1960年代生まれ 初体験

50代のオヤジ。 
特技と呼べるもの・・・ない
知識と呼べるもの・・・ない
老後の希望・・・ない

「ない」ものばかり・・・

ひとつだけ、あった。
思い出。

50オヤジの思い出・・・若き日の栄華というわけでもないが少しはある。

小学4年。
初めての家出。

理由は忘れたが、その日に担任に渡すはずだった遠足代金が家出資金。千円と少しの小銭。

ランドセルを空き地に建っていた物置小屋らしき軒下に置いていった。
たぶん子供ながらにランドセルを背負っていたいたら”マズイ”と感じたのだろう。

鉄道に乗るため駅に向かったが、最寄りの駅は学区内で知り合いに逢うかもしれない。
隣駅まで歩いた。
都心からのベッドタウンと言われ始めた地域で、まだ住宅よりも畑の方が多かった時代。

行き先は”ばあちゃんち”。行き先が決まってて、それも祖母のところとは、何とも考えがまだ小学生だと後々思った。

片道分のお金があるかどうかがわからなかったが、もし足りないときは・・・たぶん”キセル”していただろう。

”ばあちゃんち”に行くには3回の乗り換えがあった。3回目の乗換駅ホームで何とも言えない、食欲をそそる匂いがしていた。「きそば」のつゆの匂いである。
空腹な訳でないが、食欲旺盛な育ちざかりに「きそば」の匂いは我慢できない。
運賃が足りるかどうかわからない状況でも、食欲の方が勝った。
「かけそば、ねぎなしでください」、無意識に近い感じで注文していた。
甘じょっぱいつゆは、今でも思い出せる。このとき以来、駅のホームでは「きそば」を探してしまう。

つづきは、またね
画面を見ていると目が疲れる。やっぱり50オヤジにはキツイわ


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