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M-1グランプリ2022感想

ウエストランドの大逆転優勝で幕を閉じたM-1グランプリ2022。今回のnoteでは、個人的な皆目見当違いの感想を書いていこうと思う。

敗者復活戦

前年までの16組から18組に増加した敗者復活戦。とは言え、コウテイが体調不良で欠場したため、実際は17組で争われた。私は全組のネタをしっかり見た上で、オズワルド・令和ロマン・ななまがりに投票した。個人的1位は令和ロマン。私のような若者世代に刺さりつつ、万人ウケしそうなネタだった。オズワルドは後半の盛り上がりとメタの心意気を買った。ななまがりはシンプルにボケが面白かったから3枠目。投票組以外では、からし蓮根・ヤーレンズ・マユリカ辺りも悪くなかったと思う。

オープニング

今年も長いねぇ。昨年の錦鯉の優勝から一年経ったのか。今年も激戦を予感させる激熱オープニング。俺おも枠は川北フェイントからのさや香新山。審査員達が図らずも場を暖めていた気がする。太田さんのせいですよ!が面白かった。敗者復活枠の説明を終え、いよいよスタート。

ファーストラウンド

① カベポスター  91点

決勝初進出。ABC優勝ネタの大声大会。恒例の掴みが決まり、カベポスターの良さであるロジカルな言葉遊びのセンスがトップバッターでも上手く伝わっていた。ABCから足したゆりあの声が大きいという下りも面白かったが、全員で最後の人に繋げていた下りがもうちょいウケても良いように感じた。

② 真空ジェシカ 93点

2年連続2回目の決勝進出。個人的には今年も掴みが大満足。派遣のニューウェーブ人材智則・かいみょん・など、やっぱり今年も一つ一つのボケとツッコミのセンスが非常に素晴らしい。ただ、個人的には後半の畳み掛けなど、昨年感じた短所の部分では昨年からの進化があまり感じられなかったのが残念だったが、そういう荒削りさが良さだがら難しいねぇ。

③ 敗者復活組 90点

ママタルトが最下位を逃してまーごめ。ストレッチーズ最下位!?上位陣に食い込んだマユリカ・ヤーレンズは頑張ったと思う。
上位2組はオズワルドと令和ロマンという私が投票した2組。そして、敗者復活組はオズワルドに決定。

4年連続4回目の決勝進出となったオズワルドは敗者復活戦と同じネタを披露。ただ、メタの部分はしっかり決勝用に変え、オズワルドらしさを残しつつも尻上がりに上がって行っていて面白かった。ただ、前半はそこまで波に乗りきれず、昨年のオズワルドと比べるとちょっと劣っているように感じてしまった。

④ ロングコートダディ 95点

2年連続2回目の決勝進出。笑い飯を彷彿とさせるダブルボケ漫才。くつひも結んでないやつ・主催者・ただの太ってる人など、堂前の大喜利センスを活かしたボケが全ボケハマっていた。そして、終盤の一緒に走ろう外国人の伏線回収は流石としか言いようがない。シンプルにめちゃくちゃ面白い、非常に良い漫才だった。

⑤ さや香 97点

5年ぶり2回目の決勝進出。まず、設定がエグいぐらい面白い。コントでも十分に面白いぐらいの素晴らしい設定。さらに、前半は石井が変な奴と思わせておいて、後半新山の偏見が加速する一粒で二度美味しいボケツッコミが入れ替わる漫才。おとん81歳や佐賀県の下りなど細かい部分もしっかり練られていて、個人的に大好きな漫才だった。

⑥ 男性ブランコ 94点

決勝初進出。音符運搬というセンスを感じる発想力。そこからどう展開していくかな?と思わせておいて、運搬失敗で何度も浦井が死ぬという馬鹿馬鹿しさ全開の展開。その展開もこちらを飽きさせない工夫が感じられた。浦井が死んだ後平井がずっとあわあわしてるのがめっちゃ面白い。男ブラこんなんも出来るんや。

⑦ ダイヤモンド 87点

決勝初進出。この流れで見るには難しい漫才だと感じた。大枠の発想自体は悪く無いものの、一つ一つのワードの面白さが伝わりきらず、ただの羅列として流れていってしまった印象。後、「もねって止めてよ!」というツッコミが全くといって良いほどハマらなかったのも痛い。

⑧ ヨネダ2000 92点

決勝初進出。独特な世界観が造り出すリズミカルな漫才。序盤オーソドックスなボケツッコミで掴み、そこからは餅つきのリズムを武器にしてお客さんと一体感を作り出していた所が良かった。これまでのヨネダは展開が難し過ぎる感じがあったが、このネタは良い意味でシンプルなとにかく笑える面白い漫才だった。

⑨ キュウ 87点

決勝初進出。準決勝からネタを変えて臨んだものの、清水の○○でしょう~!キャラがハマらなかった印象。序盤はどう展開するのかワクワクしたが、同じものを言うという下りからどんどん盛り下がっていってしまっていた。本人達の良さや持ち味は他のネタの方が伝わったと思う。

⑩ ウエストランド 95点

2年ぶり2回目の決勝進出。井口の不満が炸裂する怒涛の悪口漫才。どんどんエスカレートする井口の魂の叫びがこれでもかというほどに面白かった。警察に捕まり始めているという面白ワードで2度爆発を起こしていたのは巧い。そして、なんと言っても決勝の大舞台で「佐久間さぁーん!」をカマした瞬間腹抱えて笑った。面白過ぎるってそれは。

最終決戦

① ウエストランド 95点

最終決戦初進出。ファーストラウンドの良い流れを更に爆発させた。M-1とR-1の違いで、夢・希望・大会の価値と流れるようにR-1の悪口を発し、最後には、M-1決勝の大舞台でM-1も全部ウザイ!という今日で芸人辞めるんかというレベルの悪口を言われたらもう笑うしかない。

② ロングコートダディ 93点

最終決戦初進出。昨年の肉うどん系統のネタ。タイムスリップする前の掴みや、途中途中の小ボケの内容に関しては面白かったが、テンポ良く爆発を起こした1本目を見た後では、江戸か去年かの2択だけで爆発を生み出すのは難しく、トーンダウンしてしまったように感じた。

③ さや香 94点

最終決戦初進出。お前だろ!や、モヒカンが坊主かどうか誰とでもキス出来るかどうかなど良いポイントはいくつかあったのだが、完璧に近い1本目と比べると設定や展開に少しベタな部分が目に付いてしまった。ただ、明確に滑った訳ではなく十分面白かった。

個人的な順位

ファーストラウンド
1 さや香
2 ロングコートダディ
3 ウエストランド
4 男性ブランコ
5 真空ジェシカ
6 ヨネダ2000
7 カベポスター
8 オズワルド
9 キュウ
10 ダイヤモンド
最終決戦
1 ウエストランド
2 さや香
3 ロングコートダディ
総合
1 さや香
2 ウエストランド
3 ロングコートダディ
投票 さや香

総評

ウエストランド凄いわ。この大舞台で言いたい放題言って優勝をかっさらう、これぞ芸人と思わせる漫才だった。
個人的には、一本目のさや香が好きすぎたのと、本当にウエストランドが優勝しても良いのか?という気持ちもあり、投票するならさや香かなと思っていたが、審査員達は覚悟を持って投票していた。ウエストランドに投票した6人も、さや香に投票した大吉先生も。覚悟を持って審査した審査員7名に何の文句も不満もない。今年も最高の審査員でした。また、最近の漫才(賞レース)において大事なのは突き抜けた武器だと思った。マヂラブも錦鯉も突き抜けた武器を持っていた。いつかのM-1で志らく師匠が言っていた「上手さは魅力に太刀打ちできない」という言葉を思い出した。

最後に、今年もM-1は世間を巻き込む一大イベントとして大成功に終わったと言っても良いだろう。今年、改めてM-1が人々を惹き付ける大会であると再確認した。キングオブコントももっと世間を巻き込んで欲しいよ。

そして、

ウエストランド!
優勝おめでとう!
王者になっても悪口言ってくれ。


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