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インフルと孤独とヨンボとの別れ

「あっ多分体調悪いな」
何となくの嫌な予感がした夜、朝を待たずして寒さに目が覚めた。体温計を脇に挟むと37.8度の表示。直感で分かった、これはインフルかコロナと。

2日後には39度台まで熱が上がって、3mがハーフマラソンのように遥か彼方に感じた。去年コロナにかかったときは、実家にいたから父にご飯を用意してもらえたけど、一人暮らしだとそうもいかない。ましてやこの地に恋人や友人と呼べれる存在もいない。孤独は寂しいと思ったことはあったけど、危ない、死ぬかもしれないと感じたのは初めてだった。

会社の人にパソコンを届けて欲しいと頼んでみたら、ついでに食べものや飲み物を沢山沢山とどけてくれた。実はちょっと期待していたけど、それが本当に助かった。レンジで温めたり、お湯を沸かすのもしんどかったので、ゼリー飲料とスポーツドリンクに救われた。その後父から大丈夫かと電話があったが、「しんどい」と口に出すことができて良かった。

熱が下がったあくる日、また父から体調はどうだと電話があった。そして、実は昨日ヨンボが死んだと聞かされた。まだ熱が下がりきっていなかったせいか一瞬ヨンボが思い浮かばなかった。ちょっと考えて思い出した。最初から最後まで全く懐いてもらえなくて、こちらの姿をみるとすっ飛んで逃げていった黒猫。ただとても印象的だったのが、最初に家に入ってきた時、あまりの黒さに背景とヨンボの境界が認識出来なかったこと。

見舞いのメッセージをくれた人たち本当にありがとう。
そして、ヨンボ忘れかけていてごめん。どうぞ安らかにおやすみになってください。

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