東大王と候補生と元東大王と...

※この記事には2020年2月19日7時~二時間SPで放送された東大王の盛大なネタバレが含まれております。ご注意ください。

今日は水曜日。そんなわけで、TBS系列の人気番組『東大王』二時間SPが放送された。

そもそもは特番で東大生の中から知識・閃きなどに秀でた王をクイズで競い合いながら選ぶというような概要だったこの番組だが、途中からレギュラー放送になり、伊沢・水上・鶴崎・鈴木という特に成績の良かった四名がチームを組んで芸能人と戦う番組に変わっていった。

最初のうちはこのまま続いて行くのだろうと漠然と思っていたのだが、そういえば四人は学生だった。

卒業すれば東大生ではなくなるため、必然的にチームにも居られなくなる。
そんな形でまず卒業したのが、当時チームの要であった伊沢拓司だった。

入れ替り戦後に大将は水上となったが、圧倒的な経験値、知識量、勝負勘、そして安定感は健在。
その上最年長であった彼は、当番組の司会を務める山里亮太がネット記事でも言っていた通り、チームの精神的支柱として東大王を支えていた。

個人的には初期の、東大王が特番だった頃のピリついた空気の中で一人めちゃくちゃ楽しそうにクイズをする彼の姿が印象的だ。
最近ではかなりバラエティ寄りの番組になったために和やかな空気であることも多いが、
初期はかなりガチガチの頭脳王側に寄ったようなクイズ番組だったので、その中で心底楽しそうに笑う彼は良い意味でどこか異質だった様に思う。

クイズにはいつも全力で真剣で、礼儀も忘れず丁寧に、でも本当に楽しそうにクイズをする彼の姿勢は、恐らくこの番組や 後にこの番組に入ってくる候補生達に、大きな影響を与えていたことだろう。

そんな彼が 東大王チーム在籍中では最後となる一対一早押しで、

見事一人で全員抜きを達成。

とんでもない人だな、やっぱり格好いいなと思うと同時に、強い寂しさと切なさを覚えた。

どうせ卒業後もこの番組に何らかの形で関わるであろうことはわかっていた。

東大を卒業したという簡単な理由だけで あんなにこの番組を愛し、骨折して松葉杖をついていようとも番組を休まなかった彼を切れる訳がない。

それを分かっていてもやはり、堪らなく寂しくなった。

「最初の方 チームに馴染めなかった頃も、本当に優しくしていただいて...」と、涙を抑えきれなくなる光ちゃんに、照れたように笑う伊沢さん。

あぁ、もうこのメンバーのチーム戦、観られないんだ。

勝利と修学旅行獲得を喜ぶ気持ちと、
伊沢さんのいない東大王チームへの寂しさ、不安、切なさ...
にこにこしながらテープを回収する鶴ちゃんの微笑ましさというか可笑しさというか、
そして水上のちゃんとしたコメント(笑)、光ちゃんの涙の美しさ。

感情がぐちゃぐちゃになってしまって、もう何も言えなかった。


さて。

そんな彼の東大王チーム卒業から数ヵ月、いや一年近く経つ。

次世代を担う候補生が大量に現れる中で、今東大王チームは水上の卒業を迎えようとしている。

彼は医者志望のため、この先研修医になる。

研修医である間は副業が禁止されるため、テレビ出演などが一切できない。

つまり、伊沢さんのように解説に回ったりも出来ない訳だが。


...さて、どうする?


今回に関しては、寂しい 悲しいと言っている場合ではないのかもしれない。

水上・伊沢は、東大王チームの中でも明らかに他とは知識量や安定感に違いがあった。

もし他が分からなければ、この二人どちらかが決めてくれるのが殆ど。
得点率も高く、東大王チームはかなりその活躍に救われていたように思う。

この二人がいない東大王チーム。

いや、嘘だろう。
勿論鶴崎も光ちゃんも強い。強いけれど、やはり知識に片寄りを感じる。
ジャスコが正規メンバーに入ってきたけれど、その膨大な知識量や安定感を補うことは到底できそうに見えない。

私はまぁとにかく不安だった。


が、今日の放送。


なかなか良かったんじゃないんだろうか。

今日は最後の一対一早押しで、光ちゃんVS伊沢さんの戦いと、ジャスコVS伊沢さんの戦いを見ることができた。

CMで水上VS伊沢が流れなかった時点でなんとなくジャスコが勝ったのかなぁとは思っていたのだが、まさにそう。

世界遺産の名称を当てる伊沢さんお得意の問題で、ジャスコが勝利をあげたのだ。

その前の光ちゃんVS伊沢さん戦も、同じく世界遺産の名称を当てる問題だったのだが
伊沢さんは相変わらずの地球押しを見せ、気持ち悪いくらいの早さで正解を叩き出していた。
つまり、伊沢さんの強さが淀みないものだということは証明されていた。

そしてそんな戦いの後、ジャスコが対伊沢さん戦での初勝利をあげることとなるのだが、負けた伊沢さんはどこか嬉しそうだった。

「負けて喜ぶな!」と笑いながら司会に言われるほど前向きな姿勢だった伊沢さんだが、やっぱり後輩の成長は伊沢さんにとって多少なりとも嬉しかったのかなと思う。

そんな芯があるけれど和やかな姿勢の伊沢さんがやっぱり好きだなぁと痛感した上で、候補生やまだまだ新規のジャスコの成長もしっかりと感じられる回だった。

候補生の七海調子良いな、なんて思っていたが、これほどまで安定しているとなるとなかなか良い戦力になりそうだ。
砂川は長いこと回を重ねてきただけあって、その経験からか落着きがあるし漢字も良い。


成る程、
なんとかやっていけるのかも知れない。


七連勝目、八連勝を目前にして、やっとそう感じられた回だった。

ここからあと三連勝。
視聴者の不安などはね除けるような活躍で、水上を心配させることなく送り出してほしいものだ。

それにしても。
卒業後も番組に携わることが分かっていても
伊沢さんの卒業はとても悲しかったのに、

この先完璧に出られないなんて言われたら、私の感情はどうなってしまうことやら...

楽しみなような、不安なような。

これからも活躍に期待だ。

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