「それはあなたが若いからよ」

父が死んでから、初めて夢に出てきた。

私は遠くなる父にむかって行かないで!と叫んでた そこでめざめた


弟の泊まりに来た日だった


行かないで欲しかったんだと思った

まだ

何もできていない


ひとつの純粋な自分の気持ちを
はじめて知った気がした


その日、弟が私の話を聞いて
「意外と生き汚いよね貴女」
と言った

「それは子供を産むことを決めたときから」だと答えた


日々、これ以上身近な人の死に耐えられないと感じる
でも絶対に来る

オーバーウェイトで奥底にミシミシと少しずつ罅の入っていく音が聞こえて
本当の恐怖を感じてる
もう誰も居なくならないでほしい
誰も早くに行かないで


でも少しずつ覚悟してきたから
日に日に大きくなる気持ちがあって、きっともうぶれることはないと思う

「目眩がするほど死が遠いのだ」と話したとき
「それはあなたが若いからよ」と言ったあの人の、あの時の歳に近づく


そんなときにラインで母がこんな曲を送ってきて


何かあったのかと思い焦って連絡すると

「やっだぁ、こんな曲あったかしらと思ってただ送っただけよ〜」と

勘弁してほしい
ただ寂しいと言ってほしい

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