行き場のない場所

闇がないことをこれほど
恐ろしく思ったことはありません
どこへいっても人の目のつく
身勝手な明かりのもとでは
獣たちは住めません
煙のために火を着けたくとも
路地裏が見あたらないのです

土がありません
曲線の揺らぎがありません
植物は沈黙して
生き物の気配が見あたらないのです

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