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美術苦手意識MAXマンに美術を楽しめる希望が見えた日

ぼくは「美術」に強い苦手意識がある。

中学生では美術の授業が毎週?(うろ覚え)あったが、その時間もつらかった。
自分には『センス』がない、と思っていたからだ。

素敵な絵とは何なのか、そもそも『美』ってなんなんや、とか思っていた。

毎回真面目に授業に取り組むものの、先生に「もっと真剣に取り組もう」なんて言われたことだってある。(つらい)

こうした苦手意識から、美術というものから距離を置いてきた。高校では芸術は選択授業であり、音楽を選択していたので、ソリの合わない美術とは、無事に?疎遠になれた。

それから十年ほど月日が経つが、相変わらず、美術は自分とは縁のないものだと思ってきた。美術館に行くことなんてなかったし、そういうところは美的センスの高い人が行くべき神聖な地なのだ、とか思っていた。美術とは絶縁状態だった。

しかし、そんな僕にも転機が訪れた(かもしれない)。

最近、『絵を見る技術』という本を読んだ。
目からウロコだった。

自分は、そもそも「芸術作品の見方」というものを知らなかったのだ。

絵の鑑賞には、ちゃんとしたルールや作法、定石というべきものがどうやらあるらしいということが、本書を読んで分かった。(すでに知っていた方には今更何を、という具合だろう)

一つの絵画を、素人と美術の専門知識を有する人に見てもらう。そうすると、両者で大きく違うことがある。「目の動かし方」だ。素人は絵画の一部分だけに集中して、その周辺を行ったり来たりする程度の狭い範囲しか絵画を観察しない。一方で、絵画の知識のある人は、絵画全体に目をやりながら観察するそうだ。

絵画になじみのない人は、場当たり的になんとなく絵を観るのに対し、絵画に明るい人は全体を見渡しながら描かれているものの「関係性」に注目しているそうである。

絵画の鑑賞にはいくつも定石がある。

絵の主役というべき「フォーカルポイント」がある。フォーカルポイントに目が行くように、描かれている人物の目線や色の明暗が使い分けられている。

色によって絵具の価値(値段)は異なり、尊いものや高貴なものに貴重な色が使われる。例えば、青色は贅沢な色であり、聖母マリアやキリストの衣装などによく使われた。

絵の構図にはマスターパターンという基準があり、画面の十字線と対角線をベースに絵画が描かれていることが、特に名画では多い。それによって絵の全体の秩序が生み出されている。

こうした絵画鑑賞のお作法を知ることで、僕もなんだか絵画を楽しめる気がしてきた。

やはり自分はそもそものお作法を知らなかったのだ。才能とかセンスうんぬん以前の問題だったのだ。

道筋の全く見えなかった美術鑑賞に、少し希望が見えた気がする。
早速、絵をいくつか観てみよう。
これからは僕も美術と仲良くできることを期待したい。


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