見出し画像

Google AI Studioの面白味

Google AI StudioでもGPTs同様に、生成AIをカスタマイズできます。
GPTsは他の知識がちょくちょく顔を出し、事実と離れたAIにはしにくい一方、Google AI Studioは仮想の設定を知識として組み込めます。
なおGoogle AI Studioは、1 分あたり最大 60 リクエストまでGemini Pro および Gemini Pro Vision に無料でアクセスできます。
ただ、GPTsのように公開するエリアはありません。


仮想の先端企業を作る

例えば、今回トヨタ自動車の有価証券報告書をGoogle AI Studioに読み込んでもらい、架空の設定を追加しました。
その設定を膨らまし、「Chat prompt」であたかも事実のように会話をします。
設定通り動作しないこともありますが、架空のストーリーをベースに回答し続けてくれます。

最新のEV自動車専業の会社を作る、という設定です。
Google AI Studioとのやりとりは、例えばこんな感じです。

新会社の名称を教えてください。

設立はいつになりますか。

どの企業と出資して設立するのですか。

本社所在地はどこになりますか。

となるとオフィスはどうなりますか。

工場や研究・開発拠点は

新車のブランド名は決まっていますか?

半導体関連も新規に開発すると聞きました。

GPUも?

新車には生成AIを搭載しますか?

車載OSはiOSもしくはAndroidですか?

他に新車に装備する機能で特徴的なものは?

専用のLLMについても教えてください。

本社オフィスが仮想空間とのことですが会議はどう行いますか?

時差が会議の進行の問題になりませんか?

しかし、深夜のため会議に出席できない社員が出るのでは?

学習方法

Google AI Studiodでは左側の画面のチャットで学習を行います。
右側の学習の成果を、こちらもチャットで確認(テスト)します。
チャットの返事は後で書き換えることができ、こちらの意図に近付くように学習を進めることができます。

まず、デフォルトでは英語で返事を返すようなので、日本語を指定します。

トヨタ自動車の有価証券報告書のURLをチャットに投げます。

研究開発のポイントを聞きます。

チャットの返事を書き換えて知識を追加

戻してきた返事の中に、架空の研究活動「* 温室効果ガスの排出ゼロ:新会社を設立し、その会社では2030年以降すべての新車をEV(電気自動車)にします。」を追記します。


なお実際には、「2030年にバッテリーEVのグローバル販売台数で年間350万台を目指す」という発表が行われています。


左側画面のチャットの返事については「Generate example」ボタンを押すことで、Google AI Studio(LLMはGemini Pro)が生成してくれます。

Generate example」ボタンをクリック。
返事は上述のように変更できるわけです。
追記・削除・書き換えといった変更が可能です。

検証チャットも学習に追加

画面右の、チャットによる学習成果の検証結果も、左側の学習用チャットに追加できます。
例えば、以下の画面で「Add to examples」をクリックすることで、左側のチャットに加えることができます。

Add to examples」をクリック。
左のチャと画面にコピーされます。

回答がこちらの意図と違うと思えば、変更します。
こうしたやりとりを繰り返し、「架空の現実」を学習させていきました。

全体の流れは以下の通りです。

  1. 左画面でチャットしながら学習させる

  2. 何回かチャットしたら右画面のチャットでテスト

  3. そのテスト結果のチャットも左画面のチャットにコピーして追加学習

  4. 左・右画面のチャットともGemini Proで回答を生成できる

  5. その回答が意図と異なれば変更することができる

  6. これらを繰り返す(上限あり)

  7. 上記では記載していませんが、Pythonなどのコードを出力可能(実装用)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?