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お笑い芸人に絶対なれる方法

50歳の漫才師が優勝した2021年のM-1グランプリには、
歴代最多の6017組がエントリーした。
2人組以外の漫才師もいるので正確な人数ではないが、
少なくても1万2034人以上の人間が「M-1グランプリ」に出場。
舞台で漫才を披露したことになる。
「芸人増えすぎだよね」
「俺が20代だったら絶対芸人になろうと思わないよ」
そう語るのは40代半ばのある芸人。
年齢的には中堅からベテランの域に達しているが、本人曰くまだ若手。
「だって上が詰まっているんだもの」
上・・・つまり先輩芸人。
テレビをつければ50代60代の芸人が何十年もテレビに出続けている。
舞台では60代70代の芸人も「まだまだ若いもんには負けるもんか」と汗を撒き散らかしながら存在感をアピールする。
「俺が20代だったら絶対芸人になろうと思わないよ」
この男が芸人を志したころ、まだM-1グランプリはやっていなかった。
何年かごとにお笑いブームのようなものが訪れ、
その都度お笑いを志す人が増えていく。
そのブームがブームを超えたのがM-1。
「芸人になりたい人や漫才師になりたい人以上にM-1に出たいって人が増えた」
その結果が6017組もの漫才師が、M-1に出場する時代になったのだ。
でも・・・
「1万2000人もM-1に出るなんて、お笑い芸人になりたい人が多いなぁって普通の人は思うでしょ?だけど、これは氷山の一角なんだよ」
氷山の一角。
芸人になりたい人はM-1出場の6017組…どころじゃない。
「むしろM-1に出られなくなった芸人。そもそもM-1を目指してない芸人。何人いると思う?」
何人…いるんだ?
M-1にいわゆるダークホースと呼ばれる無名の漫才師が決勝に出場することで、俄かに脚光を浴びている地下芸人という言葉。
「僕たちずっと地下ライブで頑張ってきました」
事務所主催じゃない、テレビ局もイベント会社も絡まない。
芸人同士が自らお金を出し合って安いライブハウスを借りる。
地下ライブというが、必ずしも地下というわけではない。
公共施設の会議室だったりレンタルルームだったり、BARの隅っこに平台を積んだだけの即興ステージだったり、ステージがあり客席があればそこはライブハウス。今では超売れっ子のある漫才師が、ホールを借りるお金が無いので自宅トークライヴをやったというのは有名な話だ。売れっ子になったのでその話すら美談に変わっているが、今でも自宅や公園、路上でのライブが主戦場という芸人だって少なくない。
お笑い芸人になる方法。
事務所所属になったり、人気芸人には誰もがなれるわけではないが、
お笑い芸人には誰でもなれる。
「そんなアホな」
とこれを読んでいるあなただって。
100%お笑い芸人になれるのだ。
その方法を教える。
「私はお笑い芸人です」
そう名乗った瞬間、誰でもお笑い芸人になれる。
名乗ったところで誰も聴いていなかったら困るので、SNSを始めよう。
IDネーム あいうえお(お笑い芸人)
Twitterやインスタグラムを立ち上げよう。
余裕があったらブログを書こう。
そしてプロフィールにこう書くのだ。
お笑い芸人です。
これであなたもお笑い芸人。
コンビだったら練習風景や、練習中のエピソードを書き込もう。
ネタの一部分を動画に配信してもいいだろう。
ピン芸人なら、自分の思うことを書き連ねよう。
自虐、あるある、ダジャレなどなど。
自分の芸風のスタンスが決まれば、それを書き連ねよう。
芸風に合わせた衣装や髪型、化粧なんかもあればそれらもどんどん更新しよう。
ただ更新しても誰も見てくれないから、お笑い芸人やお笑い芸人ファン、ライブの観劇レポなんかを書いてる人に片っ端からフォローしてみよう。
そんなことしても・・・と思う人は多いだろう。
しかし、お笑い芸人になりたい。
これが夢だったリ目標だったリ生きがいだったりするのなら。
そこから始めるといい。
驚くかもしれないが、こんなスタートから舞台デビューした芸人は星の数ほどいる。
お笑い養成所に通わなくても、誰かの弟子にならなくても、オーディションに出場しなくても、お笑い芸人にはなれるのだ。

もちろん・・・
なれる、と、売れるは、違う。
そして誰もがお笑い芸人になれてしまうから、、、
お笑い芸人を辞めるのが、実は難しくなっているのだ。




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