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悪口芸とか先輩後輩とか

1:悪口芸について

ここ最近、霜降り明星粗品の言動が過激化しているといった旨のニュースを見た。宮迫との応酬に勝利してなおさら無双化しているという意見もあるようだ。

粗品といえば悪口芸が有名でそれに嫌悪感を示す人も一定数いる。悪口といえば有吉弘行も悪口で今の地位まで辿り着いたとも取れる。しかし、この二人の間には違いがあるようにも思われる。

有吉の悪口で有名なのはあだ名イジリがあるがこのあだ名は芸人のイジりポイントを明確化しているという悪口を言われた側に対する得もあるようにも見える。例えば品川庄司品川の「おしゃべりクソ野郎」なんかがそうだろう。

最近だったら有吉の壁でバツを付ける芸人があだ名いじりに近いものがある。バツを付けられる芸人はパンサー尾形やワタリ119のような「空回りさせると美味しい」芸人でありバツを付けることでどうイジらせたら面白いかを提示しているとも取れる。

一方で粗品の悪口には前述の有吉の悪口のようなものはあまり感じられない。宮迫の一件などでもそうだが「自分が正義を執行している」ことをアピールしているようにも見える。そしてその背景には「自分は面白いから何をやっても許される」という思考もあるように感じられる。

この「自分が正義を執行している」かのような悪口は令和に入ってから「論破」という名のディベートに擬態した煽り合戦という地獄のようなブレインスポーツが流行ったことも多少は関係しているかも知れない。そのようなタイプの悪口に対しても一定数ファンがいるのは自分が抱えている鬱憤を代弁してくれてスカッとするという層がいるのかも知れない(ただ一方で悪質な模倣者もいるかも知れないが)

2:尖りと先輩後輩について

尖りきった芸人は上に噛み付くこともある。ゆえに先輩から煙たがれることもある。松本人志と横山やすしは関係が険悪であったと聞いたことがある。しかし、松本には彼の尖った才能を認めてくれる先輩がいた。それが島田紳助だった。

有吉の場合だったら上島竜兵が松本における紳助の立場に近かったかも知れない。ただ、切れ者の紳助に対して上島はポンコツで放っておけない人という感じが近いだろうか。とはいえいずれにしてもこの二人は後輩の才能を認めていたのは確かだろう。

では、粗品における紳助や上島的存在は誰になるかといったらいないようにも思える。アメトークの「先輩に可愛がってもらえない芸人」で平成ノブシコブシの吉村が「粗品はお笑いスカウターを持っているから先輩も後輩も見透かされるのが怖い」といった旨のことを言っていたような記憶がある。

紳助や上島のような先輩が不在で誰も止めることができず単騎で無双(暴走)しているようにも見える。そうなると(今の時点で既にそうなっているのかも知れないが)粗品が腫れ物化している可能性もあり得る。

3:兄弟構成の憶測

蛇足だが兄弟構成のことについても少しだけ触れてみる。

2で島田紳助のことを少し書いたが彼は一人っ子だった。彼が不祥事で吉本興業を辞める前にヘキサゴンファミリーなるものを形成していた。もしかしたら疑似家族的なものを作りたかったのかも知れない。

粗品にしても紳助同様一人っ子でありなおかつYouTubeで後輩芸人をギャンブル兄弟と称して活動することもある。もしかしたらこれもヘキサゴンファミリーに近いのかも知れない。

しかしながらこれらは結局鬼滅の刃で言うところの蜘蛛の鬼の疑似家族のような感じがしなくもない。なんと言うか兄貴風吹かせたいと言った感じだろうか。

松本人志は末っ子だったが彼を慕う後輩芸人を多数抱えておりそれを「軍団」と呼ぶこともあった。末っ子の場合は家庭内の年齢的なカーストから兄貴風を吹かせたいという願望が生まれてくるのだろうか?下の兄弟がいない、あるいは兄弟自体いない芸人に兄貴風吹かせたがる傾向があるのかそこは気になるところではある。

4:おわりに

自分は単なる一般市民なので今回の一件に対してどうかできる力は持っていない。粗品に対して有吉みたいに丸くなるところと尖るところを使い分けろなどと書いたところで何かが変わるわけでもない。

さらに言えば信者でもアンチでもないので「いいぞもっとやれ」でも「傷ついている人もいるからやめろ」でもなく「今以上の大きなやらかしをするかもなぁ」といった感じの他人事が近い。

うだうだと書いてはきたが結局ただ思ったことを書いた雑感である。とはいえ今後お笑い界がどう変わるかは少し気になるところではある。

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