ふやけた天国


わたしの脳みそはいつだって夕暮れの色をしていて、頭の中からずっと焦げた地獄の匂いがしている。あなたの地獄はどこにある?狭苦しい教室、薄暗い部屋、冷めたリビング。あなたの脳みそが灰色だったらいいのに。黒目から溢れ出たバラ色の破滅を分けてあげる。割れた頭から脳漿を垂らして、特別製の地獄へ道連れにしてあげる。
あなたにずっと神様のふりをさせていた。きっと刺せば赤い血が流れて、あなたはおりこうに痛がってみせる。今でもあなたの血がビビットなピンク色なのは、わたしが泡になったから。
あなたの優しい嘘がわたしの皮下組織を暴いてとどめを刺す。白々しくて柔らかい中身をぶちまけながら、ぼやけた輪郭の中でワルツを踊る。もういっそ全部夢ならいいって、たぶん目が覚めたあとも同じことを言うでしょ、あなた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?