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人生は鮭あるいはしゃけ

大学を出たら人生終わると思うなんて言われて少しムッと来た。渋谷でサッカー中継が始まるまで友人と暇つぶしをしていたんだけれど、進路の話をしていた時のことで。僕も同じようなことを考えたことがあるから、なんだかちょっと前の自分を見ているような感覚だった。そもそも人生終わるって死ぬことについてなのか、社会的信用がなくなることへの恐れなのか。真意はわからないけれどそんなことを言っている彼に心底うんざりしてしまった。もううんざりだってくらいに。一方の僕といえば何を隠そう少し前まで彼と同じ感覚を味わっていたように思う。それこそ奨学金を使い切って死んでやろうと考えたり、人生に関して無力感を感じる事もある。自分は普通じゃないんだと感じていたし、誰といても楽しくないなんて思うようになった。ホントろくな奴じゃないんだけど、僕みたいな彼を見て、そんな彼の意見を聞いて僕はムッとした。

一般論として社会に出たら肩書で人を見るようになるだろう。信用は対個人の感覚ではなくて実績として目に見えるようになる。大人ってしんどそうとか思うけど、世の中で大人としてみられるためには目に見えて誇れる肩書は必要なんだろう。そんなのまっぴらだって思う事それもありだと思う。でも僕らは気づいたら大人で、周りから見たら僕もその一人だ。大人としてやることをやる。少なくとも僕の周りにいる大人みたいに。才能も知性もきっかけも金もコネもないから大人になるんだと思う。そんな風に。

彼に対してムッとしてしまったこと、その感情は僕のもやもやでもあるんだろう。ただ彼が終わりを見るんではなくて思い切りのいい決断をするなんてときは応援するほかないような気がする。


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