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落ち着く

今は脳神経外科を実習で回らせてもらっている。

心身ともに鍛えられる環境に身を置いていて、

オペ時間が6時間を超えることは良くあるし、
深夜にオペが入ることも良くあって、

外来の症例、回診の症例、朝カンファ、夕カンファ、常にお腹がいっぱいになりながら必死に、毎日を過ごしている。

私が選んだ実習先。

まだ、脳外科に進むことは決めてないし、

まさか、2つ返事で

はい、入ります

なんて口が裂けても言えないけれど、、

脳外科の研究室に縁あっていさせていただいたのだから、ここで回らなかったら一生後悔するだろうと思って自ら選んだ。

過酷なことは百も承知で、学年で脳外科でのアドバンス実習を選択したのは私1人だけ。


今日言われたことは

人格形成した方がいいよ。

(これ言われたら終わりなんじゃないかって思うけど。笑)

もっとゆったりした方がいいこと。

もっと遊んだ方がいい。

学生はもっと遊んだ方がいい。

だいたいあじゃあじゃしている人はだめ。

もっと落ちついて。


回り道して焦るのわかるからもっと落ちついて。

焦りすぎだ。

余裕をもって。


焦る気持ちを抑えないとだめ。

メンタルは鍛えればなんとかなる。

君の焦り具合をみたら、チョンだね。

君は、悩みを自らたくさん作ってる。

本来、学生はとっても暇なんだ。

僕は今まで焦って生きてきてない。

何もできないのにできるふりしてもダメだ。



落ち着いて。

簡単に言うと、

全てごもっともで。

まだ1週間しか回っていないけど、とっても見透かされているようで怖い。

現実に見透かされていると思う。



教授の横に鎮座して、朝からの外来を一緒にずっとみさせていただいて一人一人に対する細やかな対応にただただ、圧倒されている。

間で色んなことを教えてもらっている。

ここまでの人生観とか。
もちろん学問的なことも。

とっても貴重な経験をさせてもらっていると思っている。

外来では笑いながら患者さんに

間違って脳外科に入ろうとしている医学生です。

と、私のことを紹介してくれた。


ちょっぴり嬉しかった。
もちろん冗談なのは自分でも良くわかっているけど。

まだ、色々言ってくれるだけマシだと思うけれど、どれもなかなかハードで。

受け止めるのに精一杯で、、、

落ち込むこともよくある。

それはそうと、オペの中で見させていただく脳は言葉では言い表せないほどに美しく、繊細。


教授のオペを間近に見させていただくと、丁寧で、ゆっくりで確実、着実。

そんな言葉がピッタリである。

血管芽腫除去の途中で血が噴き出ても、私は横でうろたえているにもかかわらず、教授は、焦らず、うろたえず、震える手で黙々とVasクリップで血を止める。

そして間、間にものすごい努力をしてきたこと、先生の母校、北大での脳外科時代での同期とのエピソードを懐かしみながら話してくれる。

私は隣でそのお話を一つ一つ聞くのが好きだ。

例えば手術一つとっても、一工程、一工程自分がオペした時を想定してスケッチを作ったこと。

もし、妻でも母親でも笑いながらオペできるし、同業者の医者でも全く緊張しないよと。どんなオペも常に緊張感を持ちながらやっているからと、、、

私は固唾をのんで隣で圧倒されている。

オペのスケッチは息を呑むほどに美しい。

まさにArtである。

紙からまるで開いた頭が立体的に浮かび上がってくるように。

小さい頃は画家を目指していたそうな。

脳血管外科を専門としているのでもモヤモヤ病、バイパスの手術はもちろん得意とされていらっしゃるが、脳腫瘍(血管芽腫)頭蓋咽頭腫、三叉神経痛、頭頸部手術(頚部内頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術)とにかくなんでもできる。私が隣で見ただけで、これだけ。

これからどんなオペを見せていただけるのだろうか。

しっかり学ばせていただかなくては。

とりあえず、まだ続く脳外科実習。

ここにこうしてアップできているだけまだ余裕がある証拠。

がんばろう。

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