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自由民主党 笹川博義 第213回 衆議院 法務委員会 令和6年4月12日


第213回 衆議院 法務委員会

令和6年4月12日

※個人的な内容理解のための、庶民による文字起こしですので、誤字脱字については、ご容赦下さい。


001 自由民主党 笹川博義

◯笹川博義 君

自由民主党の笹川博義であります。

本日まで、それぞれの価値観と、夫婦間、そして子育ての悩みを持ちながら、子どもの将来を憂い、窮地を救いたいと思い、DVで苦しむ人々、そして、愛すべき子どもと会う事が出来ない人々の思いなどを、代弁をし、議論を積み重ねてきました。

本委員会に於ける議論を、政府と裁判所は、しっかりと受け止めて、特に本当に重く受け止めて頂きたい。その事をまず、申し上げたいというふうに思います。

また、修正協議に於いての、米山理事をはじめ、各党の皆様とのご尽力に心から感謝を申し上げたいと思います。

それでは、質問させて頂きます。

政府は、この委員会の審議を受け止め、子どもの利益、私は、子どもの利益とは、学ぶ機会、そして、様々な経験、体験の機会を確保する事である、というふうに考えております。子どもの最善の利益へと導く責任が、政府にはあるわけであります。だからこそ、子どもの最善の利益へと導く様々な政策が展開されなければなりません。

本改正に於ける、ひとつ目の大きなポイントでもあります。

法務大臣にお聞きします。法務省は、この政策を展開するに当たって、司令塔機能を発揮し各省、それから自治体との連携を、深化をさせていく責任があるというふうに思いますので、その責任を果たしていく、という事でよろしいでしょうか。


002 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

本改正案、これは子どもの利益を確保する観点から、父母の離婚後の子の養育に関する、民法等の規定を見直すものでありますが、他方で、本改正案に対してはDVや、子の虐待の懸念など、様々なご指摘がある事も承知しております。

こうした点を踏まえて、本改正案が成立しました際には、まず、ひとり親家庭支援、共同養育支援、裁判手続きの利便性向上といった、様々な支援策や、体制整備を図ると共に、DV及び児童虐待等を防止して、安全・安心を確保する。こういった措置を取る事がまず、優先されるべきだと思います。

それに加えてですね。法改正の趣旨を、国民に周知広報していく事も重要な課題であり、さらに、委員ご指摘のように、改正法の円滑な施工に必要な、環境整備を図るべく、関係省庁との、地方自治体を含む、関係機関との連携、協力体制の構築、これを行う事も非常に重要な課題だと思います。

その中で、法務省は、少なくとも法制の面に於いては、リーダーシップを取れる。そういう意気込みで、頑張って取り組みたいというふうに思っています。


003 自由民主党 笹川博義

◯笹川博義 君

今、大臣、法制に於いてリーダーシップと、ありました。しかし、我々がここで議論をしているのは、法務委員会であります。そして、この議論を、真正面から受け止めるのが法務省であります。ですから、一番この問題について熟知し、そしてまた問題を受け止めなきゃいけない、わけでありますよね。

ですから、全般にわたって法務省自身が、しっかりとリーダー的、司令塔機能を発揮する事は、もの凄く大切な事というふうに思うんですが、よろしいでしょうか。


004 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

確かに、その気持ちはあります。その意欲もありますが。こども家庭庁が、スタートしていますので、省庁間の、その所管というところのあり方、これはもう1回、議論する必要があると思っています。

ですから、法制面でのリーダーシップ、まず、少なくとも先ほど申し上げたのは、そういう意味でございまして。行政面・予算面、様々な措置について、非常に多様な子ども支援の作画があり、また足りない部分も沢山ありますね。

そういったものの全体像、我々も見てやりたいわけですが。権限として、それを全部包括出来る、司令塔になるかどうか。これはちょっと、詳細な検討がいるなと思います。ただ、その意欲は充分にあります。


005 自由民主党 笹川博義

◯笹川博義 君

よろしくお願いいたします。

それでは、先ほどの修正案の中でも触れられておりましたけど、制度の改正の趣旨、改正内容について、期待と、そしてまた、危惧の念が、交錯をしている現況から考えれば、周知・広報というのは、もの凄く大切な観点だ、と。重要だ、というふうに思います。

今後の取り組みについてでありますが、具体的にこの周知・広報、今までこうだったから、っていうのでは、もう納得出来ないわけですよね。さらに何かをやっていかなきゃならない。その事によって、国民の皆さんの理解も深まってくるし、この期待、そしてまた期待も大きくなる、危惧が小さくなる、こういう事が大事だというふうに思うんですが、その取り組みについて、大臣にお伺い致します。


006 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

多様な家族の形態に、それぞれ相応しい、体制を作ろうと、規律を作ろうという事で。国民の側からすると、様々な点が分からなかったり、不安であったり、そういった問題点も様々あると思います。

そういう中で、国民にしっかりと主旨を伝える。色んな具体例を伝える、例示をする。非常に大事な作業は、これから行わなければならない、と思っております。

具体的に今、我々が、リストアップしている幾つかのものを申し上げますと、まず分かりやすい解説、Q&A、これを作り、出来るだけ多くの方に見て頂くべく、公表する。インターネットを通じた広報にも力をいれたり、また離婚というフェーズに、差し掛かった方に対する説明、また説明のためのパンフレット、また離婚届け出書に記載する説明内容、これを拡充する事。こういった事を考えておりますが。さらに関係省庁にも呼び掛けて、関係省庁の知恵も借りながら、周知・広報の輪を広げていきたいと思っております。


007 自由民主党 笹川博義

◯笹川博義 君

なんとなく、想定されたような対応だというふうに思うんです。

実は私も、青年会議所で、なんか事業やる、対外的な事業やる、っていう時に。その広報をやる時に、例えば、行政支援センターにチラシを置きましたとか、駅にお願いして、ポスターを貼ってもらいましたとか、やりますよ。
でも、その結果っていうのは、だいたい芳しくないんですよ。だから芳しくない、今、例えば、ネットで公表します、っつっても、これ結局、受け身な話なんですよね。

パンフ、Q&A、何なりを作っても、どう配布するのか。っていう事になると本当に手元に届くのか。実はこの手の、広報活動・収支活動っていうのは、今までずっと政府はやって来たんですよね。あらゆる場面で。しかし、それが本当に成功だったのかってことを言われると、やはり疑問符がつくわけだ、というふうに思うんですね。

そうなったときに、じゃ、もうひと味、もう一工夫するためには、どうしたらいいんですか、って事が、これ知恵を使わなきゃいけないんじゃないのかな、っていうふうに思うんですね。その点についてはいかがですか。


008 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

全くその通りだと思います。ですから、今までやってきた広報・媒体やり方について、もう一度精査をして、問題がどこにあったのか。或いは、充分な効果がそもそもあったのか、なかったのか。その理由は何か。それを細かく精査をしていく必要があると思います。もうひとつは、広報の対象者をぐっと絞り込んで、広く広報する方法と、狭く絞り込んで、深く入る方法と、組み合わせだと思いますが。

離婚という問題を意識される、或いは、現実になろうとしている方々にきちっと、本当に離婚届で、或いは解説、そういったものが行き届くという事も大事な事だと思うんですね。

ですから、法案を作り、通して頂くのが半分とすれば、残り半分、大きなそういう課題が残っているというふうに認識をしておりますので、是非、また委員のお知恵もお借りしたりしながら、進めたいと思います。


009 自由民主党 笹川博義

◯笹川博義 君

大臣が、問題点について共有をして頂いた事は、大変ありがたいというふうに思います。是非、省内でも、大臣のこの思いに。共有をしながらね。是非、その周知・広報についての工夫を、是非、重ねて頂きたいというふうに思います。

それでは次に、裁判所にお聞きをいたします。

わが党内の議論も、昨年から積み重ねて参りました。残念ながら、その現況の家事裁判や、特にDV関連、親子交流について、出席の委員から、議員から、厳しい指摘が毎度の事ながらありました。

ある意味、その大変恐縮な話なんですけど、裁判所、それから調停のあり方について、これほど不信と疑念がね、寄せられるとは、私自身も、想定はしておりませんでしたが、しかしそれも事実の話であります。

この法改正に伴って、なお一層裁判所、それから調停の役割というものは、重くなるわけでありますね。

加えて、この家族観、社会の価値観の変化、多様化。もう本当に、ふた昔前なんていうのは、その男子は、厨房になんてのは、当たり前のように言われて。今、朝ドラでも、そうですよね。女性の弁護士の、話であります。

非常に女性の地位が、全く以て反映されてない。尊重されていない。そういう時代の中で生きて来た人の、教育なり、なんなりを受けている世代も、続いているわけでありますので。

この委員会の中でも、子育てについての、お話もありましたよね。私も別に、寺田委員ほどではございませんが、家事については、私も、妻が評価しているかどうかは別にしても、自分としては家事に携わる機会も作っているというふうには思っております。

そういった中での価値観の変化、と言われるもの。それから今申し上げましたが、社会的な流れと、さらにはまた、夫婦の間の中での、それぞれの立場の尊重というのは、それぞれの夫婦によって違いはあるというふうに思います。

ですから、逆に言うと、こういう社会ができたら、それをひとつのマスの中に全部入れてって、それ以外はダメだっていう事も、これは実は、間違いなんでしょうね。

だからそういった、そのなんだろうな。多様な考え方を、どう汲み取って、対処をしていかなきゃならないのか。もうひとつは、これはやっぱり我々は日本の人同士だけじゃなくて、外国の文化、異文化の中の人も、婚姻をし、家庭を持つと、いう事も、もう身近なものになって来たわけでありますから、さらに多様化しているわけですよ、考え方が。

だからそれに対して、裁判所の対応と呼ばれるものが、実は、この法改正のふたつ目の大きなポイントだというふうに思いますので、様々な厳しい指摘について、この委員会でもそうだったんですが。どう受け止めてね。で、判事・調停委員。調査官、どういう対応していくのか、お話を頂きたいと思います。


010 最高裁判所・毛帯家庭局長

◯毛帯直文 君

お答えいたします。

この委員会を含めて、今、委員がご指摘のような、様々な、ご指摘を頂いたところでございまして。最高裁事務総局としても、真摯に受け止めているところでございます。

今後、我々がどういうふうに取り組んでいくか、という事についてですが。
まず、この改正法案が成立して、施工された場合につきましては、各裁判所に於いて、改正法の各規定の趣旨・内容を踏まえた適切な審理が着実にされる事が、まず以て重要であると認識しております。

そのために改正法施工に向けた、裁判官・調停委員、家庭裁判所調査官に対し、改正法の各規定の趣旨・内容を的確に集中すると共に、研修の実施といった事についても、しっかりと対応して参りたいと考えております。

また、裁判手続の利便性向上や、事件処理能力の一層の改善向上に努める事も重要でありまして。調停の期日間隔等の短縮化に向けた取り組みや、Web会議の活用の拡充などを含む、各家庭裁判所に於ける調停運営改善、取り組みを支援するほか、調停委員の研修体系の見直しを図っていく事も検討しております。

また、委員ご指摘あったもの、その背景にある、社会の変化、家庭の多様化といった事に我々が対応していかなきゃいけないっていうのは、この法律の前後問わず、ですね、近時の、長期的な、課題だという風に考えております。

我々が、例えば研修を含めて、ですね。そういった社会の変化にもしっかり対応できるような取り組みを引き続きしていきたいというふうに考えております。

またこれに加えまして、裁判所に期待される役割を適切に果たせるよう、必要な体制の整備にも努めて参りたいと、考えているところでございます。


011 自由民主党 笹川博義

◯笹川博義 君

是非、よろしくお願いします。

特に、もう1点付け加えるならば、やっぱりこの、DVと呼ばれるもの、身体的にも、それから精神的なもの、この事についての、専門性を高めていく。
これは判事だけじゃなくて、調停の方もそうですから。そういった新しい要素について、どうやって専門性を高めていくかって事は、大きな課題である、と。そして、厳しい目が注がれているっていう事も、付け加えさせて頂きたいと思います。

そしてまた、法改正・裁判所の対応と共に、大事な事は、子どもたちの最善の利益を確保するための様々な支援策、特に、これがやっぱり、この改正の大きな3つ目のポイントは、私自身は、その外的環境の整備、これが大事なんだ、と。こういう事を党内の議論でも、私は申し上げて来ました。

もちろん、公的窓口の充実も大切なんですが。外的環境整備に於いて貢献をしている、親子交流の支援団体・DV被害者の支援団体・シェルターの運営団体など、やはり、この民間の団体との関係、この連携を、さらに深めていかなきゃならないし、例えば、運営の補助支援もね、拡充も必要ではないのか、というふうに考えておりますが。いかがでしょうか。


012 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

民間団体の知恵、力をお借りする、連携する必要性というのは、法務行政・全般にわたって、非常に強い要請があると思っています。充分な取り組みがまだ出来ていない部分もあると思いますが、特に今回は、新しい仕組みが出来上がりますので。我々だけで、或いは関係者だけで、進むのではなくて、裾野の広い、現場に出て力を発揮して頂いている、様々な方々との連携、これもですね、言葉だけではなくて、具体的に、作り出していく必要は、痛感をしております。

今日ご指摘頂きましたので、改めて、具体的な方策を検討していきたいと思います。


013 自由民主党 笹川博義

◯笹川博義 君

ありがとうございます。

やはり、この本改正が、うまくいく、いかないは、やはり大きなポイントは、この民間団体の皆さん方の力を、どう活用していくかという事に係っておりますので、行政だけでは、とてもじゃないですけど、これを支えきれないところがありますので、そこは是非、しっかりとやって頂きたい、のと。
時間の方もだんだん、少なくなって参りました。

法テラスの運用、また次回の審議の中でもあると思いますけど。いずれにしても、この法テラスの役割ってのは、もの凄く大きくなりますから、それについてやっぱり法務省も、その運用・運営について、弁護士の先生や司法書士の先生方が、やっぱり思い切って、法テラスの中で活躍・活用。活躍したい、という思いになるように、是非、改善すべき点は改善をして頂きたい、この事をお願いいたします。

そして最後でありますが、夫婦関係が、終焉に至る理由も様々であります。それぞれね、この委員会の質疑の中で、私も本当に勉強不足だったんですけど、やっぱりこの親子ガイダンス、それからの加害者プログラム、の大切さ。特に、親子ガイダンスに於いては、やっぱり一回、振り返る。そして気づきの点が、ある。

そして、もうひとつの加害者プログラムについては、再犯防止ってのは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが。私も超党派で、再犯防止活動やっていますけど。基本的に、やっぱり次の、悲劇を生まない。そういう事って、実は大事だと思うんですね。そういった意味では、気づく、きっかけを作る事になる親子ガイダンス、そしてさらに、悲しい思いをする人たちを、連鎖を断ち切るための加害者プログラム。これ、もの凄く大切だというふうに私自身も気づきましたので、改めてご所見をお伺いしたいと思います。


014 法務省・民事局長・竹内努

◯竹内努 君

お答えいたします。

離婚をする際に、父母が子の養育に関するガイダンスや、講座を受講する事などを通じて、子の養育に関する適切な知識を得る事は、子の利益を確保する観点から、重要な課題であると認識をしております。

法務省於きましては、法律や心理学の専門家の協力を得まして、離婚時に知ってもらいたい情報をまとめた、離婚後養育講座の実施に必要な動画等のコンテンツを作成し、複数の地方自治体と協力して、離婚当事者に実際に視聴して頂き、その効果を、検証するなど、適切な講座のあり方を探るための、実証的な調査研究を実施しているところでございます。

また、本日、委員から子の養育に関するガイダンス等を通じまして、相手の気持ちなどに気づくきっかけになる、なるのではないかという貴重なご示唆を頂いたところでございます。

引き続き、委員からのご示唆を踏まえて、子を持つ父母に対する情報提供のあり方について、関係府省庁等と連携して、適切に、検討して参りたいと考えております。


015 自由民主党 笹川博義

◯笹川博義 君

もう時間も来ました。ただ、あのガイダンスも、プログラムもそうですけど、やっぱり海外の治験、さらにまた検証する、その事が大事でありますので、常にやっぱり改善をしている、という事が、私は大事だと思いますので、以上その事もお願いしたいというふうに思います。

以上をもちまして、私の質問を終わらせて頂きます。ありがとうございました。


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