今里筋線について

大阪メトロ今里筋線。2006年に開業した、大阪で走る新しい地下鉄路線である。
大阪市東淀川区井高野から、東成区今里迄を結んでいる。
そんな今里筋線は途中太子橋今市で谷町線、関目成育で京阪線、蒲生四丁目で長堀鶴見緑地線、鴫野でJR学研都市線.おおさか東線、緑橋で中央線、終点今里で千日前線とそれぞれ乗り換えが可能である。
でも不名誉なことに今里筋線は大阪人でも案外知られていない路線でもあり、大阪の大動脈路線である御堂筋線と乗り換えが出来る駅がないのである。
その事で今里筋線は赤字を抱えており、乗客もラッシュ除いて少ない有り様。
元々今里筋線は上新庄が起点駅となる予定だった。
では起点駅が何故上新庄ではなくなったか?諸説あるが、阪急が嫌がったので井高野に変更したという説が存在する。
恐らく政治の力かもしれない。その井高野、駅周辺は団地が主だ。市バス(現在のシティーバス)の井高野車庫があるし、団地からの利用もあると見込んで井高野に変更されたのではないだろうか?
その今里筋線が出来るまで、井高野や瑞光の人達はバスや阪急京都線の上新庄.相川を利用していた。その有り様を踏まえたら今里筋線は阪急や市バスの混雑緩和にも一定価値があったといえる。
しかし今里筋線が井高野に伸びた時には、井高野付近は高齢化が著しく進んでしまった。
尚阪急は、今里筋線が開業した翌年2007年に上新庄に準急を止めている。ある種の今里筋線瑞光四丁目.だいどう豊里に客が流れないよう流失防止だろう。
それまで上新庄は東淀川区で最も乗降人員の多い駅であった。
今里筋線が出来たことで、大阪経済大学生にもメリットが生まれた。
近くに瑞光(ずいこう)四丁目の駅が出来たからである。
それまでは大阪駅から37系統の市バスに乗るしかなかったし、上新庄から歩くかバスしかなかったからである。
上新庄から大経大は歩くと大体15分くらいかかる。
今里筋線が出来ても阪急の利用客はこれまで通り上新庄を利用しているだろうし、地下鉄客は瑞光四丁目を使っているのが大経大生ではなかろう
か。
今里筋線には実は延伸計画が存在する。今里から東住吉区湯里6丁目迄の延伸計画が存在する。
しかし市の財政が苦しいという事から凍結されている。最も湯里6丁目に伸ばした所で中途半端である。
途中JR大和路線の東部市場前と乗り換えが出来るだろうが、それでも利用が増えるとは言いがたい。
なので今里から湯里へ伸ばしても赤字が更に増えるだろう。どうしても南へ伸ばせというのなら、湯里から更に長居或いは天王寺迄に計画を練り直すべきではないか?
長居迄伸ばすことで、大動脈路線である御堂筋線.JR阪和線とも乗り換えが可能だ。という事から今里筋線の南へ伸ばす代わりにいまざとライナーというBRTが2019年から導入された。
このいまざとライナーで成果が出れば今里からの延伸も具体化するだろうが、この間残念ながらコロナ期を除いて利用客は増えつつあるものの、あまり成果はないようだ。
いまざとライナーは、地下鉄今里から天王寺へ行くのと地下鉄今里から湯里6丁目経由地下鉄長居も経由しJR阪和線長居駅前迄を走る2ルート存在する。自分はこの間何度かいまざとライナーに乗ったことがある。
昼間に乗ったというのもあり、あまり混雑していなかった。それでもラッシュ時はそれなりに乗っているかもしれない。実験中ということから、シティーバスは停留所事の乗降人員を毎度チェックしている。このままでは今里から湯里への延伸は実現出来ないだろうし、いまざとライナーもゆくゆくは撤退は避けられないかもしれない。
また、起点である井高野が他路線と接続しない駅である。
一応西へ20分ほど歩くと、阪急相川がある。東へ行くと摂津市に入り、大阪モノレール南摂津がある。歩くと井高野から南摂津はおよそ35分ほどかかるが、南摂津で振替輸送の路線駅は、この井高野になっている。井高野には先ほども述べたように、市営住宅が建ち並び、シティーバスの井高野車庫もある。
しかしながらやはりどこか中途半端感が否めない。
下記の地図を見てほしい。地図を見ればあることを思わないか?井高野から大阪市は超えることになるが、北へ行くと安威川を超えると吹田市に入り北には阪急正雀(しょうじゃく)があるではないか。
そこから少し行くと、JR岸辺(きしべ)があるではないか。
阪急正雀方面へ延伸すれば、今里筋線の利用が今よりも増えるのではないか?と思わないか?
今や大阪の地下鉄は市営地下鉄ではなくなった。大阪市が株を100%保有する大阪メトロに生まれ変わった。
なので大阪市という枠だけで考える地下鉄では実質なくなった。
民営化によりこの今里筋線を井高野から北へ伸ばす計画も練ることもある意味可能だ。
これまで市営地下鉄でなかなか市外に伸ばすのはハードルが高かった。
いくつかの路線は市外に伸びてるものの、それは車庫が必要ということだったり要望等によるものだ。
今里筋線を阪急正雀方面へ伸ばすことで、このようなメリットがある。
例えば正雀.岸辺付近は大阪学院大学や高校(尚両方自分の母校である)、薫英女子高や人間科学大学等といった学校がある。
それだけではない。国立循環器病院や吹田市立病院といった病院もあるのだ。吹田市は健都(けんと)と呼んでいる。
阪急正雀.JR岸辺方面へ延伸すると、学生客は無論だが、国立循環器病院への通院客も今里筋線を利用して行くことが可能だ。つまり学生客と通院客の利用が見込めるのだ。それを考えると、阪急正雀.JR岸辺迄でも延伸する価値は南へ伸ばすよりは十分にあるし、今よりも今里筋線を利用する客は増えるのではないか。
とはいえ本当に今里筋線の北へ延伸は出来るのだろうか?
勿論出来るとなれば、時間はかかるだろう。
ルート等考えねばならないし、井高野から正雀へ抜ける道路も必要だ。
ちなみに井高野から正雀は歩くと30分かかる。
課題は多々あれど、今里筋線の阪急正雀方面へ延伸計画は今里筋線の現状を打破する起死回生案なので、是が非でも延伸すべきであり出来てほしいものだ。

湯里6丁目の交差点。今里筋線はこの湯里6丁目迄の延伸計画が存在する。

今里筋線の駅一覧
現時点で終着駅である井高野
井高野周辺の地図
大阪市議会の議事録。
井高野だけに限らず大阪の地下鉄の終着駅は延伸出来るな構造しているらしい。
そう思うと課題あれど、井高野からの北伸もやろうと思えばやれる。

井高野の車止め。井高野は大阪市東淀川区にあり、大阪市北部の駅である。更に北へ行くと安威川(あいがわ)にぶつかる。安威川を渡ると吹田市に入る。やがて正雀川を川沿いに北へ行くと阪急正雀及びJR岸辺がある。果たして阪急正雀.JR岸辺方面への延伸は実現はするだろうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?