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おもしろいものをヒットさせるためにセンスは何%必要か

5月1日に行った、トークショーの話。

私の好きな人は、インプットが活発で、トークショーとかに行きそうなタイプ。
実際に行っているのかは知らないけど、でも行ってそうなタイプ。

そっち側の世界を見てみたくて、今回思い切って申し込んでみた。
好きな人に出会ってなかったら、踏み出していなかったかもしれない一歩。わたしにとっては大きな大きな一歩。

そもそも、なんでこのトークショーに惹かれたかっていうところから書きたい。

きっかけはこのイベントの情報がTwitter(現X)のTLに流れてきたこと。

株式会社バーグハンバーグバーグの公式アカウントを、私は1年10ヶ月前くらいからフォローしている。

この会社を知るきっかけになったフワちゃんのことは、それよりももっとずっと前からフォローしている。

その1年10ヶ月前くらいに、フワちゃんが「アタシのホームページが出来たよ‼️」と宣伝していたので覗きにいってみた。


うーーーーん、好き。

私は、面白法人カヤックとか、もろに刺さるタイプ。


分かりやすく尖ったものに、まんまと惹かれがちなタイプ。

アメリカ・アマゾンさんとか、そりゃもうドンピシャなタイプ。


単純だよなーと、自分でも思う。
おもしろいものが好きそうな人を狙ったブランディングにまんまと引っかかる。本当におもしろい人は、おもしろいものが好きそうな人を狙ったおもしろいものをおもしろいとは思わないだろうに。

これがまぁ、ホンモノとニセモノの違いだと思う。

私は、でも、ニセモノでいい。

イノベーター理論で言えば、きっとアーリーアダプターぶったアーリーマジョリティ。もはやイノベーターでは決してない。

そんな拗らせ女のTLに、おもしろそうなお知らせが飛び込んできた。

【お知らせ】
長島の本『センスは5%』の発売を記念してトークショーが行われます!
会場チケットは本日20時から発売開始!
(配信もあります)

▼イベント詳細はこちら

株式会社バーグハンバーグバーグTwitter(現X)より


このツイートを見たのは、ちょうど異動前のプレゼントを買いに走っている時だった。20時までの店を駆け巡り一息ついたところで、チケット購入サイトに飛ぶと、なんと鯖落ちしてた。

人気らしいものに群がる自分、ウケる。

無事にチケットをゲットして、重い荷物を持ちながらいつもより軽い足取りで、家に帰った。

好きな人には、このこと(大きな一歩を踏み出したこと)は言わなかった。

あなたに影響されていることを悟られるのが照れ臭くて。

そして来る5月1日。
時間休を取って渋谷に向かう。

その日は、久しぶりの雨だった。それも冷たい雨だった。

会場に着くと、思いの外、若めの女性が多い。
自己啓発系に近いトークショーだと思ってたからまず驚いた。

なんの予習もしてこなかった私は、ちょっとだけ居心地が悪くなる。

このイベントは「センスは5%」の発売記念だったのに、私はまだその本を持ってすらいなかった。

意識高い系に抗う意識低い系の端くれ。

当日販売で無事に本をゲットして目次を見て最初に目に止まったのは、

人のミスは怒らない

というトピック。クリエイティブな発想を醸成できる環境のためには負の感情がいちばんの敵。リーダーは楽しい空間をつくらないといけない。という趣旨のことが書いてあった。

ハラスメントが横行するような職場環境だったことがある。それも入社して間もない頃。
ボイスレコーダー付きのボールペンを持ち歩いている同僚がいたあの頃。

わたしは、おもしろいものをつくる気力も余裕もなかったし、仕事におもしろさを求めることが許されてすらいなかったように思う。

職場環境が仕事のクオリティに与える影響を考えさせられる。

そんなこんなで、登壇者が登場。字の如く黄色い歓声が上がる。そこでようやく気づいた。

あれ、このイベント、私が思ってたやつじゃない!

登壇者の2人(長島健祐さんとかんちさん)目当てにみんな来ているのか!

そもそもこの人たちはただの著者じゃない。ただの一企業の社員さんじゃない。個のキャラクターが確立した所謂インフルエンサー(?)だったのか!

気づいた頃にはもう遅い。けどせっかく一歩を踏み出して、そして冷たい雨に打たれてここに来たからには、なんでもいいから何かしらの知見を得たい。

そんな私が持ち帰った唯一のエピソード。採用にまつわるお話。

質問回答コーナーで、「御社に入りたい!どうしたら受かる?」みたいな質問があって、それに対する回答が印象的だった。

ふざけてる人は取らない

みたいなことを言ってた(もっとちゃんとした言い回しだったけど)。

えって思った。

こんなふざけた会社なのに?

そう、こんな会社だからこそ、異端アピールはいらない。ということみたいだった。TPOをわきまえてふざける、というのは、案外簡単なことじゃない。

勝手に篩い落とされた気になって多分あそこにいた誰よりも私は恥ずかしかった。別に入社希望とかじゃなかったけど。思い当たる節があって。

2023年の最後の方に、上司と先輩が、ご飯に連れて行ってくれた。そこで先輩が「実は転職するんだ」って言って、我が社でいかに先輩が「やりたい仕事にたどり着いてきたか」を教えてくれた(まるでとっておきの秘密ごとのように)。

要は、自己アピールをうまくすることだって言ってた。

そのために、異動時の志望動機や自己PRは、人事が思わずラインマーカーを引いてしまうような文章を書くんだよって。

だからそのあと私はすぐにそれを実践した。

でも、その「思わず」の方向が間違っていた気がする。

なんてことに、今更気づいた。

私は異端さというものに、執着しすぎているのかもしれない。

センスが足りてない。

でも、おもしろいものをヒットさせるのに、センスは5%だという。じゃああとの95%はなんなのか。努力、根回し、シナリオ(前職場の上司はしょっちゅう「俺らの仕事はシナリオづくりだ!」って言ってたな)、考え得るヒットへの道を虱潰しに試すこと。おもしろいものは、つくればいいって話じゃない。

行ってよかった。
踏み出してよかった。
場違い感はすごかったけど。

それにしてもクリエイティブ(ホンモノ)な人が言う「自分は凡人なので」というセリフほど尖ったものはない。ナイフより、切れるね。ちょっとだけ、ズキっと痛かったな。

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