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もういっそこんなスマホが欲しい - 引き算の美学 -

こんにちは。
oun Lab. シミズタカユキです。
注)今回は前置きが長くなりますのであらかじめご注意くださいませ(笑)

さて、皆さんはどんなスマホをお使いでしょうか?
僕は2009年にiPhone 3Gsでスマホデビューした時から現在に至るまでずっとiPhoneユーザーなのですが、歴代の中でもiPhone4のデザインが一番好きです。

当時使っていた実機(バッテリーがパンパンです)

この10年でスマートフォンはハード・ソフト共に凄まじい勢いで進化を遂げてきましたが、近年ではスマホで何でも出来てしまうので、バッテリー容量を増やす必要性が生じた事や、映像を快適に視聴するなどの目的からスマホは大型化の一途をたどっています。

今まで所有したiPhoneは3Gs / 4s / 5s / 6 / 7 / XR / SE2 / 12mini なのですが、iPhone5以降、背面にアルミが使用されるようになってから電波受信のために中途半端な場所にラインが入ってしまう事に意匠的な不満を持ちつつも、iPhoneはユーザーの多さから様々なスマホケースがラインナップされているので徐々にカッコいいスマホケースを楽しむ方向へシフトしてゆきました。

左から|iPhone 3Gs / 4s / 5s / 6 / 7 / XR / SE2 / 12mini

また、僕は手が小さい方なので、大きなスマホだと画面の端に指が届かず非常にストレスを感じていました。
そんな折、2020年にiPhone12miniが発表された瞬間に『あの頃のiPhoneが帰ってきた!』と予約開始と共にポチったあの興奮は2年経った今でも鮮明に覚えています。

iPhone 4s / 12mini

ですが、iPhone12miniが手元に届いてから数ヶ月後には再びケースを着ける事になります。
それは背面より1.5mm出っ張ったカメラによる卓上に置いた際のガタつきへの不満です。

ここ数年、iPhoneに限らずスマホの進化はカメラ性能がいかに優れているか程度のもので、レンズの大型化に伴い本体の中にカメラが収まらず外部に露出せざるを得ません。
この現象はiPhone6の頃から始まったものであり、解ってはいたものの毎日使うモノなのでどうしてもストレスを感じてしまいます。

そこで実はiPhone7の頃から愛用しているスマホケースの発売を約半年待ち、現在まで愛用しています。

それが今回ご紹介する「MYNUS」のスマホケースシリーズです。
発売以降、驚異的なスピードでファンを獲得していったブランドですので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

1. 意匠

MYNUSが標榜している「引き算の美学」という言葉の通り、このスマホケースは余計な要素が一切排除されています。
電源ボタンや音量ボタンでさえも隠してしまい、ケースを装着した様は一つの塊かのよう。
ひと目見た瞬間に「美しい」と思わされました。

とは言え、ボタンを隠してしまったら操作はどうするの?と思われたかもしれません。
ですが、ケース側面をよく見てみると電源ボタン側には小さなドット、音量ボタン側にはライン状の凸が配置されており、視覚ではなく触覚でボタンを認識できるようにデザインされています。
もちろん操作には何ら支障は無く、わずか0.2mm程度の突起だけでボタンの存在を消してしまうという徹底っぷり。

2. 機能

素材は7~11シリーズまでは「ABSエラストマー」、12シリーズからは「グリルアミドTR-90」という特殊なプラスチックを使用しており、どちらも適度な硬さと柔軟性を持っているため、薄くて精密な形状を保持しながらも、素材自体のしなりによって割れたり欠けたりしにくい仕様となっています。
デザイナーの設計意図には柔らかさと切れ味を両立させた日本刀に通ずる迫力のようなものを感じます。

また、このケースは単に形状をシンプルにしただけに止まりません。
コンマ数ミリの隙間も許さない絶妙なスマホとのフィット感の裏にはスマホのボタンやカメラなどの突起部とのギャップを埋めるため、ケースの内側の樹脂成形やクッション素材によって厚みを調整しています。
背面のフラットな外観とクッション性を重視しているのでマグセーフ機能(磁力)はオミットされていますが、ワイヤレス充電は可能です。

iPhoneの形状に合わせてケース内側で段差を調整

更にケース表面(画面側)の四つ角はスマホ画面よりも0.7mm高くなるように設計されています。(12シリーズ以降)
目視では全く気づきませんが、四つ角を0.7mm高くする事で画面を下にして置いても机などに触れないように配慮されています。
ケースとして必要な機能であると同時に、意匠的には無くしたい凹凸をコンマ数ミリの設計で解決する姿勢にもはや狂気すら感じます。

目視では気づかないレベルで画面部分にわずかな隙間を持たせている

3. 使い勝手

薄い!とにかく薄い!つまり軽い!(12miniモデルで約11g)
樹脂厚は最薄部0.4mm、最厚部(カメラ周り)でも1.4mmと、ほぼケースを着けていないかのような握り心地。
(数値は実測値ですので多少の誤差はご容赦ください)
その代わりに耐衝撃性は低いのでスマホをよく落としてしまう方はご注意を。

また、このケースは現在3色展開なのですが、実は色ごとに触感も異なります。
ブラックはラバー調のしっとりとした手触り、ホワイトは艶消しのサラッとした手触り(13シリーズからは砂岩調)、グレーは砂岩調のザラっとした手触りと、色ごとに異なった滑り止めコーティングが施されています。
それぞれグリップ感があるので、自分の手に合ったグリップ感で選ぶのも新しい選択肢かと思います。

4. コスパ

価格は13シリーズで¥4,620とスマホケースの中では高級な部類です。
iPhoneはリセールバリューの高いスマホですので、万が一の落下などからスマホを守ると言う点で見れば心許ない面は否めません。

そういう意味では使い手を選ぶケースですが、外観の完成度と使ってみて初めて感じるデザイナーの心遣いには¥4,620以上の価値を感じます。

ちなみにMYNUSでは実機を測定してケースの設計を行っている為、最新機種のケースは実機の販売開始から少し時間がかかります。
14シリーズはiPhone 14及び14 Proの展開で、2023年1月以降を予定されているそうです。

5. oun view

『引き算の美学』から生まれたMYNUSのスマホケースですが、ただカタチをシンプルにしただけのケースとは違い、CMF(Color / Material / Finish)まで徹底してこだわり抜かれたデザインとコンマ数ミリ単位の緻密な設計によって、見て良し、触って良し、使って良しな隙のなさに魅了されてしまいます。
耐衝撃性?落とさなければ問題ないのです!!

6. まとめ

スマートフォンという工業製品において、ソフト面では様々な工夫が施され、いわゆるUI (ユーザーインターフェイス)デザインの進化は目を見張るものがあります。
一方ハード面ではここ数年革新的な変化が無く、カメラにおいてはどんどんレンズが増えて出っ張ったりと、まるでガラケー時代末期を彷彿とさせます。

今やスマートフォンは10万円を軽く超える高価な製品ですので、落下による破損などのリスクに備えたケースを着ける人も多いと思います。

そこに一石を投じたのがMYNUSのケースです。
毎日使うモノだからこそ見た目が美しく、ノイズを極限まで引き算することで日常にスッと溶け込む。
美しいモノは大事に使うからこそ落とさないように気を付ける。
まるでそんな所作に誘導されている気すらしてしまいます。

かの巨匠、ミース・ファン・デル・ローエの遺した言葉「Less is more」の通り、「少ない方が豊かである」を体感できるMYNUSのケース。
もういっそこんな筐体のスマホが欲しい。

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