見出し画像

OWL magazineの更新停止と今後について


OWL magazine代表の中村です。
読者の皆様へ、お知らせがございます。

旅とサッカーを紡ぐウェブ雑誌として2019年2月に創刊したOWL magazineは、noteの有料月額マガジンとして毎月15記事程度を更新してきました。約1年間、毎日更新をしていたこともあります。

規模は小さいですが、炎上騒ぎを起こすこともなく平和に運営することができました。また、ほとんど利益は出せませんでしたが、ライターへの原稿料を何とか支払える程度には売上をあげることができました。

おかげさまでOWL magazineから育ったライターは力をつけ、今では書籍『すたすたぐるぐる』を中心に活躍するようになりました。未経験者が、書籍原稿を書けるように育てるというのは決して簡単なミッションではありません。中村も編集者として試行錯誤しながらやってきました。おかげさまで、最初は編集未経験だったのですが、今では書籍の編集者ができるまでになりました。

ひとえに読者の皆様が、OWL magazineのコンテンツをずっと読み、支えてくれたおかげです。3年半の間、本当にありがとうございました。

2022年9月末をもって、OWL magazineの更新は停止いたします。ただ、廃刊にするわけではなく、新しい形で生まれ変わろうと思っています。

2〜3ヶ月の休止期間をおいたあと、OWL magazineは「無料の読み物サイト」としてリニューアルします。

最速で12月1日、遅いと1月か2月になってしまうかもしれません。簡易的なものであってもなるだけ早くオープンさせたいと思っています。

・どうして無料化するのか
苦労して作った文章を確実に読んでもらうためには有料よりも無料のほうが優れています。OWL magazineは有料マガジンとして展開してきたのですが、なかなか記事が広がっていかないという悩みを常に抱えることになりました。もちろん、もっと巧みにプロモーションをすれば何とかなったのかもしれませんが、われわれはクリエイター気質の集まりなので、どうしても物作りが先行し、マーケティングを考える頭がなかなか働きません。

なので、コンテンツを無料化することで、拡散しやすくすることを狙います。コンテンツ自身に仕事をしてもらおうという考えです。有料マガジンを広めるよりも、無料サイトを広めるほうが難易度が低いため、今後は「旅とサッカーを紡ぐウェブサイトOWL magazine」として頑張っていこうと思っています。

・無料化した場合の原稿料はどう工面するのか
OWL magazineの特徴は、記事に原稿料を払っていることでした。何を当たり前のことをと思うかも知れませんが、実はそうでもないのです。実際に中村は、何度も無料での寄稿を求められたことがあります。「練習になるから」「ここで勉強して実績を積んだら」とか「出世払いでお願いします」とかいう文句で勧誘されます。もちろん、その方々に悪気はないのですが、ライターとしては無料案件を受けるとろくなことがありません。

文章作成は本当に大変な仕事であるため、ボランティアで書いてもらうとなかなか続きません。基本的に原稿料を払わないで原稿を集めるサイトもあります。ただ、ほとんどの場合は長続きしません。

1000円でももらえば仕事として取り組むことができますが、0円であればボランティアとして取り組むので著者は「出来る範囲」で書くことになりますし、「書いたものに文句は言わせない」という気持ちになってしまいます。「編集・添削」が入ると著者としては一定のストレスが溜まります。作業時間も増えます。場合によっては書き直しと言われることもあります。無料案件なのに書き直しです。これは中村の実体験です。著者としては腹が立つので、関係性がこじれていきます。

一方で「編集なし」で掲載すると文章としてのクオリティが担保できません。質の低い文章ばかりが掲載されるメディアに未来はありません。OWL magazineは、書籍レベルの質の高い文章を出し続けることを目指していました。そして、実際に書籍として刊行され、サッカー本大賞の優秀作品を得ることもできました。この方針は間違っていないと思います。

OWL magazineの編集システムは、最初のうちは中村がしっかり添削をいれます。おおむね2〜4時間くらいじっくり原稿を読んで、丁寧にコメントをいれていきます。Word1ページあたり、多いときでは30件くらいコメントがつきます。こだわりがある場合には、そう伝えてもらって、やりとりをしながら、その著者に最適な表現を模索していきます。

最適な表現とは何かについてですが、ここでは詳述しませんが「文体」と「独自のテーマ」のことです。このあたりが定まってくると、記事をいくらでも書けるようになっていきます。

あと教えるのは「文法」「ロジック」「構成」「コピー」ですね。これを教えるのは大変なのでスクールとして展開して、プロ志向の方はあとで原稿料として回収してもらうという形を考えています。これが新生OWL magazineの一つの形です。

ただ、スクール事業はそれほど売上が出せるものではありません。なので一番の主筋は、OWL magazineに興味を持ってもらって、OWL magazineの著者が書いている『すたすたぐるぐる』シリーズを買ってもらうことです。
ウェブコンテンツへの課金よりも、実際に「モノ」が手に入りますし、お得感があるんじゃないかと思っています。

あまり積極的に募集できておらず細々と存在している状態のコミュニティもリニューアルしようかなと考えています。

OWL magazine的な価値観というものがあります。1つのクラブにだけ興味があって他のクラブには興味がないサポーターがいる一方で、全国各地の色々なクラブに興味を持っているサポーターもいます。後者がOWL magazine的な人材といえます。

自分のクラブだけでいいということであれば各所にコミュニティがあります。一方で、色んなクラブや地域の話をしたいという場合にはなかなか適切な場所がありません。こういった場を作るのもOWL magazineの仕事にしていきたいと思います。

実際にOWL magazineを通じて出会った仲間は一生の財産です。これ以上親密性を感じる仲間はいません。

ぼくの大切な仲間が応援しているクラブは……。

武蔵野ユナイテッド、川崎フロンターレ、名古屋オーシャンズ、アビスパ福岡、長野パルセイロ、松本山雅、HONDA FC、横浜F・マリノス、V・ファーレン長崎、ガイナーレ鳥取、大宮アルディージャ、ギラヴァンツ北九州、ヴァンフォーレ甲府、栃木SC、ヴィアティン三重、アルビレックス新潟、浦和レッズなどなど……。

こんな仲間がいつも繋がっているので本当に楽しい毎日です。あ、FC東京と東京23FCも追加です(ぼくです)。

OWL's Forestというコミュニティがあるので、こちらもリニューアルして展開したいと考えています。

・国内サッカーのインフラストラクチャーに
新サイトは、自前のサーバーにオリジナルサイトを作ります。そのおかげでこれまで作れなかった色々なコンテンツが展開できるようになります。
そんな中で、我々がやっていこうと思っているのが、サッカー観戦、サッカー旅がより手軽に、よりディープに楽しめるような仕掛けを作ることです。色々考えていることはあるので、お楽しみに!!

・新しい著者の発掘
OWL magazineに寄稿した著者は約35名。元からライティングをしていた著者はそのうちわずかです。ほとんどの著者は、OWL magazineで書こうと思い立ち、OWL magazineで育ってきました。

才能の発見と育成がOWL magazineの本能です。

新サイトを作って、原稿料として使える予算をしっかり確保した上で、新しい著者も育成していきたいと思います。サポーター目線で表現ができる著者はサッカー文化の財産です!



というわけで、これまでの3年8ヶ月。OWL magazineをご愛顧いただきありがとうございました!!

特に有料購読をして頂けた皆様には心より感謝しています。いま我々が挑戦できるのは、すべて購読して頂いた皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

新装オープンまでは週1日程度、更新していく予定です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?