異世界の話

 最近やたら異世界モノというやつが流行っているらしいのです。ちょっと調べると「読者にストレスを与えない」から流行っているとか。確かに異世界に行って現代の知識で無双するものが多い、と考えるとそれも頷ける話ではあります。現代はストレスに溢れています。それから逃避するという意味で異世界モノが流行るのは道理でしょう。

 しかし私は主張したい。そしてクソみたいなマウントを取りたい。異世界モノを読めるだけまだ捨てたものじゃないと。異世界モノを読む動機が主人公と自分を重ねる事であれば、異世界モノを楽しんで読めるということは異世界に行きさえすればまだどうにかなるという希望を持てているということです。私は異世界モノを読む気にならないのです。共感性羞恥とかそういうのではなくて、単純に自分が異世界に行ってどうにかなるとも思えないのです。もし私が異世界に行ったら、精々現地の人間とコミュニケーションを取れずに餓死するか、なにか怪異か何かに巻き込まれて終わりだろうと考えてしまいます。つまり、異世界に行きさえすればどうにかなると考えられるうちはまだ華です。異世界モノを純粋に現実逃避として読む方々、安心してください。その向上心があるうちはまだいくらでもどうにでもなります。多分。

以上、OutLogging Writers "高梨辣油" でした。

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