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新刊『賭ける競馬、読む競馬』

 著書『王様・田端到の賭ける競馬・読む競馬』(秀和システム)が刊行されました。雑誌「競馬の天才!」に連載中の「馬は眠るがキャラバンは進む」の原稿を中心にまとめた本です。

(amazon kindleの電子書籍「王様の読む競馬」シリーズや、以前このnoteに掲載していた記事と、一部コンテンツが重複してることをご了承ください)
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 馬券術も、ノンフィクションも、フィクションも混ざった、まとまりのない本のため、まえがきを転載します。
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 1章には、ライスシャワー、オルフェーヴル、ミホシンザン、グラスワンダーとスペシャルウィークなど、なつかしの名馬や名勝負をめぐる物語を収録しました。
 ノンフィクションもあれば、小説ふうフィクション形式のものもあります。当時の新聞記事や出馬表を再録した写真は、見出しをながめているだけで楽しい。

 競馬歴40年を超えるライターが昭和や平成の名馬を綴ると、こんなふうに郷愁まみれの文章になってしまうのかと、読み返して愕然とする部分もありますが、それは仕方がない。
 競馬を語ることは自分を語ることであり、書き手の思い入れが投影されない競馬の物語なんて面白くもなんともないのだ、と言い訳しながら昔話を綴っています。

 2章には、最近のデータを駆使した「マニアックな馬券術」の数々を収録しました。
 ラップタイムから騎手のうまさを判断する方法や、脚を余してしまう騎手を独自のデータで読み解いた馬券術などが入っています。馬体重に注目しながら、血統による道悪の巧拙を調査した回もあります。

 3章には「おもしろ妄想エッセイ」のようなものを収録しました。
 自分で「おもしろ」を名乗るのも図々しいですが、ゴールドシップの春の天皇賞の実況や、思わぬところから反響が届いた「飛べないテントウムシ」の話などは個人的にお気に入りです。

 4章には、最近の名馬を題材にした「馬と家族をめぐる物語」を収録しました。
 読み返すと、主役のはずのコントレイルやラッキーライラックやグランアレグリアの出番が少なすぎるという反省もありますが、この時期の名馬を書こうとすると、どうしても自分のまわりの家族が出てきてしまう。
 これは著者自身の事情によるもので、これもまた、競馬を語れば自分が投影されてしまうゆえの必然なのだろうと、あきらめるしかありません。

 そんな本書はきわめて個人的な視点により、描かれた競馬のお話の数々です。
 連載時に「田端到の妄想ファンタジー」という副題が付いていましたが、読者の頭の中のスクリーンに、それぞれのファンタジーが思い浮かぶキッカケになるとしたら、大きな喜びです。

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