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2023.8.31 Leaf room豪徳寺 セルフライブレポ

筆者:ラグタイム板倉(記録員)

小田急線豪徳寺駅ちかくにその会場はあった。会場の窓からは小田急線のホームと世田谷線の線路が交差しているのが見える。長閑で穏やかな雰囲気だ。時間の進みがすこし遅くなっていたように感じられた。フロアの隅に置かれた冷蔵庫の中にはライブハウスにしては珍しく様々な種類の瓶ビールが置かれていた。私はその中から「太陽」の名を冠したメキシコのビールを選び、カウンターにいるおっちゃんの所へ持って行った。カウンターの内側には様々な酒が並べられていたり、その奥にはコンロがあり鍋が火にかけられている。更に、物陰になっているあたりにミキサーなど音響機材が並べられているようだった。どうやらこの店は、このおっちゃんひとりで全てを回しているらしい。恐れ入る。席に着いてビールを呷る。これだよこれ。私は夏なんて大嫌いなのでさっさと終わってしまえと思っているのだが、仕事終わりに冷房の効いた空間でうまいビールを飲んでいる間だけは、この夏の夜の一瞬が永遠に続けばいいと願わずにはいられなくなる。ゴキュ、ゴキュ、ゴキュッ・・・!圧倒的ッ・・・!圧倒的HAPPYうれぴーPARTYッ・・・!私は20分で16リットルのビールを飲み干していた。気が付くと舞台上では小弁慶のメンバーたちが所狭しと機材を並べている。譜面台に乗せられたスケッチブックがこちらに向けられている。

なるほど、普段のオワリズム弁慶とはまた違った方法で観客を楽しませようと工夫しているのだな。ほどなくして演奏が始まった。瞬時に客席が静まり返った。ふむふむ、これは『流鏑馬』だな。ピアノとアコーディオンの物悲しい伴奏に乗せて二人のボーカルと謎の金管楽器(テナーホーンという楽器らしいです!)がたっぷりと歌い上げる。演奏が終わると空間に静寂が訪れた。客席にいる誰もが音を立てまいと集中しているのが分かった。静寂を破ったのはピアノ白石なるの「ア、まだ始まってないです!w」という炭酸の抜けたペプシコーラのような頼りない声だった。どうやらサウンドチェックだったらしい。ざわ・・・ざわ・・・音合わせでこの演奏力かよッ・・・!観客の期待が高まっているのを感じた。

食べログとかグーグルマップとかのレビューを読むと、こういう、くそどうでもいいエッセイみてぇな文体でなかなか本題を始めてくれない方がちょいちょいいらっしゃって腹立ちますよね。

てなわけで8月31日、豪徳寺のリーフルームにて小弁慶のライブがありました。
オワリズム弁慶で物販を担当しているめぐちと、めぐちの旧友ERRYさんがいっしょに企画した弾き語りイベント『HAPPYうれぴーPARTY!!』に出演しました。

小弁慶はオワリズム弁慶の小編成バージョンで、オワリズム弁慶の楽曲をアコースティック寄りのサウンドで再構築し演奏するというコンセプトで結成された課外活動ユニットであるとされている。本家オワリズム弁慶と同じく、参加するメンバーは固定されていないそうだ。この日の参加メンバーは、ボーカルおっくー&エイカ、ダンサーわて、アコーディオンしおり、ピアノ白石なる、笛などAbbeyの6人だった。本家と比べるとかなりミニマルな編成ではあるのだが、弾き語りのイベントに出るにはあまりにも大所帯で騒がしい印象でワロスでした。

ここからはこの日演奏された楽曲の内容について、曲順に沿って紹介していくぞ!
また今回はアレンジを担当した白石なるとAbbeyの両氏からちょっとした制作秘話を聞き出すことができた!普段なかなか語られることのないオワリズム弁慶のサウンド構築に関する重要な手がかりとなることだろう!

いっきょくめ:七転八万起

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