〜みたい

先日、山梨県奈良田方言を研究されている小西いずみさんのツイートをきっかけに、Twitterの方言学関係者の間で「みたい(だ)」という表現が話題になりました。

山梨県奈良田方言
ウマー ミトーヨーニ ハヤク ハシルナ
umaa mi-too=joo=ni haja-kuhasir-u=na
「馬みたいに(逐語訳:馬を見たように)早く走るなあ」
ウマーは「馬」の対格。見事に「みたい(だ・に)」の文法化の前段階を示している。
  https://twitter.com/knsizm/status/1490159835333427200

うちの方言の場合、断定辞が「だ」ではなく「や」になるぐらいで、奈良田方言のような珍しい言い方は特段ありません。

が、以前から「みたい(や)」について気になることが一つあります。
滋賀県の方言を解説する本などで取り上げられているのを見たことはありませんが、年配世代からは「みたい(や)」の連体形「みたいな」から「な」を省いて言うのを聞くことがあります。私自身は「みたいな」と言うので内省が働きづらいですが、例文を作ると以下のような感じです。共通語ではここで「な」は省きませんよね。

納豆みたいもん、よう食べるなぁ
(納豆みたいなもの、よく食べるなぁ)

滋賀県湖東地方出身の外村繁による私小説「澪標」(青空文庫リンク。注:軽度の性的描写があります)でも、この「みたい」が数例出てきます。

「ケンペイて、どういう兵隊さんやのや」
「ほうどすな、まあ、悪いことした兵隊をつかむ、兵隊さんの巡査みたいもんどす」
「女みたい、白い顔してるな。わしおたつや。この家へ女子衆(おなごし)に来たんや」
「来やはった時は、雀の巣みたい髪してやはったが」

このような「みたい」の使い方、他の方言だとどうなんでしょうか。割とよくあることなんでしょうか。ご存じの方、ご教授願います。

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