きーつかへんだ

私の母が「なんで気が付かなかったんだろう」のことを
  なんで[きー]つ[か]へんだんやろ
と言っていました。

関西弁の動詞の否定形「〜へん」を過去形にすると、一般的には「〜へんかった」になるかと思います。例えば「気が付かなかった」だったら「きーつかへんかった」ですね。
私も「〜へんかった」と言いますが、母は「〜へんかった」以外にも「〜へんだ」あるいは「〜へんた」と言うことがあります。「〜だ」と「〜た」の使い分けは不明ですが、どちらかと言えば「〜だ」と言っていることの方が多いように感じます。

「〜へんだ」や「〜へんた」は京阪神ではあまり使われず、滋賀県の方言らしい言い方の一つです。特に「〜へんた」は、試しにツイッターで検索してみると滋賀県出身者と思しき人のツイートばかりがヒットします。
もっとも、滋賀県全域で使われるわけではなく(県の南〜東側に多いようです)、また三重県などにも使う地域はあるようです。昔からある方言ではないようで、私の祖父母は否定の過去形には「〜なんだ」や「〜へなんだ」を使っていました。

ちなみに「きーつかへんかった」は「きーつかんかった」とも言いますが、「きーつかへんだ」を「きーつかんだ」のように言うのは、少なくとも私の周りでは聞いたことがありません。

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