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お取り寄せ

月参りをさせていただいている護国寺は、真言宗豊山派の寺院で、護国寺の伽藍の中には、豊山派の宗務所もある。

豊山派の本山は奈良の長谷寺。四季折々に美しい花や樹木が伽藍を彩る花の御寺(みてら)だ。ご本尊は十一面観音。このご本尊の大きさは10メートルを超え、木造としては国内最大の大きさだそう。実際に、長谷寺にお参りしてその実物を拝むとその大きさに圧倒される。
ご開帳のときには、この木造の真下まで進んで拝むことが出来る。拝む際には、ご本尊の御御足をさわることができるので、足の甲のところはツルツルしている。このご本尊が建造されたのは1538年だから、現代から500年近い歳月を遡った室町時代の人もさわった足の甲を、私もまたさわることができるのだから、ちょっとした奇跡だ。

十一面観音様の現世利益は以下だそう。

離諸疾病(病気にかからない)
一切如來攝受(一切の如来に受け入れられる)
任運獲得金銀財寶諸穀麥等(金銀財宝や食物などに不自由しない)
一切怨敵不能沮壞(一切の怨敵から害を受けない)
國王王子在於王宮先言慰問(国王や王子が王宮で慰労してくれる)
不被毒藥蠱毒。寒熱等病皆不著身(毒薬や虫の毒に当たらず、悪寒や発熱等の病状がひどく出ない。)
一切刀杖所不能害(一切の凶器によって害を受けない)
水不能溺(溺死しない)
火不能燒(焼死しない)
不非命中夭(不慮の事故で死なない)

そういうわけで、今のこの難儀に際して拝むべきは十一面観音様だとひらめいた。

観音様といえば観音経である。
長谷寺では観音経のお写経セットが用意されていて、取り寄せもできる。
早速取り寄せてみたのがこちら↓

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お作法に従って観音経のお写経に励みましょう。

十一面観音様のご真言はオンマカキャロニキャソワカ。

十一面観音は奈良時代から信仰を集めた仏様ゆえ、古刹には十一面観音を本尊とするところも多い。お水取りで有名な東大寺の二月堂のご本尊も十一面観音なのだ。


白州正子が各地の十一面観音を巡り綴った随筆集の「十一面観音巡礼」があった。あれを読めば、今は、実際の巡礼をすることは難しい時期だけれど、気分だけも味わえるかもしれない。

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