製造、飲料の充填、梱包、発送まてをやっている印刷会社は偉いのだ!

※袖ケ浦工場を取材して聞いた限りの話。OEMやODMなど様々なケースもあるから注意が必要である。

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