Nikon Zfcはカメラの良さを伝えるきっかけになるかもしれない

NikonのZfcが話題なのでその感想。もしかしたらカメラ業界の今後の動きを変える機種となるかもしれない。

2年前の機種と性能が同等
NikonのZ50をベースとし、様々な機能が追加されているが、どれも少しのアップデートにすぎないものであった。

皮を変えたら売れた
よって、本来機能的にはZ50で十分なところが、今回のZfcによってNikonが嬉しい悲鳴をあげるのは現実のようである。つまり、皮をかえただけで飛ぶように売れてしまっているのが今回のZfcである。
製品においてデザインというのは非常に重要な項目である。ダサいものは持ちたくないし、機能が同じならデザインが優れているものを選ぶのは当然の理だ。しかしカメラはファッションツールでなく、クリエイターツールであることを忘れてはならない。

クリエイターツールは常に進化をしている。もうほとんど誰も土釜で火をおこして土鍋で米を炊くことなぞせず、炊飯器を使う人が99%以上であろう。なぜならそのほうが工数もかからず、美味しく、なりより失敗がほぼ起きない。
今のミラーレス機には失敗という失敗がほぼない。なぜなら撮った結果をすぐさま確認できるからだ。フィルム時代にできなかったことが今のクリエイターツール、デジタルカメラならば可能である。どんな人でも一眼カメラで有効な撮影ができるようになったのは現代の技術ゆえである。

カメラは写真を撮るためにある。そのために日々開発者はより撮りやすくなるような機能を追加したり、撮影者の幅が広がるような工夫を凝らしている。しかしそれがどうだ、ただデザインを変えるだけでバク売れしました~となるとカメラの進化はなんのためにあるのかと業界としては考えざるを得ない。
カメラの本質が撮影ということを忘れてしまうと、本質と関係ないところで競うようになってしまう。結局はファッションとして一時的に売れるだけで、中身の良さを伝えないと「スマホで十分」と帰結してしまい、「カメラってあのときちょっと流行ったよね」で終わってしまう。

Zfcのようなデザイン性の高い製品が出たことはカメラ業界にとっては明るいニュースだ。しかし、それだけで終わるようではやはりカメラ業界は衰退しているねという世論は変わらないままであろう。ぜひZfcを手に入れた方には、撮影の楽しさをこの機種を通して伝えてほしいと思う。また、Nikonはレンズラインナップにて大きな不足問題を抱えたままだ。撮影者の表現を増やすためにも、拡充を祈るばかりである。

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