新卒からPMF前のCustomer Success立ち上げを担うことで学んだこと

はじめに

まず簡単に自己紹介させていただくと、新卒でBtoB SaaSを扱うベンチャー企業へ入社し、一部のマーケティングとインサイドセールス、フィールドセールスから始まりました。

当時は、PMFしておらず、受注も困難な状況でターゲットがどのような顧客なのかも定まりきっていない状況でした。
そのため、リストも存在しておらず、リストを作成するところからのスタートです。
そんな環境でも、ターゲティングを磨き、しっかり受注に繋げていきました。

アポも毎日数件取れており、架電と商談を繰り返していた。そんなある日、先輩に呼び出された。

先輩:来月から外出しないから〜。
私:はい??
先輩:今持ってるアポ、全部他の先輩に引き継いでおいてー。
私:はいー???????

話を聞けば聞くほど、謎は深まるばかりでしたが、背景としてはCSへ人員補充が決定したことです。
営業が楽しくなってきたタイミングでしたが、BtoB SaaSで受注だけはなく、顧客が受注時の期待(ゴール)を達成することに携われるのは、やりがいがありそう!
と思い、Customer Success(以下、CS)へ配属されることになりました。

(後日談ですが、人員補充は建前で先輩が11月に退職することが決まっていたのが最も大きな要因でした笑)

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CS立ち上げスタート

前置きが長くなりましたが、そんなこんなで先輩の退職によって、結果として必要な仕組みは全て整えていく日々がスタートしました。

社内にもノウハウがないので、とにかく本や他社のCS、海外記事などを日々読み漁り、実践していきました。

そんな中でも、特にPMF前の段階でCSとして行い、よかった施策をまとめていきます。

受注・失注ヒアリング

参加者:ビジネスサイド全員(必須:事業部長、営業、マーケ、CS 任意:エンジニア)
時間:30min〜1h
頻度:週1程度(状況によっては、月1の場合もあり)
事前準備:営業担当が、2~3社事前にピックアップ
進め方:
・1社目の受注or失注理由を担当営業から説明(5分)【スライドorホワイトボードに記載しながら】
・質問タイム(5~10分)
・2社目(5分)スライドorホワイトボードに記載しながら】
・質問タイム(5~10分)

良い点
・受注理由or顧客課題を具体でマーケ、CSにも共有されるため、鮮度高くコンテンツ配信などが実施できる
・営業が説明してくれる内容を基に顧客とのギャップが生まれている際の原因を深めやすい
・失注理由を深堀すると、意外とCSからすると受注できる企業がいるため、CS含めたクロージングに発展しやすい=結果、受注する
・他者からの質問を通じて、個々のヒアリングスキル向上に寄与できる

悪い点
・全員の時間を拘束してしまう

悪い点を加味しても、総評としては実施して良かった施策の1つです。

解約ヒアリング

参加者:事業部全員
時間:30min〜1h
頻度:月1(解約発生月のみ)
事前準備:CS担当が、解約企業の受注理由、活用方法、解約理由を整理
進め方:
・解約企業の受注理由、解約理由、活用方法を担当CSから説明(5~10分)【スライドorホワイトボードに記載しながら】
・質問タイム(5~10分)
・解約企業分、繰り返す

良い点
・解約の課題が明らかとなり、マーケ、営業、プロダクト、CSと多方面から改善施策や協力を仰ぎやすくなった

悪い点
・事業部全員の時間を奪う(頻繁に開催できない・・・)

全員で既存顧客とプロダクトに向き合う良い機会になっていた。
新規顧客の声から、ニーズを掘り出すのではなく既存顧客からニーズを掘り出すことで、顧客ニーズを具体化しやすかった。
またCS側では、難しいプロダクト起因の課題も、しっかり共有する場を設けることで、エンジニアリソースも再配分しやすくなった。

定期コンタクト

頻度:月1回程度
担当:CS
内容:
・担当顧客に電話で月1回程度連絡をとる
・その際に伺う内容は以下
 ・現在の社内状況
 ・担当の方の忙し度合い
 ・お客様内の事業部課題
 ・業務課題
 ・プロダクトの課題(改善要望など)
 ・(解決できそうであれば)現状での解決方法

良い点
・プロダクトの利活用において、課題となっている部分を解消でき、後悔がなくなる
・タイミングが合えば、インタビューなどの依頼もしやすい
・毎週だとうざいが、毎月なので、そこまで雑に扱われずに、関係構築がしやすい
例) 長い時間連絡していないのに、契約更新前になってから連絡が来るとプロダクトが良くても、良い気持ちにならないですよね・・・?

悪い点
・リソースは、かなりとられる:5~10min/社
例) 100社担当の場合、8~16h程度かかるため、2営業日程度リソースを失う

元々、インサイドセールスもやっていたことがあり、架電に抵抗がなかったため、電話で常に最新の顧客情報を引き出すということをやっていました。

番外編

コミュニケーション時に意識していたこと

コミュニケーション時に意識していたことを下記に記載していきます。
なぜ、これをまとめようとしているかというと、
CS = Communication Success
だと、個人的には感じているためです。

ポイント1:顧客からの質問や、説明時には「ネガティブ情報→ポジティブ情報」の順に伝える

例えば、「〇〇というのを貴社プロダクトで実現できますか?」と聞かれることは、ありますか?
これはCSをやっていると、頻繁に質問されたことがある内容です。

皆さんなら、なんと回答しますか?
私の場合、下記を徹底していました。

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上記の内容、ポイントは青文字で記している部分です。
できるorできないを回答するのは、ビジネス上大事です。
とはいえ、CSの観点が加わると、期待値を下げてから上げるという行動が重要になってきます。
期待値を上げてから、下げると人によっては怒りを覚えてしまうのです・・・笑
(まさに、営業ができると言っていたことが、できなかった現象と似てます。)

ポイント2:自社都合の話をしない

お客さんと会話する際、自社都合の話ばかりされるとどうでしょう?
私がお客さんの立場になった際、「え、そんなの知らないよ・・・。もう要望言っても、自社都合で終わるだけだから、言っても意味ないな。」と思います。
「言っても意味ない。」このように思われると顧客との関係は致命的です。

だからこそ、要望があった場合、
「現時点では実装できていないです。貴社の課題を具体的にお伺いさせていただき、一緒に解決するための方法を議論させていただいても良いですか?」
のように伝え、顧客要望の背景や実装する際に機能なのか、仕組みで解決できるのか、等を明確にしていきます。
その結果、機能開発が必要だと判断したものは、社内へ共有することを徹底していました。

おわりに

顧客と向き合うことで、色々な観点が出てきて、難しいと感じるかもしれないです。
とはいえ、ビジネスにおける根本的な部分は昔から変わっていないと思うので、しっかり顧客に向き合い、顧客が本当に求めているものを提供できるようにしていきたいですね!

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