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「卵の緒」感想まとめ

僕は人よりも生まれつき食べ物への執着が強く(食い意地がすごいだけ)、映画や小説を読んでいても食べ物のシーンに目が入ってしまう。
前回の読書会で「ノルウェイの森」を読んだ時も、主人公のガールフレンドのお父さんが死にかけの状態でキィウリを食べるシーンが一番印象に残った
瀬尾まいこさんの作品は食べ物が全部美味しそうだなあと思っていたら、解説であさのあつこさんも同じようなこと言っていて激アツ。あさのあつこさんが目の前にいたらガッチリ握手をしてそのまま二人で飲みに行きたい気分になった

「卵の緒」の食事シーンで感じたこと
①うまそう ②同じ物を食べる ③思い出

①うまそう
メニューはミシュランの寿司とかじゃ無くて、目玉焼きやハンバーグなど食卓に似合う料理ばかりで親近感があるし、何よりも登場人物がとにかくうまそうに食べるから愛おしい。僕も育生、七子、七男と一緒に大皿に乗った何かを食べたい。あと朝は七男に起こされたい

②同じ物を食べる
大切な人と一緒に同じものを食べるっていうシーンも盛りだくさん。時にハンバーグを、時に腐ったホールケーキを一緒に食べていた。同じ食事を通して人間関係が「近くなっている」というより、「柔らかくなっている」みたいなイメージを持った。距離感は変わんないんだけど、ほどけていく関係性。僕も混ぜて欲しかった。
僕も大切な人ができたら同じものを食べようと思う。大切な人の好物が僕の嫌いなキノコじゃないことを願うばかり。

③思い出
食べ物が思い出とリンクしているのが素敵。食事を単なる摂取と捉えているのではなく楽しいイベントみたいに思っていて、きっとこの登場人物たちは大人になっても南蛮漬けや、おかゆを食べるたびに「あんなことあったなあ」ってポワポワするんだろうなあ。羨ましい
僕も家で手羽先が出た時、食ってはいけないところまで食ってお腹を壊した事がある。なので今でも手羽先を見るとその思い出がリンクするけど、それは全然ポワポワしない。胃がムカムカするだけ


もういよいよ書くことがなくなってきたのでここからは特別に瀬尾まいこさんの話をしよう。実は瀬尾まいこさんは僕の好きな小説家BEST3に入るくらい大好き
二年前の第一回真平大賞(僕が一年で一番面白かった小説にあげる賞)では瀬尾まいこさんの「君が夏を走らせる」が受賞こそしなかったもののノミネートされたことが記憶に残っている人も多いのではないか。残ってるどころか真平大賞を初めて聞いた人も多いのではないか。
もし瀬尾まいこさんが国語の先生だったら最高だよね。そうだったら僕は国語の授業が大好きになってたはず。でっかい声で音読してたはず。図書委員会に入ってたはず。瀬尾まいこさんに「ごんぎつね」教えてもらいたかったなあ。

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