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日本が大好きDappiさん?

匿名のツイッターアカウント「Dappi(@take_off_dress)」は、2015年1月に開設され、プロフィールには渡哲也さんの画像を使用し、「DAPPIのセイジコウサツ」というブログにリンクが張られていた。プロフィール画像をサングラスのイラストに変更した後も約12万人のフォロワーがいたが、ルールに違反しているとして2019年6月にアカウントは凍結された。

Dappiは、アカウントを「@dappi2019」に変え再開。2022年8月20日現在で約17万4千人のフォロワーがいる。プロフィールには、「日本が大好きです。偏向報道をするマスコミは嫌いです。国会中継を見てます」と書かれ、やはり「DAPPIのセイジコウサツ」というブログにリンクが張られている。ネット番組の動画とともに野党を批判する出演者の言葉を紹介したり、与党議員らの発言を評価したりする投稿をしていたが、2021年10月1日を最後に発信は途絶えている。

誹謗中傷の投稿がどこから発信されたかを特定するために、通常はプロバイダ責任制限法に基づく開示請求を2回行う必要がある。投稿されたSNSや掲示板の運営会社に対し、投稿者のIPアドレスの開示請求をし、そのIPアドレスのプロバイダ(回線をインターネットに接続する事業者)に、名前や住所などの契約者情報の開示を求めるという流れだ。立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉両参院議員が東京地裁に申し立てた発信者情報の開示請求は認められた。開示を求められたプロバイダ側が提出した書面では、投稿者の代理人弁護士が、回線契約者(東京都内のウェブコンサルティング会社)と投稿者が異なることを示唆していた。

Dappiによる投稿で名誉を傷つけられたとして、立憲の参院議員2人は2021年10月、ウェブコンサル会社に対して880万円の損害賠償などを求め提訴。投稿が平日の日中に集中し、継続的になされていると指摘。「投稿はウェブコンサル会社の役員、従業員または同社から業務委託を受けた者であると推認される」としていた。2021年12月10日に開かれた民事訴訟の第1回口頭弁論では、会社側は出廷せずに棄却を求める書面を提出し、認否については調査後に行うとした。2022年2月28日に第2回口頭弁論が東京地裁で開かれ、欠席した会社側は投稿したのは同社従業員だと認める書面を提出した。2022年4月11日に東京地裁で開かれた第3回口頭弁論で、原告側はツイートが動画を編集したうえでスマートフォンではなくパソコンのブラウザから行われていることに触れ、他の従業員に知られずに投稿することは不自然とした。被告側の弁護士は報道陣の取材に対し、会社側の認識では投稿を行っていた従業員は1人で、社長は把握していなかったと説明した。第4回口頭弁論は2022年5月27日に開かれ、原告側は被告企業の組織的な投稿であるとして会社の詳細な情報を示すよう要求したが、被告側は従業員の私的投稿と主張し回答を拒んだ。新谷祐子裁判長は「少なくとも業務内容の全体像を説明いただきたい」と述べた。被告側は、投稿した従業員を減給10%(3カ月)の懲戒処分にしたことを明かしている。第5回口頭弁論が2022年8月22日、東京地裁で開かれた。被告側は代理人が出廷し、準備書面を陳述。「テレワークを推進していたため出社していたのは平均2、3人だった」とした。また、記者団の取材に対し「投稿は他の人に気づかれないでできた」と語った。一方、原告側は賃金台帳など懲戒処分に関する文書の提出を求めた。被告企業は2021年4月に投稿者を特定したが、投稿は10月まで続いていたため、処分の真偽を明らかにする考えだ。記者団の取材に対し「10分、20分あれば動画編集と投稿ができるとしているが、閲覧にかかる時間を無視している」と述べ、投稿は会社の了解のもと、業務として行われていたと主張していく方針だ。次回の口頭弁論は9月30日を予定している。

ネットメディア「Choose Life Project(CLP)」が立憲民主党から資金提供を受けていた問題で、立憲の西村智奈美幹事長は2022年1月12日の定例記者会見で「資金提供を公表せず、疑念を与える結果となった」と不適切だったことを認め、CLPへの支出は福山哲郎前幹事長の判断だったとする調査結果を公表した。2020年3月から8月までの分として、広告会社と制作会社を通じて4回で計1500万8270円をCLPに支払った。CLPが7月に法人化してクラウドファンディングを始めることになり、党の支援は終了。配信内容などに影響を与える意図はなく、番組内容などに関する要求は一切行っていないとした。

CLPは、元TBS関連会社員らが2016年に立ち上げたサイトで、安倍政権や菅政権の評価、コロナ禍での五輪開催の是非に関する論評の動画などを配信してきた。CLPが、立憲から資金提供を受けた事実を伏せたまま報道を行っていたとして、ジャーナリストの津田大介さんら出演者は2022年1月5日、報道倫理に反するなどとする抗議文を出した。抗議文を受け取ったCLPは外部専門家に調査を依頼し、2022年7月28日に調査報告書を公表した。

※ 見出し画像にはPixabayのフリー素材を利用しています。

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