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アイマスチャンネルはいつまで「AP」という素人動画でラブライブやバンドリに負け続けるのか

【はじめに】

Youtubeが、多くのエンタメにとって欠かせない存在になったのはいつからだろうか。

声優や芸能人も当たり前のようにYoutubeを使っているし、Youtuberが仕事になるような世界だ。

エンタメの世界において、Youtubeを効果的に使った方が良い、というのは異論のないところだろう。

アイドルマスターシリーズも、"アイマスチャンネル"という公式チャンネルを持っており、ゲームの告知映像や企画などを行っている。

しかし率直な感想を申し上げると、面白くない。ちょっと見てみると再生数やチャンネル登録者数も他のアニメ等に負けている。

今回は、アイマスチャンネルについて(1)成功しているのか?(2)何が問題なのか?の2点から主に考察する。

結論からいうと、ラブライブにもバンドリにも負けているしさっさとAP企画なんてやめた方がいい。

なお、ゲームプレイ人口・課金人口・Youtube以外でのメディア展開等を考え出すとキリがないので、Youtube以外の評価軸は全て本記事では考えないこととする。


(1)アイマスチャンネルは成功しているのか?

早速数字から見てみよう※1。類似コンテンツとして良く取り上げられる、「ラブライブ」と「バンドリ」のチャンネルと比較してみる。

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まず目に付くのは登録者数の少なさ(最上段)だ。
ラブライブの約半分、バンドリの1/3程度しかない。
最大再生回数は勝っているのに、当該Youtubeチャンネルの支持人数を見ると、2コンテンツに圧倒的に負けている。

直近5回の動画再生数・企画系の動画再生数も同様に負けている状況だ。※2

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今回、企画系動画を別に切り分けて算出している。
企画系動画には、アニメやライブ映像、PVの切り抜きではなく、人間が登場し話したり企画をしたりする動画をカテゴリした。
アニメやライブを数多くYoutubeにあげれば再生数は増えるが、それはアニメやライブが面白いのであって、必ずしもYoutubeチャンネルそのものの面白さとはいえないからだ。※3

さらに注目すべきは視聴率だ。

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チャンネル登録をしている人の中で、動画を見た人の割合を算出した数値だが、これも最も低い。

チャンネル登録をしている人というのは、当該コンテンツやチャンネルに興味を持っていた人(コンテンツのファン)であるはずだ。

ファンからも再生してもらえないというのは、他のコンテンツに比べて失敗しているのではないか

Youtubeには再生数とは別に高評価というものもあるので、そちらが気になった方もいるかもしれない。

高評価率も算出したが、こちらは数値の大小と良し悪しに相関性があるか微妙だったため、比較を割愛する。
なぜなら、1人が繰り返し動画を見る(面白い)動画であれば、高評価率が低くなるからだ。
動画は1人が繰り返し見れるが高評価は1ユーザー1つである。
また、単純に高評価数の比較だと、登録者数が違う(=分母が違う)ので、こちらも比較の上ではアテにならないと考え、割愛している。(もちろん絶対数ではアイマスが負けている)※4

まとめると、チャンネル登録者数も少ないし、チャンネル登録者数の中での支持率も負けている


(2)何が問題なのか

アイマスチャンネルが、ラブライブやバンドリにくらべて失敗していることは分かった。

では、何が問題なのだろう。

まずアイマスチャンネルの動画をカテゴライズしてみる。
大きく分けると2種類だ。

①ゲームやアニメ、ライブ関連の映像
②声優やスタッフ(AP)による企画

ラブライブやバンドリも基本的な動画カテゴリは一緒だ
だから、それぞれのジャンル比較したときに、アイマスチャンネルはどちらともに問題があることがわかる。結論からいうと、アイマスチャンネルは2つとも力が入っていない。

まず①ゲームやアニメ関連の映像だが、単純に少なすぎる

ラブライブ!やバンドリ!に共通しているのは、アニメやゲーム、ライブ関連の映像を、工夫した上で気前よく出しているということだ。

ラブライブは、アニメ1話丸々という事ではなく、例えばダンスシーンだけを切り抜いてアップロードしたり、ゲームのコミュやPVを編集して、キャラクター1人にフィーチャーした紹介動画を作ったりしている。

バンドリは、ライブ映像の切り抜きが多く魅力的だ。過去のライブ映像から1曲単位で切り抜いて、時折アップロードしており、視聴者の目を引いている。

一方、アイマスチャンネルはその辺りが弱い。
過去のライブ映像やアニメの切り抜きは基本的に無い。
また、ゲーム映像もほとんどミリシタだけだし、ゲーム中に見れるものをそのまま上げただけのものが殆どだ。ラブライブのように、キャラクターにフィーチャーした編集など、ひと工夫して付加価値を加えた動画が無さすぎる。

ではアイマスチャンネルは他に何の動画をあげているか、というと、最大の問題点である「企画動画」である。

②声優やスタッフ(AP)による企画動画

アイマスチャンネルの動画の多くをしめるのは、「AP」と呼ばれるスタッフによる企画である。
一方、バンドリやラブライブの企画は、殆どが出演声優によるものだ。

先に結論になるが、このAP動画が良くない。

そもそも再生数や登録者数というのは思う通りには伸びない。だからラブライブ!もバンドリもその他のコンテンツも、アニメやゲームの動画以外にも声優による企画やラジオなどを色々と上げて、少しでもコンテンツの魅力を発信できるよう努力するのだ。

しかし、アイマスの殆どは「AP」という素人であり、声優動画が極端に少ない。(基本ポプマスのみ。生配信アーカイブは基本無し)

声優動画=完璧というわけではないが、「少しでも多くの人に楽しんで欲しい、魅力を伝えたい」という時、素人か声優かの2択なら、普通声優を選ぶのではないか。

数値の上でライバルに負けているなら尚更だ。前述の通り、アイマスチャンネルの企画動画視聴率は特にひどく、3.4%程度しかない。完璧に負けている。また、そもそもチャンネル登録者数も負けているから、1人でも多くの人に登録してもらわないよう努力しないといけないのではないか。

では、「AP」の何がダメ(結果を出せてない)のだろうか。2つあげられる。

まず、良くない理由の1つめだが、単純に話が面白くない
例えばアイマス関連グッズの感想や夢のライブセットリストなど。本当にただのオタクがしゃべっているだけである。

圧倒的にトーク力があれば面白いのだろうが、そのようには思えない。

なぜなら、AP関連動画再生数は『減少』しているからだ。
AP紹介動画(=アイマスチャンネル本格開始動画)は6.7万回であり、アイマスチャンネルの将来に相応の期待が寄せられていたことがわかる。
しかし、最近の傾向としては1万回再生前後で推移しており、6万回を超える動画などほとんどない。
また、1ヶ月近くたっても1万回を超えない動画も少なくない。

かく言う私も、AP紹介動画、アイマスのYoutubeチャンネルが始まる際にはかなり注目していた。
しかし、すぐに見なくなってしまった。つまらないと感じたため「どうせ次の動画もつまらないだろう」と思い、そもそもアイマスチャンネルに時間を使うという選択肢から外すようになったのだ。最近では、ライブ会場の紹介など、邪魔だと感じるまである。下手なオタクの話で思い出を邪魔されたくない。

具体的に企画例を示そう。「〇月お誕生日のアイドル」という企画がある。
2020年の8月編(8ヶ月前)は3万再生あった。アイドルの誕生日をフィーチャーして紹介する、という一見面白そうな企画であり、好きなアイドルの誕生月であるファンからは指示されそうなものだ。私も見た。

しかし、2021年の3月生まれ編は6900回程度しかない。公開から余裕で1ヶ月経っているがこの再生数だ。アイマスという素材をフルにいかしてこの再生数は、話が面白くないと評価せざるをえない。私は見てない。なぜなら8月編がつまらなかったからだ。

もちろん、彼らの話が面白いと感じる人もいるだろう。面白さは主観だ。ただ、忘れてはいけないのはラブライブやバンドリに数字の上で負けているし、AP登場回より視聴者数が大きく低下しているのは事実だ。

その事実を踏まえて、あえて再度評価する。AP2人の話は面白くない

良くない理由2つめだが、企画が面白くない

前述の通り出演者がただの素人で話も面白くないにも関わらず、企画単体で面白くなるようなものが少なすぎる。

例えば、AP動画で人気なものとして「765gのおにぎりを作ってみた」というものが挙げられる。(21万再生)
アイマスの「765」そしておにぎり好きの「星井美希」に引っ掛けた、いかにもYoutuberらしい企画だ。
このような、企画を華に少しでも素人の動画を見てもらおう、という動画がなさすぎる。言い換えると、企画による努力がなさすぎる。

素人がアイマス新譜について語るだけ、という動画で6100再生。妥当である。コンテンツ競争に勝つ気はあるのか?といいたい。

「いやいや、面白い動画もありますよ、再生数が低いところだけ選んでませんか?」と言う方もいるだろうか。
そこで下記の表を見て欲しい。

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これは、再生数ベスト5の平均再生数である。企画系の動画の平均は、もちろんAP動画の魅力が大きく反映される。
最も再生されている企画動画であっても、負けているのは一目瞭然だ

加えて、ポテンシャル(企画動画ベスト5が、アニメやゲームの動画ベスト5の再生数に比べて、どれくらい再生されているか)という数値も算出した。
ラブライブよりもバンドリよりも、アイマスが低い。
それぞれのアニメやライブを愛する人の中で、企画動画を支持する人の数は、アイマスが一番少ない。極論だが、アイマスの足を引っ張っているのではないか。

Youtubeで多くの人にアイマスを届けたい、好きになってもらいたいと思うのであれば、アイマスチャンネルはテコ入れをする必要がある。

ここまでのまとめだが、アイマスチャンネルはゲームやアニメ、ライブの動画が、そもそもラブライブやバンドリより少ない。
その上で、企画については、トーク力のない素人に「AP」などと言う肩書きを与え、グッズやコンテンツに甘えた企画ばかり。これでどうやって登録者数や再生数を伸ばしていくのかという話である。

声優企画を増やして声優からアイマスに入ってもらうように仕向けるとか、企画は捨ててアニメやゲーム、ライブ動画に力を入れるとか、製作陣のトーク(高山Pや柏屋さんなど)動画を増やすとか、抜本的な改革を提言する

諸事情により難しいのかもしれないが、今のままでは負けっぱなしだ。

他Youtubeチャンネルとの比較

別の切り口として、「オモコロチャンネル」のデータを見てみよう。

「オモコロチャンネル」はウェブメディア(ホームページ)を運営する会社員達がYoutubeで企画を行うもので、ご覧の通り高い支持を得ていることが分かる。彼らは声優でもタレントでもない。ウェブページ作成が本業だから、完全なYoutuberでもない。

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登録者数はアイマスより少ないにもかかわらず、その視聴率の高さ、再生数の多さは完敗である。
なぜオモコロチャンネルを取り上げるかというとアイマスについて紹介し、ポプマスを宣伝する動画があるからだ(公式案件)
再生数は23万回
同じアイマスを題材にした動画だが、公式よりも効果的に宣伝が出来ている。

単純な比較はできないが、素人とアイマスという要素は共通しているにもかかわらず、トーク力や企画力で、ここまで差が出ているのは事実だ。

AP企画動画が日頃からちゃんと企画を練り、評価される動画を作っていれば、単にYoutubeの再生数だけでなく、ゲームなどを宣伝したい時にもっと大きな影響力をもたらせるのではないか。

また、結局肝心な場面で宣伝を外部のYoutuberに発注するなら、最初からAPや企画動画なんていらないのではないか?とも言えるかもしれない。実況動画などではない、本当に紹介しているだけなのだ。それは本来APの役割ではないのか?

【終わりに】

最後に、APのTwitterで印象的なものをピックアップしたい。

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頑張るのは当たり前なので置いておく。結局ゆくm@sのような華々しい舞台で目立ちたいという”APかっしー”の本音が透けて見える。ゆくm@sという年内最後の生配信にあたり、「皆さんと盛り上げていきたい」でもなく、「何かアイマスチャンネルでも企画したい」でもなく、『自分の名前があるかどうか』がファーストタッチである。ただ声優に会いたいだけなのではないか?とすら思える。

1114いいねと多くはない。しかし、ただ目立ちたいだけのオタク(素人)に、「アイマス公式」というラベリングがしてあるだけで持て囃すのも、そろそろやめにした方がよいのではないか。

繰り返しになるが、アイマスチャンネルはラブライブにもバンドリにも負けている。Youtubeは負けたままで良いと思う方にとってはどうでもいいのかもしれないが、Youtubeがどのような影響力を持つメディアか考えると、もう少し力を入れた方がいいのではないか。※5

結果的に負けたのと、負けるべくして負けているのは違う。

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※1 再生数や高評価数は容易に変動するため、5/6時点でのなんとなくの傾向として見ていただきたい。また、算出するにあたり5/6当日にアップロードされた動画はカウントしていない。

※2 時間が経ちすぎた動画は、1人が何回でも見ることで視聴数が必ずしも人気の傾向を反映しないと考えられる。
そのため、直近5回の平均としている。
また、単なるCM動画がアップロードされたタイミングなどでたまたま低くなる可能性もあり、アンフェアになるため、企画そのものの人気を測るため企画も別計している。

※3 ライブやアニメが見れるチャンネル、としての面白さもあると思うので、完全に除外せず全動画にはカウントしている。

※4 単純な高評価数平均も含んだデータは下記の通り。

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※5 アイマスはWebラジオ等、他のメディアで展開しているものもあるが、だからといってYoutubeに手を抜いていいということにはならないと考え、本稿では考慮の対象外としている。文頭の通り、あくまでYoutubeチャンネルの比較である。他メディアの展開も視野にいれるとすると、あくまで感想だが、京セラドームと名古屋ドームでツアーを行い、海外でもライブビューイングを行っていたコンテンツで、楽曲を取り扱う動画の再生数が6000回という事実を、重く受け止めた方がいいのではないか。


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