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「サーチ活動やるよ」に家族はどう反応したか_コラム007

はじめに

このコラムは事業承継先のサーチ活動を続ける筆者が、日々感じたことを徒然に記録するものです。サーチファンドについて体系的に知りたい方はこちらをご覧下さい。

家族からの脱サラへの主な反応は3つ

サーチファンド自体の世間での認知度は残念ながらまったく物足りない状況です。この小さな連載コラムが、ごく僅かでも良いのでその向上に寄与すればとは思いますが、時間はかかりそうです。

サーチャーは配偶者や子供さん、ときには両親(義父母含む)に対して「サーチファンドって何?」というところから説明しなくてはなりません。

自分がやりたい活動なのだから当然だろうというご意見もあるでしょうが、存在自体が認識されていない状況で説明を始めると、いきなり訝しそうな目で見られます。

今回はサーチャーに近しい人々(家族や親類)がどんな反応をするのか、私含めて日本の何人かのサーチャーからヒアリングした結果を記します。サンプル数が少なく、かなり偏った統計結果になってるはずですが、こうした反応(基本的に否定的な反応です)をご記憶頂ければ、いざ自分が同じ立場になったときの多少の気休めにはなるかも知れません(それ以上の効用はないです、多分)。

コラムとしてはちょうど良い感じのネタなので今回取り上げることにしました。

①「詐欺か宗教にダマされている」

実際に複数名のサーチャーさんからの証言があります。

ある方が「ひとは知らないモノに出会うと詐欺か宗教で片づける」と語っていますが、本当にその通りのことが起きているようです。

家族の側からすれば「せっかくいまの仕事があるのに、聞いたこともない仕事を始めるなんて恐ろしいこと考えないで」という魂の叫びなのだと思います。こう仰る配偶者さんは、お相手のサラリーパーソンと結婚するときには、一生安定した生活が出来ると期待していたのかも知れません。なのにある日突然「サーチファンド」などという聞いたこともない仕事を始めるという。

本人曰く「米国では先行事例がある」らしい。日本で自分がその先導役になるのだと息巻いている。サーチャーには投資実行段階で、自分の株式を獲得できる権利(オプション)が付与されますが、それは無償ではなく有償であることが多い(税制の問題が関係しているのですがここでは割愛します)。

「金を払えばサーチ活動をさせてやる」という新手の詐欺に引っかかっているのではないか。ずいぶんと手の込んだやり方をするものだ。よほどズル賢い組織なのだろう。

それにしても随分熱心にサーチファンドの素晴らしさを語るな。待てよ、これは詐欺ではなく宗教の勧誘かも知れない。

そういえば、昔大きな社会事件を起こしたカルト教団が、入信の際に金品や家財道具の一切合切を差し出すよう求めた話をきいたことがあるな。泣いて止める家族を振り払って入信していく青年たちをテレビニュースでみた記憶が。これは新興宗教に入って出家でもしようとしているんじゃないだろうか。

間違いない、これは詐欺か宗教のどちらかだ。

といった感じで、知らない人にとってみれば、サーチファンドも宗教団体の勧誘も同じように映ってしまうのかも知れません。

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②「あなたの夢のために家族を犠牲にしないで」

これも複数からの証言が取れています。上記①と似ていますが、こちらはサーチファンドの存在自体を認めた上で、そんなリスキーな仕事に飛び出すなんて無謀だという趣旨です。

サーチファンド活動主体(私やその関係者)が、世間に対して認知を広められていないことにも責任があると思います。

実際には活動前にかなりリスクを値踏みからスタートしている訳で、夢=非現実的な行動だと断定されることにはいささか納得しかねるのですが、しかし結局のところ結果を出して「ほら、出来たでしょ」と証明しない限りは無謀な冒険と言われても仕方ありません。

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③数年後のインセンティブより来月の固定給

これもよくあるようです。

サーチファンドの最大のリターンはイグジット後に用意されています。

しかしそれは実現が保証されたものでも何でもなく、時期についても平均すれば最低でも5年程度かそれ以上はかかります。

サーチャーの立場からすると成果を挙げた分だけリターンが増えるという頑張り甲斐がある仕組みなのですが、当然リスクはあります。

いまどきはサラリーマンだって定年まで雇用が確保されている訳ではないですが、しかしリスクという点ではサーチファンドの方が分が悪い。

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対処法:成果を挙げるしかない

上記いずれの反応もそのココロは「本当は応援してあげたいけれど不安で仕方がない」ということだと思います。

とくにサラリーマン時代の毎月の固定給与に慣れ親しんだ生活から離れるのは家族の皆さんが不安になるのは仕方ありませんし、現に我が家がそうです(小学校低学年の娘にはまだ理解出来ていないようですが)。

サーチャーとしては結果を出すのみ。現状の私は結果を出せていない訳ですからしばらく辛抱が続きます。自分で選んだ道なのですから、歯を食いしばってでもまずは事業承継を成就させられるよう頑張りたいと思います。

でも「辛い」「苦しい」だけではもちませんので出来れば日々楽しんでやりたいと思っています(このコラムからそれが伝わると良いのですが)。

ちなみに不安になったご家族の多くは、ネットで「サーチファンド」と検索したり、SNS(ツイッター、Facebook)で調べたり、リアルで周囲の家族や知人・友人に聞いて回るのがほとんどです。

その際に信用に足る情報を少しでも提供したいと思ったことが、このような連載コラムを続けている理由の1つです。本当は大成功者によるハッピーエンド話があれば(できれば複数あれば)越したことはないのですが、いまはそれが出来ないために、とりあえず気休め程度にしかならないかも知れませんが、このような投稿をしています。

実際にサーチ活動は日々学びの連続であり、㈱サーチファンド・ジャパンのメンバーはしっかり支えてくれますので頼もしい限りです。

私のnote連載マガジン

45歳で挑む経営者キャリア サーチ活動日誌
45歳で挑む経営者キャリア サーチャーの徒然コラム


#サーチファンド #事業承継 #searchfund

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