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これがサーチャーの1週間_オーナー様との面談_コラム028

セミナーを開催します

〇サーチャー候補者向け: 9月2日(木) 19時~
https://peatix.com/event/2431606

ご好評をいただいているセミナー、引き続きやっていきますのでご興味ある方はぜひご参加ください。

これまで実施したセミナーで繰り返しお受けしたご質問について、どんな回答を差し上げたか改めて文章として残すシリーズで、セミナーでは十分に回答できなかった要素も補足しております。

よく聞かれる質問 :ふだんどんな活動をしているの?

これもよく質問されるポイントです。

そもそも、この徒然コラムや下記の連載マガジン(サーチファンド活動日誌)は、あまり知られていないサーチファンドのサーチャーという仕事が、日々どんな活動をしているのかをお伝えすることを目的しています。

守秘義務がありますので、なにかもをお伝えはできないのですが、黎明期にあるサーチファンドの浸透のためには、できる限り情報開示して皆様からの認知を獲得することが必要だと思っています(もちろん、関係者様に迷惑かけない範囲で)。

それでも上記のような質問を頂くというのは、やはりふだん何をしているのか分かりにくいというか、例えば1週間どこで何をしているのか具体的にイメージが湧きにくいのだと思います。

「事業承継サーチャー」なる仕事をしている人間に会ったことのある人は圧倒的に少ないでしょうから、当然ですよね。

これが私の1週間です

今回は、私の1週間分のスケジュールをお示しします。セミナーではこの内容をざっくり口頭で説明しているのですが、毎回お伝えするのに苦労しており、文章にすることで多少込み入った内容まで触れることが出来ると思います。

下記は今月8月の第1週目(8/2 - 8/8)のスケジュールです。

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普段の日時管理をしているGoogleカレンダーをみながら、特定の企業名や組織名は伏せながら、かなり忠実に再現しました。記載していないのは、①企業や個人が特定できる情報、②移動時間、③私用・雑用、④日々のルーティン(毎日2~3時間、別途詳述)で、サーチャーの活動部分はほぼそのまま記載しています

これだとよくわからないかも知れませんので、今度はサーチ活動の種類を2つに色分けして示してみたものが下記です。

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2つの網掛け色の意味は下記の通りです。

青色: M&Aタスク=特定企業を深掘る活動
黄色: サーチタスク=広く候補企業を探す活動

まず青色はX社、Y社、C社という3社に絞ったタスクです。X社はオーナー様との面談が入っています。また「調査」というのは、簡易的なビジネスDDだと思って頂ければそれほど外れてはいないと思います。企業について財務情報を分析したり(財務情報があればですが)、商品の競争力(競合などとの相対評価)を調べたり、コンシューマー商品なら自分で購入して使ってみたり、その分野の専門家を訪ねてヒアリングをしたりといった企業分析の積み重ねです。

詳しい内容は以前のこちらの投稿で書きましたので、宜しければご一読ください。

この1週間は、青色と黄色がだいたい同じくらいのバランスになっているのがお分かりいただけると思いますが(それがこの週を取り上げた理由です)、その他の週はどちらか一方に偏ることが多いです。

つまり特定の企業の分析や、あるいはLOI(買収意向書)を出した後なら個別の交渉を進めるなど、明確に相手先を絞って話を進める仕事が多い週もあれば、深く話を進められる相手先がない週には広く候補企業を探す仕事が多くなるということです。

ここまで来て、ようやく「ふだんどんな活動をしているの?」という質問にお答えできる準備が整うのですがw、「こんな1週間をひたすら繰り返しています」というのが答えです。正確には「特定の企業様からの事業承継が成立するまでは」という留保が付きますが。

そして事業承継が成約した暁には、そしてここからがホントに本当の本番ですが、その企業をサーチャーCEOとして経営する仕事が始まります。

ここから先は、スケジュールに記載された個々の内容について少し立ち入ってお伝えします。

①金融機関様向けDM送付

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月曜日午前中にまず手を付けたのはDM送付です(この前に朝のルーティンを行っているのですが別途詳述します)

この時の送付先は主に地域金融機関です。名前は挙げませんが、皆様よくご存知の銀行さんの名前を想像頂ければと思います。

個別企業様へのDMは、日本M&Aセンターのメンバーがかなり協力してくれているということもあり、私の方は、第3者承継についてオーナー様からご相談されることが多い金融機関様にコンタクトと取り、承継先の1つとしてサーチファンドを検討して頂けないか、そのご相談をさせて頂きたいという趣旨のレターをせっせと送りました。

地域金融機関とひとくくりにしても、個々の銀行の事業内容を仔細にみれば、事業承継ビジネスへのスタンスにはけっこう濃淡があるように思います。それは銀行さんのホームページや、ネットで検索できる過去の新聞記事を読むと何となくわかります。

すべての銀行に同内容の定型レターを送るのは芸がないと思っていますので、上記で調べた各行のスタンスに合わせてレターの文章を変えます。多少の定型的な文言が無いことはないのですが、それぞれのレターの文言はすべて異なります。

レター文章の添えて、私の経歴が分かる書類、サーチファンドの仕組みを説明した書類など、A4ペーパーにして5~6枚程度を角2封筒に入れて、封筒表面に宛名を書いて切手を貼り、自宅近くの郵便ポストに投函します。

金融機関の担当者名までは分かりませんので、宛名は「●●銀行 事業承継ご担当者様」という書き方になります。封筒を受け取った方が、行内にいらっしゃるであろう「事業承継ご担当者」に手渡しして頂けることを祈りながら投函しますw。

で、実際にどのくらいの反応を頂けるかというと、ざっくり30%くらいです。10通投函すれば3つの銀行さんから、レターに記載したメールアドレスor携帯電話にご連絡を頂きます。その後は、このご時世ですから、まずはウェブ会議を設定させて頂きます(便利になりましたね、対面なら双方関係者のスケジュール調整だけで時間がかかりそうです)。

このようにして設定されたのが、この週の8月5日木のお昼に設定されている「W銀行様打合せ」です。W銀行さんには、この週の3週間ほど前にレターをお送りしており、しばらくして大変ご丁寧なメールを頂戴して、すぐにZOOM会議をセットさせて頂きました。

②サーチファンド・ジャパンとの定例会議

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続いて、月曜日の夕方~夜にかけてはサーチファンド・ジャパンとの定例会議です(事前準備含む)。

私にとっては1週間のペースメーカーであり、サーチ活動全体の行方を左右する重要な会議です。投資家であるサーチファンド・ジャパンとサーチャーである私との間での意思決定はほぼこの会議で行います(投資実行を最終的に承認する投資委員会などは別)。

参加者は、㈱サーチファンド・ジャパンの伊藤代表、DBJからご出向されているメンバーの方と私の3名が基本で、適宜日本M&Aセンターからもご参加頂いて実施します。主にオンラインで行い(Google Meet、ときどきZoom)、私は自宅もしくは月極で借りているコワーキングスペースから参加します。他のメンバーはそれぞれのデスクから参加します。

毎回アジェンダは私の方で決めており、必要な資料は会議前に関係者に共有、空き時間がある方には目を通してから会議に臨んで貰います。

この会議で討議する内容は様々ですが、上述したM&A/サーチのどちらに比重が寄っているかによって変わります。M&Aタスク多めの週には、特定の企業の調査やオーナー様との交渉をどう進めるかという話が多くなりますし、サーチタスクに体重が乗っている週は、金融機関をあたろうか、FAアドバイザリーをあたろうか、セミナーの数を多めに入れようか、それぞれにそんな方法でコンタクトを取ろうかというような話が中心になります。

この週はM&A/サーチの両方がバランス取れているように見えますが、実際には何といっても翌8/3火午前に控えた「X社様 オーナー様面談」がメインイベントです(それ以外のタスクも120%全力でやってます、ハイw)。この時はオンラインではなく対面でした。

実は、この日程はだいぶ前に日本M&Aセンターのメンバーがセットしてくれており(さすが頼りになります!)、前日の定例会議では最後の詰めを残すのみだったのですが、前日の定例会議では細かな点まで確認を行います。

ちなみにどの時期であっても、会議を対面でやることはほとんどありません。緊急事態宣言中だからということもあります。例外があるとしたら、例えばこの週の8/3火ののようなオーナー様との対面の機会の後、別室に移動してメンバーと手短に打合せをするくらいでしょうか。

③X社様 オーナー面談

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この週のクライマックスです。

X社様オーナーにお会いする場所は日本M&Aセンターの会議室で、同社の立ち合いの元、私側には投資家である㈱サーチファンド・ジャパンにも同席して貰います。

まずはこちらの自己紹介をして人物を知っていただくこと。そして、サーチファンドの仕組みについての説明が続きます(事前にある程度の説明は差し上げていますが)。最後に、なぜサーチャーである私が、この企業様にお声がけさせて頂いたのか、自分が事業承継をした暁にはどんな経営をやりたいのか、用意した資料を使いながら説明差し上げます。

とはいえ、特に最初の面談では、あまり堅苦しい打合せにはせず、何よりもこちらの人物を見ていただくこと。あまり取り繕わずに自然体で、こちらの人物をありのままに知って頂くことを目指します(良い人やデキる人を取り繕っても、いずれバレます)。

と、ここまででだいぶながくなりましたので、「私の1週間」、次回も続きます。

名刺交換するビジネスマン

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#サーチファンド #事業承継

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