苦労を感じさせられる成績っていいよねという話2

前回の萌える成績の話の続き。

前回悲哀系の成績で気になる選手がいて…と書いて終わったのだがその気になる選手とはずばりヤクルトの石川雅規である。

個人的な偏見が入ってしまうが石川は左で投げる三浦大輔のようなものではないかと思っている。その理由としては

・大勝ち(シーズン15勝以上)したことがない
・だがエースと呼ばれることもある(チーム一筋補正?)
・速い球をガンガン投げるわけでもなければ三振をバッタバッタと奪うわけでもない。どちらかと言えば技巧派
・最優秀防御率を獲得したことがある

今のところ石川は通算成績は負け越してはいない。強いて悲哀を挙げれば同じヤクルト一筋でやってきて惜しくも200勝に届かなかった松岡弘のような200勝に届かない悲哀があるくらいだろうか。

ただ、もしかしたら本家の三浦同様通算成績でも負け越す可能性もあるのではないかと思う。

石川はヤ戦病院と揶揄されることもある怪我人がよく出るヤクルトの中では比較的頑丈な方である。だが頑丈であるがゆえに高齢になっても引退させてもらえない悲壮感が漂っているような気もする。例えば2017年の4勝14敗とか。つまり、「怪我しないがゆえに」投げさせられ続けることで負け越すのではないかということである。怪我人を量産してしまう原因は色々あるとは思うがヤ戦病院の辛いところでもある。

また、100勝以上で通算防御率4点台というのも悲哀を感じる成績ではある。被本塁打が多い球場が本拠地だったりだとか被本塁打が多い投球スタイルだとかそういう被本塁打が4点台になっていることと深く関連しているのではないかと思われる。100勝以上で通算防御率4点台の投手ですぐ思いついた今井雄太郎野村弘樹にはシーズン最多被本塁打の経験があり山内孝徳にはシーズン最多被本塁打の経験こそないものの1983年から86年まで4年連続シーズン30被本塁打以上していた。

石川は今でこそ防御率はギリギリ3点台ではある。だが技巧派ということもあってか被本塁打も多く、年間最多被本塁打になったこともあるし、年間20被本塁打以上したことが7回もある。ちなみに150勝以上して負け越した投手は梶本隆夫長谷川良平坂井勝二、三浦大輔といるが「150勝以上して負け越してなおかつ通算防御率が4点台」という投手はまだいない。ちなみに150勝以上した投手で最も通算防御率が悪いのは佐藤義則の3.97だった。

もし仮に石川が日本プロ野球史上初の「150勝以上して負け越してなおかつ通算防御率が4点台」の投手となったらそれは怪我人が多いがゆえになかなか引退させてもらえなかった球団側の怠慢かも知れない。もっと言うならその怪我人の多さは被本塁打の多さの要因ともなっているかも知れない大学野球との併用練習量も多くなければで老朽化している神宮球場が原因でそれに対して何もしなかった球団側の怠慢かも知れない。まぁさすがにそれは言い過ぎか。

最後に誤解のないように言うと別に自分は石川が負け越すことを望んでいるわけでもなければ通算防御率が4点台になることを望んでいるわけでもない。ただ悲哀系の成績になりそうだなぁと気になる、それだけのことである。


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