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光金の欠片に願いを込めて 前編

「光金の欠片に願いを込めて 前編」
原案:ガラウス=ルノヴィア
シナリオ作成:ヴィオレット=ノルヴァヌス、シルフィア

システム:クトゥルフ神話TRPG、ポルナ=パルヴァド神話TRPG
プレイ時間目安:不明
形式:クローズド
時代:現代
推奨人数:2人以上
推奨職業:無し。
推奨技能:<目星>、<聞き耳>、<図書館>、<数学>、<コンピューター>、戦闘技能など。
ルール:持ち物の持ち込みそのものは可能だが、スタート地点では囚われの身のため、前編のシナリオの途中で回収することが可能。後編は最初の選択肢によってシナリオが全く別種の四つに分岐するため、複数のシナリオの結末を確認したい場合は前編のクリア時点の情報を記録しておくことを強く推奨する。
今回の目的:謎の施設からの脱出。
※今回は通常のクトゥルフ神話TRPGでは使われない中途半端な数値や巨大な数のダイスロールが要求される場面が多々あるため、必要な場面ではWEBサイコロ等、乱数生成機能のあるホームページ等を必ず併用してください。

※このシナリオの著作権(財産権)は全て著作者に帰属します。二次配布や改変版の許可のない再配布、自作発言、商用他、金銭的なものが関わる使用などは禁止とさせて頂きます。
※ご質問、ご指摘等は「感想」にてお願いします。個人的に遊ぶ場合はご自由に。改変等は、配信・リプレイなどで使用後、動画や小説などで公開する場合においてのみ。根幹に関わる過度な内容の改変はお控え頂けると幸いです。よろしくお願いします。
※リプレイ小説や動画など公開される場合は、「本シナリオの作者名」と「作品リンク」をはっきり記載して頂けるようお願い致します。できましたら、何らかの形で報告頂けると嬉しいです。
※シナリオ初制作かつ、かなりオリジナル要素が強い内容になりますので予めご承知おきください。なお、本シナリオが【プロトタイプ】なのはテストプレイを終えていないからです。ちゃんと最後まで遊べることを確認できまら【正規版】を投稿する予定ですが、いつのことやら。
※この作品はフィクションであり、実在する人物・団体・地名等とは一切関係ありません。どこかで聞いたことがある神話関係の言葉などが見られても、それらは実在するものとは全く一切関係ありません。
※最後になりますが、このシナリオは予定している新作作品での小道具を想定したものです。そちらの執筆が進んでいない中、かなりフライング気味に出すものになります。そちらも、もし投稿された暁には読んで頂けると嬉しいです。
※「note(逢魔の黄昏名義)」及び「pixiv(逢魔時 夕名義)」にも同シナリオを公開しております。

【推奨事項】
 本シナリオは「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」と世界観を共有するポルナ=パルヴァド神話シリーズに属するクトゥルフ神話TRPGシナリオとなります(結局、クトゥルフなのかポルナ=パルヴァドなのかどっちなんだよ)。
 一部、共通している登場人物や共有している設定がありますので、「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」の先に遊ぶことを一応お勧めしておきます。ただし、「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」を遊んでいない場合でもしっかり単体で楽しめるようにシナリオを作り上げております。
 逆に「光金の欠片に願いを込めて」を遊んでから「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」を遊んでも楽しむことができるかもしれません。一応、「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」を遊んでから「光金の欠片に願いを込めて」を遊ぶ想定で一つ面白い仕込みをしておこうかと思います。

【本シナリオでの特殊ルール】
 本シナリオでは『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』(第七版)の使用を前提としていますが、一部のルールに本シナリオでの特殊ルールを追加しておりますので、こちらを前提に遊んでください。

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1クリティカル(1)
クリティカル(2〜4)
イクストリーム成功(1/5)
ハード成功(1/2)
成功(結果≦能力値)
失敗(結果>能力値)
ファンブル(96くらい? 〜99)
100ファンブル(100)
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 また、一部クリティカルやファンブルの処理の内容が決まっている箇所もあります。予めご承知おきください。
 本シナリオでは正気度の上限がありません。正気度回復アイテムを使って100を超えた数値にもなります。それ以外のステータスには基本的に上限があります。

【PC拡張パック】
 本作を遊ぶ前に、「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」を遊んだ経験のあるPCの場合、ゲーム開始時に以下の技能を追加習得します。
 なお、この情報はゲーム開始時点ではKPのみと共有してください。探索を進める中で情報を共有するのもありですし、秘匿しておくことも可能です。この点に関して、特に制約は設けません。要するに「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」そのものを一種のHOとして運用できるということです。このシナリオの有無でもしかしたら指針が変わる可能性もないとは言い切れませんね。

 【エンディングA】に到達済みの探索者。<ポルナ=パルヴァド神話>を99% と以下から任意の魔法を一つ。

 【エンディングB】に到達済みの探索者。<ポルナ=パルヴァド神話>を20%。

 【エンディングC】に到達済みの探索者。<ポルナ=パルヴァド神話>を99%と以下から任意の魔法を三つ。

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<燃え盛る炎舞>
コスト(探索者側が使う場合):MP3。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 燃え盛る炎が敵集団を襲う。
 ダメージ1D6×人数分+1D100で10以下の場合に炎上発生。
 何らかの処置を施さない場合、毎ターン確定で1D6のダメージを受ける。回避可能。

<真紅の爆発>
コスト(探索者側が使う場合):MP2+1D3正気度。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 真紅の爆裂に敵対象一体を巻き込む。
 ダメージ1D36+1D100で10以下の場合に炎上の発生。
 何らかの処置を施さない場合、毎ターン確定で1D6のダメージを受ける。回避可能。

<解き放つ氷の槍>
コスト(探索者側が使う場合):MP3。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 無数の氷の槍を敵集団に向けて放つ。
 ダメージ1D6×人数分+1D100で10以下の場合に凍傷の発生。
 何らかの処置を施さない場合、毎ターン確定で1D3のダメージを受ける。回避可能。

<凍結する大地>
コスト(探索者側が使う場合):MP6。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 敵集団の足元を凍らせる。
 ダメージは無し。回避に失敗したものの足を凍らせて一定ターンの動きを封じる+1D100で10以下の場合に凍傷の発生。
 何らかの処置を施さない場合、毎ターン確定で1D3のダメージを受ける。回避不可能。

<閃く雷鳴>
コスト(探索者側が使う場合):MP4。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 電撃による連続攻撃。
 敵単体に3D3のダメージ。
 あまりに攻撃が早過ぎるため回避不可能。

<光なき世界>
コスト(探索者側が使う場合):MP4+1D3正気度。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 闇属性の魔力が敵を襲う。
 ダメージ1D6×人数分。回避可能。

<治癒の光>
コスト(探索者側が使う場合):MP20。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 治癒の光で味方一人を包み込む。
 1D50振って出た目の数値分味方単体のHPを回復する。

<脈動する輝き>
コスト(探索者側が使う場合):MP50。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 脈動する治癒の光で味方一人を包み込む。
 1D30振って出た目の数値分、七ターンの間ターン終了後に味方全体を回復する半永続脈動回復を付与する。

<ダンシング・ブレイズ>
コスト(探索者側が使う場合):MP7。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 魔術で操った魔術付与ナイフを飛ばして攻撃する。魔法を発動した時点でナイフはどこからともなく現れる。
 ダメージ1D6+3。回避可能。

<アストラル・ショット>
コスト(探索者側が使う場合):MP10。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 魔術によって霊的エネルギーを生成して打ち出す。
 ダメージ1D6+6。回避可能。

<アストラル・アローズ>
コスト(探索者側が使う場合):MP12。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 魔術によって霊的エネルギーを無数の矢へと変化させて解き放つ。
 ダメージ4D3。回避可能。

<アストラル・ジャベリン>
コスト(探索者側が使う場合):MP15。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。
 魔術によって霊的エネルギーを生成して上空へと放ち、敵の頭上から無数の霊的な槍の雨を降らせる。
 ダメージ1D6+1×人数分。回避可能。
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【シナリオ概要(前後編)】
 本シナリオは探索者達が囚われている謎の施設からの脱出を目指す前編と、施設内で手に入れた「光金の欠片」を狙う三つの組織の争いに巻き込まれる後編の二部構成になっております。
 前編は一般的な巻き込まれ型クローズドシナリオ、後編は現代日本を主に舞台としたオープンワールドシナリオとなっております。
 前編は一本道ですが、後編は合計で四つのルートに分かれ、それぞれで全く異なった展開になります。基本的には後編も一本道になりますが、特定のルートを選んだ場合は自由度の高いオープンワールドを体感できる筈です。一応、決められたルートそのものはありますが、KPの知識と裁量次第でどこまでも寄り道することは可能となっています。
 なお、本シナリオは【推奨事項】にも書きましたが、「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」と世界観を共有するポルナ=パルヴァド神話シリーズに属するクトゥルフ神話TRPGシナリオとなります。ある意味でポルナ=パルヴァド神話TRPGと呼ぶべき作品です。
 本作は「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」ほどポルナ=パルヴァド神話TRPGの要素は強くないですが、独自の解釈・オリジナル要素を含みますのでご理解のほどお願いします。
 後、毎度のことながら戦闘要素と正気度チェックが多めとなっております。今回も救済措置を用意していますが、この点を加味したPCの準備を強く推奨致します。

【KP情報(前編)】
 突如として日本に降り注いだ謎の黄金に輝く隕石、通称、『光金の欠片』はとある山奥の民家の畑に落下した。
 その謎の隕石を偶然的にした農家の佐竹さたけ紀夫のりおは見たことのない石の存在を村の仲間に教えた。そのうち噂が広がり、『光金の欠片』の存在は興味を持ったメディアの取材を経て全国に知れ渡ることになる。
 『光金の欠片』に興味を持った学者が何人か紀夫一家の家を訪問し、交渉の末に有名大学で『光金の欠片』の研究が行われることとなった。
 一方、『光金の欠片』の存在を狙う者達がいた。日本、ひいては、世界の既存秩序を根底からひっくり返すべく地下に潜り覇権を握るための研究をしていた非合法地下研究機構組織『殻』は『光金の欠片』の持つ莫大な力に目をつけて光金の欠片』を手中に収めようと画策する。
 『殻』は下部組織である『秘密工作部隊』ヴァリアントを派遣し、紀夫一家を惨殺、『光金の欠片』を手中に収めた。
 しかし、組織の手足となって働くしかない立場に甘んじていることをよしとせず叛逆の機会を狙っていた『秘密工作部隊』ヴァリアントは『光金の欠片』を手に入れた瞬間に『殻』を裏切り、愛知県名古屋市中区栄の地下に存在するとある犯罪研究組織がかつて根城としていた研究施設に立て籠って秘密裏に『光金の欠片』の研究を開始する。
 ティンダロスの王の一体であるゼドフィアと協定を結んだ『秘密工作部隊』ヴァリアントは様々な実験を進め、その一環で名古屋市周辺に遊びに来ていた探索者達を攫った(別の場所で攫われてこの場所に連れてこられたという展開や、どこかで非合法組織に捕まって『秘密工作部隊』ヴァリアントに被験体として買い取られたという形でもいいだろう)。
 目を覚ました探索者達は施設からの脱出を目指し、行動を開始することとなる。

【注意事項(前編)】
 この手のシナリオにありがちな持ち込み不可の制限は特にありませんが、序盤は囚われの身なので装備の類は一切持っていない状態でスタートとなります。持ち物は前編中に回収可能な場所があるので、その場所を探索した際に回収できるかもしれません。
 ティンダロスの王であるミゼーアやムイスラと同格な力を持つゼドフィアの力によって研究施設は守られていて、そのおかげで『殻』を含めた敵対組織から逃れられている状況にあります。そのため、前編中は強固な時空魔法によって空間を操作する魔術が阻害され、魔術による脱出はできません。大人しく探索して脱出しましょう。



【導入】

 ――人は生まれ、生を全うし、そして死んでいく。

 人生を、そんな一筋の線であると錯覚する人が大半かもしれません。しかし、人生には無数の選択肢が存在し、その数だけもしもの世界があります。
 また、我々の知る宇宙とはかけ離れた性質を有する宇宙があるかもしれません。そんな全ての可能性を内包する概念として、オムニバースと呼ぶ者が存在するようです。

 皆様方はもしかしたら、いくつものそのような世界を渡り歩いた経験があるのかもしれません。
 砂漠の遺跡で短剣を探し求める邪神の化身と相対したことがあるかもしれませんし、何者かに捕らわれて毒入りのスープを飲むことになったことがあるかもしれません。
 動物園でドードー鳥を探し求めたり、脳の研究に囚われた狂った老婆に捕らわれたり、沼男や血の池事件を巡る大きな謎に立ち向かったり、滅びを迎えた世界を二人で旅したり、ニャルラトホテプの力で邪神の姿から人間になり、悪巧みをする旧神達と敵対したり、もしかしたら、潮の香りのする謎の研究施設で宇宙と交信できるほどまでテレパシーを強化された少女から逃走を図ったこともあるかもしれません。

 宇宙の中心、あるいは最果ての地では冒涜的な白痴の神、死霊秘法がアザトホートという名称で慈悲深くも隠した、あの角のある空間の向うのもの凄い原子核の渾沌世界などと呼ばれる存在が眠っているのではないかと囁かれています。しかし、その力が及ぶのは一つの宇宙に限るのかもしれません。
 もしかしたら、宇宙の数だけそのような強大な存在がいるのかもしれませんね。

 そんな全ての宇宙――オムニバースの中心と呼べるべき場所には何もない空間が存在していました。否、そこには光がありました。眩い、輝くナニカが存在していました。
 その光の一つが爆ぜ、小さな欠片が落ちていきます。どこまでもどこまでも落ちていきます。



 貴方は目を覚ますと、そこは鉄の匂いが香る冷たい床の上でした。牢屋のように鉄格子が嵌められたその部屋にあるのはシーツの敷かれた硬いベッドと簡易的な便器だけのようです。
 また、貴方達は簡素な病衣のような衣服に着替えさせられており、私物が一切無くなっていることに気づくでしょう。
 手首には「α-5」、「α-6」(探索者の数だけ5から連番になっている)と彫られた金属のタグがチェーンで巻き付いていました。

 こうなった経緯を思い出そうとしても、名古屋市に旅行に来ていた(別の地で攫われて売られた場合は別の場所)を散策していたところで終わっており、それ以上のことは思い出せません。
 牢屋の扉に目を向けると、音を立ててゆっくりと扉は開きました。どうやら鍵は掛かっていない様子。……どうやら杜撰な管理体制のようです。それどころではないのでしょうか? それとも、逃げられる筈が無いという確固たる自信でもあるのでしょうか?

 突然囚われの身になった皆様はきっと混乱するでしょう。少なくとも心穏やかで居られる筈がありません。
 <SAN値チェック:1/1D3>です。……まあ、この程度では流石に動じないという心の強い方は振らなくて、どうぞ。

 ここから探索開始となります。

PL用
ネタバレMAP KP用

【KP情報(B6F)】
 B6F、正式名称は【生体保管区画】となります。
 詳細は添付資料の地図のB6Fを参照してください。
 牢屋の数は適当です。実際はもっと数があるかもしれません。その辺りはお好みでお願いします。一応、ここが長い長い旅路のスタート地点となります。
 実は攫われてからシナリオ開始まで実は数日経過しています。もしかしたら、捜索願を出すなど関係者達は心配しているかもしれませんね。
 どうやら、衣類持ち物を処分するほど残酷では無かったようで、B4Fの倉庫で回収可能です。詳細はB4Fの項目に書かせて頂きます。
 余談ですが、「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」の時とは異なり金属タグは本当にただの金属タグです。魔法的な何かとか、そういった類のものは一切ありません。技能を振っても何も情報は得られません。

【PC情報(B6F)】
 技能を使わないで分かるものとして以下のものがあります。それぞれ、探索する宣言があった場合に開示してください。

●牢屋の扉を調べる場合
 閂で開け閉めする簡素な牢屋の扉のようで鍵などはついていません。損傷などはなく本当にただ鍵をかけ忘れただけのようです。……どこのうっかりさんだよ。警備笊なのかよ、おい。

●牢屋の中を探索する場合
 扉に程近い牢屋の一室で白骨化した死体を発見することになります。
 <SAN値チェック:1/1D4>です。……まあ、この程度では流石に動じないという心の強い方は振らなくて、どうぞ。
 手首にタグなどは付けていないことが分かります。<医学>か<考古学>の成功、あるいは<目星>のハード成功(1/2)に成功すれば、この白骨化した死体は死後七、八年が経過していることが分かります。……もしかしたら、この情報からこの白骨化した死体が今回の事件とは全く関係ないことを悟ってくれる探索者がいるかも?

●付きあたりの扉を調べる場合
 鉄でできた扉のようです。技能を振らずともとても古い扉なのだと分かるでしょう。所々錆びています。
 こちらも鍵穴はありますが、そもそも扉に鍵は掛かっていないようです。……どこのうっかりさんだよ。警備笊なのかよ、おい。

●牢屋を出る場合
 部屋の外には廊下があり、突き進んでいくと上の階に進めそうな階段があります。この階段を上ることで【B5F】に進むことができます。



【KP情報(B5F)】
 B5F、正式名称は【研究区画】となります。
 詳細は添付資料の地図のB5Fを参照してください。
 この階からセキュリティクラスが設定された扉が増えてきます。セキュリティクラスが設定されている扉はセキュリティクラスが同等以上のカードキーの使用か、各扉に書かれている数字を因数分解した答えの数字を掛け算の形で入力するかのいずれかで解錠できる仕組みとなっています。各扉を調べることで情報は得られますが、くれぐれも解き方の詳細は教えないようにお願いします。
 解除する場合は、<数学>などの技能に成功することでヒントを出すこともできますが、PLのリアル知識を導入して解答することも許容して良いかもしれません。紙での手計算まで許容するか、電子機器の使用を含めありとあらゆる手段を許容するかといった点はKPの裁量に任せます。
 【B5F】以降は全て部屋番号ごとに情報を記載していきます。この番号は上から順に振らせて頂きましたので見にくいかもしれません。探索者達は最奥部から逆流する形で脱出を目指しているため、本来予想されている人の流れとは異なります。その反映でもありますので、ご理解のほどよろしくお願いします。
 【B5Fでの戦闘】の項目にもありますが、【エレベーター3】の前でティンダロスの偵察犬一体とのバトルが行われます。この勝負のタイミングは最初にエレベーターに近づいたタイミングでもエリアの探索を一通り終えてカードキーを入手してエレベーターに向かったタイミングや【43保管庫】で『光金の断片』を入手した後にエレベーターに向かったタイミングでも構いません。このシナリオの執筆者としては【43保管庫】まで全て探索を終えたタイミングでの戦闘を想定しています。
 このティンダロスの偵察犬との戦闘後、エリア探索の際にファンブルを出した場合はティンダロスの野犬一体と、100ファンブルを出した場合はティンダロスの野犬二体と戦うことができます。この子達もこのシナリオのために生み出したオリジナルの神話生物(既存神話生物の派生)です。可愛い子達なので目一杯遊んであげてください。ステータスはティンダロスの偵察犬と同項目に記載しておきます。
 なお、このエリアは無人です。探索者達以外の気配はありません。

【PC情報(B5F)】
 技能を使わないで分かるものとして以下のものがあります。

●部屋の構造について
 【B5F】に入ったタイミングで【B5F】のマップをPCに開示してください。
 階段からまっすぐ進んでそのまま右方向に視線を向けると、奥にエレベーターらしきものが一つ。その他に右側に扉が三つ、左側に扉が四つあることが分かります。
 扉に近づけば、鍵などが何も設置されていない銀色の扉と、扉に何かの数字が書かれ、扉の右隣の壁にカードキースキャナーらしきものと「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,×」という入力ボタンと液晶が設置された電卓を彷彿とさせる謎の機械が融合した見慣れないカードリーダーがついているものの二種類を発見することができます。
 ちなみに全ての部屋に部屋の内容が書かれたプレートが掲げられており、セキュリティクラスが設定されている部屋にはセキュリティクラスも表示されています。これらの情報は何番の部屋を探索するという宣言があった場合に公表してください。
 以下、部屋ごとに情報を記していきます。

【36実験観察室】
 セキュリティクラスは無し。部屋の左右の壁はガラス張りとなっており、【37生体実験室(動物)】と【38生体実験室(人体)】の部屋の様子を確認することができます。ただし、特殊なガラスが使われており、それぞれの実験室から【36実験観察室】の情報を得ることはできません。
 床には資料が散らばっており、机の上には1D3本のメスといくつかの試験管が置かれていることが技能を使わずとも分かる筈です。
 机か床の資料に<目星>が、試験管に<医学>か<目星>を振ることができます。

●机
 机を調査する場合は<目星>を振ってください。成功で以下の情報が開示されます。
 机の上は埃を被っており、長期間部屋が使われていないことが伺える。机の上には試験管の他に1D3本のメスが落ちており、<目星>に成功すればそのメスを回収することができます。
 武器として扱う場合のダメージは1D3、技能は<ナイフ>もしくは<投擲>で耐久値は4。ただ、ちゃんと戦える武器も用意してあるので、あんまり入手する意味はないです。

●床の資料
 <目星>に成功すると、以下の情報を得ることができます。

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モンスターウォーリア計画 計画概要 兼 経過報告書

研究概要
 独自のルートで複数の未確認の生物のサンプルを入手。
 このサンプルを元に強力な生物兵器を量産し、兵士として育成。
 第二次大戦では成し遂げられなかった日本国による世界統一を成し遂げることが本計画の最終目標である。

研究経過
20XY年【8年前/8月】
 「DE-SAMPLE」、「EL-SAMPLE」、「SH-SAMPLE」の解析を開始。
 いずれも僅かな大きさだが、驚異的な生命力を有しているようだ。
 栄養を与えつつサンプルを培養し、実験に使えるだけの量を確保する必要がある。
 それと並行し、実験用の生体を調達する必要があるだろう。

20XZ年【7年前/6月】
 実験に足りうる三つのサンプルの培養に成功した。
 研究の援助を申し出た星の智慧派教会日本支部から必要な実験動物と人体実験用の人間の提供を受け、いよいよ、実験を開始できる環境が整った。
 これより、日本国の栄光を取り戻すための最初の一歩を踏み出すことになる。

(以下、紙は破り取られており、その実験の結果を知ることはできない。また、他の場所を探索してもこの資料の続きの発見は不可能である)
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●星の智慧派教会日本支部について
 『モンスターウォーリア計画 計画概要 兼 経過報告書』を読了後、PCが更なる調査を希望する場合、<知識>のイクストリーム成功(1/5)か<オカルト>のハード成功(1/2)、<クトゥルフ神話>に成功した場合、星の智慧派教会日本支部とは最近、巷で噂となっている怪しげな宗教団体であることと、その支部が東京都荒川区西日暮里と愛知県名古屋市名東区一社にあることをPC達は思い出すことでしょう。後編に繋がる情報ではありますが、現時点では全く恩恵のない情報です。ついでに言えば、後編でもほとんど役立ちません。

●試験管について
 <医学>の成功か<目星>のハード成功(1/2)で、一つ目の試験管の中に僅かだが玉虫色の細胞のようなものが入っていることと、ほんの少し下水の汚濁のような匂いがすることが分かります。それが、我々の知るような生物のものではないことを直感的に悟ることになるでしょう。
 二つ目の試験管の中身は細胞というよりも植物の胞子に近いものであることが分かります。匂いは特にないようです。それが、我々の知るような生物のものではないことを直感的に悟ることになるでしょう。
 三つ目の試験管の中身は魚の鱗に似ているようです。嗅いでみると仄かな磯の香りを感じ取れるかもしれません。それが、我々の知るような生物のものではないことを直感的に悟ることになるでしょう。
 以上の情報を知った上でPCが望む場合、<クトゥルフ神話>に成功すれば、一本目の試験管の中身がショゴスの細胞であること、二本目の試験管の中身が古のものの細胞であること、三本目の試験管の中身が深きものの細胞であることが分かります。まあ、それを知ったところで特に利益もありませんし、正気度チェックもないんですけどね。

【37生体実験室(動物)】
 セキュリティクラスは無し。中は真っ白な部屋でかなり広めですが、【36実験観察室】と同様に長期間人が踏み入っていないからか、床には埃が溜まっています。
 部屋に入るとすぐに、争ったような形跡と破壊された壁と黒々としている渇いた血痕、堆く積まれた動物達の死骸の存在に気づくでしょう。ところどころ玉虫色になっていたり、魚の鱗が生えていたり、五芒星形の擬足が生えていたりするかつて動物だったものの慣れ果てを目撃したことで、<SAN値チェック:1/1D4>です。
 なお、この部屋で得られる情報は特にありません。

【38生体実験室(人体)】
 セキュリティクラスは無し。内装は【37生体実験室(動物)】と同じですが、【36実験観察室】や【37生体実験室(動物)】とは違いしっかりと清掃がされており、現在も使用されているようです。
 入り口から左手の方向には入り口と同じ金属製の扉があります。
 なお、この部屋で得られる情報は特にありません。

【39実験器具保管室】
 セキュリティクラスは無し。実験器具の保管や実験時に何かしらのトラブルが起きた場合に逃げ込むことを想定した頑丈な作りの部屋のようで、様々な薬品や医療器具が保管されています。
 技能を振らなくても、メスなどの医療器具がいくつかと塩酸(HCl)、水酸化ナトリウム(NaOH)、王水(HNO₃+3HCl)といった薬品、試験管などの実験器具が整理されて置かれていることが分かります。
 前述のものについては、PCの発言があれば持ち出すことが可能です。上記以外の実験器具については<医学>の成功か<目星>のハード成功(1/2)、上記以外の薬品については<薬学>の成功か<目星>のハード成功(1/2)で入手することができます。
 なお、この部屋で得られる情報は特にありません。

【40物理実験室】
 セキュリティクラスは無し。入り口は離れたところに二つあります。
 なんらかの実験に失敗して何かしらが爆発したのか瓦礫が散乱しており、ところどころ焦げているようです。
 なお、この部屋で得られる情報は特にありません。

【41武器庫(下級)】
 セキュリティクラスは1。扉には「15」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「3×5」ということになります。「5×3」でも問題ありません。要するに因数を全て「×」で繋げば大丈夫です。
 中には無数の棚があり、刀剣や銃火器などが棚に置かれる形で保管されています。また、中心部には金属製の机があるようです。
 調べられる場所は棚と机の二箇所になります。

●棚について
 棚を調べる場合は<目星>を振ってください。
 <目星>に失敗した場合は、ワルサーP38、ワルサーPPK、ベレッタM1934、ベレッタM92、ベレッタPx4、無銘の太刀を発見することができます。
 <目星>に成功した場合、追加でトカレフTT-33、FN Five-seveN、菊一文字を発見することができます。
 <目星>にハード成功(1/2)した場合、追加でPfeifer Zeliska、IMIデザートイーグル、和泉守兼定を発見することができます。
 <目星>にイクストリーム成功(1/5)した場合、追加でミ=ゴの電気銃、ミ=ゴの噴霧器、レーザーライフル、妖刀村雨を発見することができます。
 <目星>にクリティカル成功した場合、追加でマジカルピストルを獲得できます。
 各武器の詳細は以下の通り。

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・ワルサーP38……ドイツのカール・ワルサー社製の9mm軍用自動式拳銃。1発の火力は1D10で、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は8発で全弾装填済み。ただし、使用する際は1ラウンドにつき1回<幸運>の判定を行い、失敗した場合はリアサイトが外れて1D2のダメージを受ける。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

・ワルサーPPK……ドイツのカール・ワルサー社が開発した小型セミオートマチック拳銃。1発の火力は1D10で、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は7+1発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

・ベレッタM1934……イタリアのベレッタ社が軍用に開発した自動式拳銃。1発の火力は1D10で、1ラウンドに3発まで射撃が可能。最大装填数は7+1発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

・ベレッタM92……イタリアのベレッタ社が開発した9mm経口の自動拳銃。1発の火力は1D10、1ラウンドに3発まで射撃が可能。最大装填数は15発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

・ベレッタPx4……イタリアのベレッタ社が開発した9mm経口の自動拳銃。1発の火力は1D6、1ラウンドに5発まで射撃が可能。最大装填数は20発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

・無銘の太刀……無銘の太刀。ダメージ1D16+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。

・トカレフTT-33……ソビエト連邦が1933年に正式採用した軍用自動拳銃。1発の火力は1D10+1D3、1ラウンドに4発まで射撃が可能。最大装填数は8発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。トカレフTT-33を選択時に<幸運>に成功するとサプレッサーを手に入れることができる。サプレッサーがある場合、状況によっては不意打ちが可能となる。

・FN Five-seveN……ベルギーのFN社が開発した自動拳銃。1発の火力は2D6、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は10発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。FN Five-seveNを選択時に<幸運>に成功するとサプレッサーを手に入れることができる。サプレッサーがある場合、状況によっては不意打ちが可能となる。

・菊一文字……鎌倉時代の後鳥羽上皇が御番鍛冶に鍛刀させ自らが焼入れした日本刀の一振りであり、沖田総司が愛用した刀としても知られる「菊一文字則宗」。ダメージ1D20+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。

・Pfeifer Zeliska……プファイファー・ツェリスカ。オーストリアのPfeifer Waffen社が開発した超大型の回転式拳。1発の火力1D20+1D6、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は5発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

・IMIデザートイーグル……アメリカ合衆国ミネソタ州のミネアポリスにあるM.R.I.リミテッド社が発案し、イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社とマグナムリサーチ社が生産している自動拳銃。1発の火力1D10+1D6+3、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は8発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

・和泉守兼定……江戸時代の刀工・11代目兼定により作られた刀であり、新撰組副長である土方歳三が保有したことでも有名な刀。ダメージ2D10+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。

・ミ=ゴの電気銃……ミ=ゴが開発した電気銃。電撃を射出することができる。ダメージ2D6+10%の確率で全身麻痺(治療を受けるまで行動ターンに1D100を振って50以上が出なければそのターン行動できない)。強力だが、使用には電気エネルギーを必要とする。一度使用するとバッテリーが10%減少し、再使用のためにはバッテリーを充電する必要がある。拾った時点では30%のバッテリーが残っている。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

・ミ=ゴの噴霧器……ねじ曲がった金属製の管の塊 のような器具。厚い雲状の凍った霞を円錐状に噴射することができる。この務に晒されているラウンドごとに1D10ポイントのダメージを受ける。暖かい服を着ている場合は1D3までダメージを低下させることが可能。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

・レーザーライフル……レーザーを射出するライフル。ダメージ3D10の科学によるダメージ+10%の確率で部分火傷(治療を受けるまで毎ターン1D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。強力だが、使用には電気エネルギーを必要とする。一度使用するとバッテリーが10%減少し、再使用のためにはバッテリーを充電する必要がある。拾った時点では10%のバッテリーが残っている。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

・妖刀村雨……江戸時代後期の読本『南総里見八犬伝』に登場する架空の刀とされてきたもの。「抜けば玉散る氷の刃」の異名で知られ、刀を抜くと刀身を激流が覆う。ダメージ2D20+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。

・マジカルピストル……魔力で強化されたマジカルな拳銃。弾丸を装填する必要はなく、魔力を弾丸に変換することができる。使用するとダメージ2D10の魔法によるダメージを与える。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。
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 なお、1クリティカル報酬は用意していません。PLから要求があった場合はシナリオに不都合がない程度で要求を聞いてあげてください。

●机
 机の上には特に何もありません。引き出しに<目星>を振った場合、引き出しの中から様々な大きさの弾丸を発見できます。

【42研究室】
 セキュリティクラスは無し。本棚と机が置かれた至って普通な研究室ですが、右方向に分厚い扉があります。
 調べられる場所は本棚と机の二箇所になります。

●本棚
 技能を振らずとも装丁の焼け具合から少し古め学術書だと思われる本が並べられていることが分かるでしょう。更に本棚を調べる場合は<目星>を振ってください。
 <目星>に成功すると、洗脳技術に関わっていそうな題名の学術書の並べられている本の隙間から古ぼけたレコードのようなものを発見することができます。
 レコードを包む紙の表面には「技レコード<魔力掌>」と書かれています。裏面には「高度な洗脳技術を利用して技能や魔術を習得することが可能である」と書かれています。
 技レコードに対して<鑑定>や<目星>などの技能を振った場合、自分の理解し得ない何か特殊な技術をもってして作り出されたものであることに気づきます。<SAN値チェック:0/1>です。

 技レコードを使用する場合、正気度を3ポイント消費します。使用することで、技レコードに保存されていた技能や魔術を習得することができます。
 なお、技レコードは何度も使用可能です。

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<魔力掌>
 本シナリオのオリジナル魔術技能です。
 他シナリオで使用する際は、KP の判断を仰いでください。
 毎ターンMPを2消費することで、自身の両手に魔力を纏わせることができます。手を使う戦闘技能を使用する際にダメージが+1D6される他、攻撃が魔法の武具を使った時と同様の扱いになります。また、腕を魔力で保護するため、直接触れることで生じる不利益を無効化できます。

 ここからはメタ的な話ですが、触れると青い膿の効果で面倒なことになるティンダロスの者達と戦うための救済措置的な意味合いがあります。
 <ポルナ=パルヴァド神話>を保有していて魔術を習得しているPCやティンダロスの猟犬と余裕で戦える類の化け物探索者にはぶっちゃけ無用の長物です。
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 机は引き出し付きの金属製のテーブルのようです。引き出しを調べることで「セキュリティクラス1のカードキー」を手に入れることができます。これに関して、技能を振る必要はありません。宣言だけで大丈夫です。

【43保管室】
 セキュリティクラスは1。扉には「36」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「2×2×3×3」などということになります。
 中は分厚い金属の壁に囲まれた正方形の部屋です。中心には丸い装置のようなものがあり、その装置から射出される光を浴びた黄金に輝く結晶のようなものの塊が浮いています。
 近くには床から伸びる直方体の機械があります。

 機械を調べることで、「ON/OFF」と書かれたスイッチがあることが分かるでしょう。
 現在は「ON」のスイッチが入っているようです。
 射出させている光に<目星>を振って成功すると、その光が極めて強力なエネルギーを内包しており、触れれば人間の人体など容易に消し飛ばされることが分かります。

 浮いている『黄金の欠片』は機械のスイッチを「OFF」にすることで回収可能です。
 この『黄金の欠片』に基本的にいかなる技能を振っても情報を得ることはできません。<クトゥルフ神話>などの技能を振って成功した場合は、少なくともその分野に該当するものはないことが分かってもいいでしょう。
 実は<ポルナ=パルヴァド神話>に1クリティカルすると、最古の文献に「全ての世界を観測する観測者と呼ばれる究極神、フェルマダ=ダ=アウルガダウタ」の存在を思い出すことができるかもしれません。

【エレベーター3】
 セキュリティクラスは1。扉には「27」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「3×3×3」などということになります。
 移動できる階層は【B3F】から【B5F】までです。ちなみに、入力するパスワードは全て共通していますが、解錠すると施錠はされないためあんまり関係ないです。
 エレベーターに近づいた場合、ティンダロスの偵察犬×1との戦闘になります。なお、ティンダロスの偵察犬と遭遇後、特に指定がない場合はファンブルの際にティンダロスの野犬×1と、100ファンブルの際にティンダロスの野犬×2と戦闘になります。こちらのステータスも次の【エネミーデータ B5F】の項目に書いておきます。

【エネミーデータ B5F】

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【エネミー】ティンダロスの偵察犬
耐久値HP:30 魔力量MP:15
STR:70
CON:150
SIZ:83
DEX:256
INT:90
POW:120
ダメージボーナス:+1D3
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D3/1D20。ただし、既に他のティンダロスの偵察犬を見ている場合や、ティンダロスの偵察犬と同等の存在であるティンダロスの猟犬、ティンダロスの野犬、ティンダロスの闘犬とティンダロスの混血種、上位種であるティンダロスの騎兵、ティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき1回行動
 戦闘では前脚、噛みつき、舌による攻撃を行うが、滅多に戦闘行動は取らず、基本的には情報収集を行う。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

技能(使用率90%)
<観察・情報収集:256%>対象を観察して情報を集積する。基本的に最初のターンに確定で使用する。
<分析・解析:256%>対象を観察して得た情報を分析と解析する。<観察・情報収集>を使用した次のターンに確定で使用する。
<逃走:20%>戦闘から逃走する。基本的に<観察・情報収集>を使用した次のターンから使用する。失敗した場合、次にこの技能を使用する場合は現在の数値に+10%した値で判定する。
<回避:80%>

技能(使用率10%)
<近接戦闘(前脚):50%>ダメージ3D3+DB+青い膿(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<近接戦闘(二連噛みつき):40%>ダメージ2D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(三連噛みつき):30%>ダメージ3D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(舌):40%>ダメージ3D6のPOW吸収(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<フェイタルクロー:10%>ダメージ3D10+10%の確率で耐久値の計算をせずに対象を即死させる。
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【エネミー】ティンダロスの野犬
耐久値HP:40 魔力量MP:10
STR:100
CON:140
SIZ:82
DEX:130
INT:40
POW:200

ダメージボーナス:+1D4
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D3/1D20。ただし、既に他のティンダロスの野犬を見ている場合や、ティンダロスの野犬と同等の存在であるティンダロスの偵察犬、ティンダロスの猟犬、ティンダロスの闘犬、ティンダロスの混血種、上位種であるティンダロスの騎兵、ティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき1回行動
 前脚、噛みつき、舌による攻撃を行う。規律の取れた猟犬とは異なり野生の逸れ犬のため連携を取ることはないが、遠吠えで仲間を増やしてくる。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

技能
<近接戦闘(前脚):60%>ダメージ3D3+DB+青い膿(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<近接戦闘(二連噛みつき):50%>ダメージ2D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(三連噛みつき):40%>ダメージ3D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(舌):60%>ダメージ3D6のPOW吸収(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<フェイタルクロー:20%>ダメージ3D10+10%の確率で耐久値の計算をせずに対象を即死させる。
<遠吠え(仲間を呼ぶ):40%>ティンダロスの野犬を1D3体呼び出す。
<孤独な一匹狼:100%>成功すると自身の全てのステータスの値が+10%される。初期値は100%だが、仲間が増えるごとに技能値が-10%される。
<回避:60%>
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【KP情報(B4F)】
 B4F、正式名称は【資料区画】となります。
 詳細は添付資料の地図のB4Fを参照してください。
 完全なる寄り道エリアとなります。最速攻略を目指す場合や敵と戦えるだけの戦力が揃っている場合は探索しなくても特に問題はありません。
 このエリアはB5F同様に無人で、人の気配はありません。

【PC情報(B4F)】
 技能を使わないで分かるものとして以下のものがあります。

●部屋の構造について
 【B4F】に入ったタイミングで【B4F】のマップをPCに開示してください。
 エレベーター正面に扉が一つ、エレベーターから降りた位置で倉庫を正面に見て、右側に扉が二つ、左側に扉が三つあります。
 扉に近づけば、鍵などが何も設置されていない銀色の扉と、扉に何かの数字が書かれ、扉の右隣の壁にカードキースキャナーらしきものと「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,×」という入力ボタンと液晶が設置された電卓を彷彿とさせる謎の機械が融合した見慣れないカードリーダーがついているものの二種類を発見することができます。
 ちなみに全ての部屋に部屋の内容が書かれたプレートが掲げられており、セキュリティクラスが設定されている部屋にはセキュリティクラスも表示されています。これらの情報は何番の部屋を探索するという宣言があった場合に公表してください。
 以下、部屋ごとに情報を記していきます。

【29図書館】
 扉が二つありますが、どちらもセキュリティクラスは無し。
 ジャンルごとに膨大な量の書籍が納められています。
 探索場所は化学・生物学・物理学・数学に纏わる書籍が纏められたエリア、医学や薬学、心理学に纏わる書籍が纏められたエリア、世界各地のオカルトに纏わる書籍や民族伝承、説話など纏められたエリア、怪しげな魔道書が纏められたエリアの五つがあります。

●探索場所は化学・生物学・物理学に纏わる書籍が纏められたエリア
 調査には<目星>のハード成功(1/2)か<図書館>の成功が必要となります。ここで得られる情報は特段ありませんが、化学・生物学・物理学・数学に纏わる書籍を読んだことで知識が増え、<化学>、<生物学>、<物理学>、<数学>の技能値がそれぞれ3D10%上昇します。
 また、該当する知識を獲得したことでその分野に関わる技術や技能を身につけても構いません。(例えば、爆弾の作り方を学んだことで<爆弾作成>の技能を獲得するなど。ただし、材料や工具などが必要となります)。

●医学や薬学、心理学に纏わる書籍が纏められたエリア
 調査には<目星>のハード成功(1/2)か<図書館>の成功が必要となります。ここで得られる情報は特段ありませんが、医学・薬学・心理学に纏わる書籍を読んだことで知識が増え、<医学>、<薬学>、<応急手当>、<心理学>の技能値がそれぞれ3D10%上昇します。

●世界各地のオカルトに纏わる書籍や民族伝承、説話など纏められたエリア
 調査には<目星>のハード成功(1/2)か<図書館>の成功が必要となります。
 成功した場合、未確認飛行物体やツチノコ、オカルトに纏わる信憑性の薄い情報や妖怪などに纏わる民間伝承の中に全く聞き馴染みのない情報が紛れていることに気づくことができるでしょう。
 違和感を感じつつ調査を進めると、書籍に混じった薄いレポートをいくつか発見することができます。
 レポートの題名は「Tindalos」、「R'lyeh」、「Yuggoth」、「Nyarlathotep」、「Yog-Sothoth」、「Azathoth」、「Ferumada」の七つです。
 別項目に資料としてレポートの内容は載せておきます。
 資料を読んだことで<オカルト>の技能値が3D10%上昇します。また、レポートを読んだ場合、「Tindalos」、「R'lyeh」、「Yuggoth」、「Nyarlathotep」、「Yog-Sothoth」、「Azathoth」一つにつき<クトゥルフ神話>の技能値が1D10%上昇、「Ferumada」を読んだ場合は<ポルナ=パルヴァド神話>の技能値が1D10%上昇します。これについて正気度チェックはありません。

◆レポートの内容について
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「Tindalos」
 我々の暮らす世界、所謂「曲線の時間」の世界とは本質的に異なる「尖った時間」が支配する空間に存在するという文明都市と、そこで暮らす存在のことが書かれています。
 出現するときは鋭角から煙が吹き出し、悪臭とともに頭から徐々に実体化し、時間に干渉した存在を執念深く追いかけるといったことが書かれているようです。
 追記として、長年不明だったティンダロスの一面がボールペンで書かれています。ここで<目星>を振って成功すると、ティンダロスを支配する大君主や王と呼ばれる存在があり、ミゼーア、ムイスラの他に彼らと同格の存在としてゼドフィアの名が書かれています。この追記者曰く、かなりの変わり者のようです。
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「R'lyeh」
 南太平洋の、位置はニュージーランドと南米大陸と南極大陸の中間付近の海底に沈んでいるとされる都市と、そこに住まう存在について書かれています。
 頭足類に似た六眼の頭部、顎髭のように触腕を無数に生やし、巨大な鉤爪のある手足、水かきを備えた二足歩行の姿、ぬらぬらした鱗かゴム状の瘤に覆われた数百メートルもある山のように大きな緑色の身体、背にはドラゴンのような蝙蝠に似た細い翼を持った姿をしている邪神クトゥルフと、彼らに仕える半人半魚の生物である深きものや、彼らの上位種であるダゴンとヒュドラについて、その生態などが事細かに書かれています。
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「Yuggoth」
 冥王星、あるいは、暗黒星ユゴスに棲まうとある生物の情報が記されているようです。
 身体組織は菌類に近く、写真に写らず死体は数時間で分解して消えるという性質が書かれています。
 また、高い外科手術能力を持っており、 脳を摘出して、個別で生存させることも可能であると書かれています。
 地球にはいくつかの鉱石を得るために飛来するとも記されています。
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「Nyarlathotep」
 千もの異なる顕現を持ち、特定の眷属を持たず、狂気と混乱をもたらすために自ら暗躍するとされる科学と魔術に秀でた古き邪神に関するレポートです。
 詳細は不明ですが、彼を崇める集団として現在、星の知恵派というカルト教団が活動を強めていることが書かれています。
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「Yog-Sothoth」
 時空の支配者であると同時に、アカシックレコードと同一視される球形物質の集合体についてのレポートです。情報そのものが少ないですが、「一つ一つが太陽のように強烈な光を放つ玉虫色の球体の集積物」、「絶えず形や大きさを変える虹色の輝く球の集積物」といった表現がされることが多いようです。
 銀の鍵と呼ばれる秘宝を用いることで彼を通過して過去や未来に移動できることや、ティンダロスの者達と敵対していることも書かれているようです。
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「Azathoth」
 巨大な不定形生物についてのレポートです。
 無限無窮の宇宙の最奥、沸騰し湧き立つ原始の混沌の中心、あらゆる次元から切り離され、時間を超越した場所で無聊を慰め、白痴の夢という名の惰眠を貪る創造神であるということが書かれています。この神が目を覚ますと世界が滅び去るようです。
 また、原初の混沌の核と言われるように核エネルギーと同一視されることがあることが分かります。
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「Ferumada」
 強烈で膨大な光のエネルギーについてのレポートです。
 他のレポートとは異なり、「Ferumada-da-Aurugadauta」という名前以外の詳細は不明です。
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●怪しげな魔道書が纏められたエリア
 調査には<目星>のハード成功(1/2)か<図書館>の成功が必要となります。
 成功した場合、1D6冊の任意の魔導書の写本を見つけることが可能です。ただし、『新クトゥルフ神話TRPG』の第11章に載っている魔道書に限られます。
 なお、このエリアで成長する技能は特にありません。

【30資料室】
 セキュリティクラスは無し。図書館と行き来できる扉もありますが、こちらもセキュリティクラスはありません。
 膨大な紙ベースの資料が纏められた部屋のようです。
 探索箇所は本棚と机の二箇所です。

●本棚
 <図書館>を振って成功すると、この施設の運用が八年前から開始されたこと、日ノ本機関と呼ばれる組織によって各地で鹵獲された未知の生物の素体を元に人体実験を行い、生物兵器を生み出す研究がされていたことが分かります。
 しかし、特別高等警察の後継組織として始まった公安警察の捜査で非合法活動の情報が明るみになり、関わっていた者達は全員逮捕されました。
 その後、研究所はそのまま放置されて現在に至るようです。

●机
 技能を振る必要はなく探す宣言だけで大丈夫です。
 メモが挟まった「RSA暗号」と書かれた書籍を発見することができます。
 以下、その詳細です。

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RSA暗号とは
 桁数が大きい合成数の素因数分解が現実的な時間内で困難であると信じられていることを安全性の根拠とした公開鍵暗号の一つ。
 鍵生成、暗号化、復号の三つのアルゴリズムで定義される。
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 資料にはその後、具体的なRSA暗号に関する情報が書かれています。今回はあまり関係ないので割愛します。
 以下はメモに関する情報になります。

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ヴァリアント・セキュリティについて
 研究所を改築する際にいくつかのエリアにセキュリティ装置を設置した。通常は該当のカードキーが必要だが、万が一カードキーがない場合に備えてパスワードを用意しておく。しかし、RSA暗号ではあまりに複雑過ぎるためもっと簡単な暗号を導入する。
 各扉には数字が書かれている。その数字を因数分解し、生じた素数全てを掛け合わせることで扉は開かれる。
 桁数が大きい合成数の素因数分解は現実的な時間では不可能に近い。この点を上手く利用すればセキュリティ問題は十分に解決するだろう。
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 上記のメモはこの建物内のセキュリティシステムについての説明となります。
 ここまでで散々出てきましたが、施設のセキュリティは扉に書かれている数字の因数を全て入力すれば開けることができます。
 情報の開示についてですが、壁の数に対して<数学>の技能を使う場合、セキュリティクラスが1であればクリティカルで因数二つ、通常の成功で因数一つを開示、セキュリティクラスが2以上の場合はクリティカル成功のみで因数一つを開示となります。
 後に出てくる【PCルーム】で<コンピューター>の技能を使う場合、セキュリティクラスが1であれば技能成功で全ての因数が判明、セキュリティクラスが2以上の場合はクリティカル成功で因数が二つ、成功で因数が一つのみ開示されます。
 また、同じく【PCルーム】で<コンピューター>と<電子工学>、あるいは<コンピューター>と<暗号学>を二つ同時に振ることも可能です。この場合、両方クリティカル成功でセキュリティクラスが1と2であれば全ての因数が判明、セキュリティクラスが3であれば因数が三つ判明します。両方成功の場合はセキュリティクラス1であれば全ての因数が判明、セキュリティクラス2以上では二つの因数が判明します。
 その他、<コンピューター>、<電子工学>、<暗号学>を同時に振る場合、全てクリティカル成功でセキュリティクラス3まで全ての因数が判明、全て成功でセキュリティクラス1と2であれば全ての因数が判明、セキュリティクラス3については三つの因数が判明します。
 なお、一つの数字に対して一人のPCは<数学>と【PCルーム】での技能をそれぞれ一回ずつ行使できます。【PCルーム】で技能を振る場合は、予めどの技能の組み合わせで振るかを宣言した上で振ってください。なお、二つや三つの技能を宣言した上で片方のみ成功やクリティカル成功を出した場合でも情報の開示はありません。
 この情報はこのメモを発見した時にKPの判断で開示してもいいですし、開示しなくても構いません。
 パソコンに関する情報については【PCルーム】に入った時点で開示するなど分けて開示するのも良いでしょう。裁量はKPにお任せします。

【31倉庫】
 セキュリティクラスは無し。
 中は棚が並んでいて、様々な物品が無造作に置かれています。
 探索者が自身の所持品を探す場合はKP の裁量で持っていてもシナリオが破綻しないものに限り、処分されず発見できたことにしても構いません。その場合、<目星>か<幸運>で判定して成功した場合に限り回収することができます。
 その他、PLから提案があった場合、倉庫にあっても不自然ではないものに限り、<目星>か<幸運>での判定となります。
 なお、この部屋での探索でクリティカル成功をした場合、古ぼけたレコードのようなものを発見することができます。
 レコードを包む紙の表面には「技レコード<冥府の槍>」と書かれています。裏面には「高度な洗脳技術を利用して技能や魔術を習得することが可能である」と書かれています。
 技レコードに対して<鑑定>や<目星>などの技能を振った場合、自分の理解し得ない何か特殊な技術をもってして作り出されたものであることに気づきます。<SAN値チェック:0/1>です。

 技レコードを使用する場合、正気度を3ポイント消費します。使用することで、技レコードに保存されていた技能や魔術を習得することができます。
 なお、技レコードは何度も使用可能です。

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<冥府の槍>
 本シナリオのオリジナル魔術技能です。
 他シナリオで使用する際は、KP の判断を仰いでください。
 MPを8、1D6の正気度ポイントを消費することで巨大な闇の門を生成、その向こう側から1D10本の闇の槍を放ちます。発動までに必要な時間は1ラウンドです。
 槍は一本ごとに2D6のダメージで、槍の数だけ攻撃を向けられた側は<回避>を振ることができます。
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【32武器庫(上級)】
 倉庫側、シェルタールーム側共に侵入可能です。どちらもセキュリティクラスは2。
 倉庫側から武器庫(上級)に入る扉には「326128732519」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「4373×8039×9277」などということになります。
 シェルタールーム側から武器庫(上級)に入る扉には「10136978557」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「997×1013×10037」などということになります。
 中には無数の棚があり、刀剣や銃火器などが棚に置かれる形で保管されています。また、中心部には金属製の机があるようです。
 調べられる場所は棚と机の二箇所になります。

●棚について
 棚を調べる場合は<目星>を振ってください。
 <目星>に失敗した場合は、ブローニングM1918自動小銃(ブローニング・オートライフルM1918)、ビッカーズ・ベルチェー軽機関銃、ミニミ軽機関銃(FNミニミ)、無銘の太刀を発見することができます。
 <目星>に成功した場合、追加でラインメタル/マウザー・ヴェルケMG34機関銃(MG-34)、FN MAG 、AA-52を発見することができます。
 <目星>にハード成功(1/2)した場合、追加でヴィッカース重機関銃、シュワルツローゼ重機関銃、M134を発見することができます。
 <目星>にイクストリーム成功(1/5)した場合、追加でバレットM82、アキュラシーインターナショナル AW50、PGM ウルティマ・ラティオ ヘカートII 、祢々切丸を発見することができます。
 <目星>にクリティカル成功した場合、追加で南部式大型自動拳銃(南部大拳)を獲得できます。
 各武器の詳細は以下の通り。

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・ブローニングM1918自動小銃(ブローニング・オートライフルM1918)……アメリカ合衆国で開発された自動小銃。1発の火力は2D6+4で、1ラウンドに1発かフルオートの選択が可能。最大装填数は20発で全弾装填済み。判定は<射撃(MG)>で行われる。

・ビッカーズ・ベルチェー軽機関銃……1925年にイギリスで開発された軽機関銃。

・ミニミ軽機関銃(FNミニミ)……ベルギーのFNハースタル社が開発した軽機関銃。1発の火力は2D6で、フルオートのみ。最大装填数は200発で全弾装填済み。判定は<射撃(MG)>で行われる。

・無銘の太刀……無銘の太刀。ダメージ1D16+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。

・ラインメタル/マウザー・ヴェルケMG34機関銃(MG-34)……1934年に制式化され製造されたドイツの機関銃。1発の火力は2D6で、フルオートのみ。最大装填数は50発で全弾装填済み。判定は<射撃(MG)>で行われる。

・FN MAG……1950年代にベルギーのFN社で開発された汎用機関銃。1発の火力は2D6+1で、フルオートのみ。ベルト給弾式で、一緒に250発の弾帯を1D4個発見することができる。判定は<射撃(MG)>で行われる。

・AA-52……フランスが第二次世界大戦後に開発した汎用機関銃。1発の火力は2D6+2で、フルオートのみ。ベルト給弾式で、一緒に250発の弾帯を1D4個発見することができる。判定は<射撃(MG)>で行われる。

・ヴィッカース重機関銃……第一次世界大戦と第二次世界大戦の両大戦を通じて運用されたイギリス軍の制式重機関銃。1発の火力は2D6+3で、フルオートのみ。ベルト給弾式で、一緒に250発の弾帯を1D4個発見することができる。

・シュワルツローゼ重機関銃……オーストリア=ハンガリー帝国で開発された重機関銃。1発の火力は2D6+4で、フルオートのみ。ベルト給弾式で、一緒に250発の弾帯を1D4個発見することができる。

・M134……通称はミニガン。GE社製の口径7.62mmの機関銃。1発の火力は2D6+4で、フルオートのみ。最大装填数は4000発で全弾装填済み。判定は<射撃(MG)>で行われる。使用にはビルドが最低2ポイント必要。

・バレットM82……アメリカ合衆国で開発された大口径のセミオート式狙撃銃。1発の火力は2D10+1D8+6で、1ラウンドに1発まで射撃が可能。最大装填数は11発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。

・アキュラシーインターナショナル AW50……イギリスのアキュラシー・インターナショナルで開発されたL96A1を、50口径仕様に再設計した対物狙撃銃。1発の火力は3D10+1D6+1D3+2で、1ラウンドに1発まで射撃が可能。最大装填数は5発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。

・PGM ウルティマ・ラティオ ヘカートII ……フランスのPGMプレシジョン社が開発、製造している狙撃銃。1発の火力は4D10+4で、1ラウンドに1発まで射撃が可能。最大装填数は7発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。

・祢々切丸……南北朝時代に作られたとされる日本刀。ダメージ1D100+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。使用にはビルドが最低3ポイント必要。

・南部式大型自動拳銃(南部大拳)……1902年に南部麒次郎によって開発された日本初の自動拳銃。型式は大型(甲)。『殻』の象徴と呼ぶべき武器であり、魔法によって異常なほどに強化されている。1発の火力は本来の攻撃力である1D6に魔法強化の2D10+2D6+2D3+2を加えて判明する。物理と魔法のどちらにも分類されている攻撃。最大装填数は8発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。
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 なお、1クリティカル報酬は用意していません。PLから要求があった場合はシナリオに不都合がない程度で要求を聞いてあげてください。

●机
 机の上には特に何もありません。引き出しに<目星>を振った場合、引き出しの中から様々な大きさの弾丸を発見できます。

【33シェルタールーム】
 セキュリティルームⅡ側、武器庫(上級)側共に侵入可能です。どちらもセキュリティクラスは2。
 セキュリティルームⅡ側からシェルタールームに入る扉には「822486638」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「2×19157×21467」などということになります。
 武器庫(上級)側からシェルタールーム庫に入る扉には「10136978557」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「997×1013×10037」などということになります。
 緊急時に避難するために作られた頑丈な構造の部屋です。
 この部屋で<目星>を振って成功した場合、部屋で保存されていた非常食などの防災用品を入手することができます。具体的な内容はPLの提案を元にKPが判断してください。

【34セキュリティルームⅡ】
 廊下側、器庫側共に侵入可能です。どちらもセキュリティクラスは2。
 部屋に入って正面の壁一面に二十個近いモニターが付けられています。
 どうやら監視カメラをモニターする部屋のようですが人の姿はありません。
 ここでは、【1F】か【B5F】まで【2セキュリティルームⅠ】、【3司令室】、【10所長室】、【エレベーター2】と【B3F】の私室と【27大浴場】、【28大浴場】以外の全てのエリアの状況を確認することができます。
 B3Fのエレベーター前に武装した研究員が二人、【7秘書室】に武装した研究員が一人、【1守衛室】に武装した研究員が三人いることを確認できます。それ以外に人影はないようです。

【35 PCルームⅡ】
 セキュリティクラスは無し。
 【29図書館】は紙ベースの資料が大量に保存されていましたが、この部屋ではインターネットでの検索や情報の管理などを行っているようです。
 パソコンにはカードキーの認証装置が付属されています。職員が持つカードキーを通すことでそれぞれに割り振られたのアカウントでログインできるようですが、本シナリオでは職員のカードキーの入手はできないためゲストでログインすることができます。
 探索者が何かしら調べたい場合は<コンピューター>を振ってください。補助として<電子工学>や<暗号学>も振ることができます。
 【30資料室】で説明したセキュリティ暗号の解読に使用するのがメインとなると思います。その他、PCからキーワードが提案されている場合は技能を振って成功した場合、秘匿されている情報をKPの判断で開示しても構いません。



【KP情報(B3F)】
 B5F、正式名称は【宿舎区画】となります。
 詳細は添付資料の地図のB3Fを参照してください。
 エリアに入った瞬間に武装研究員×2との戦闘開始となります。武装研究員のステータスは【PC情報(B3F)】の項目よりも前に示しておきます。なお、この戦闘は必ず不意打ちを受けた状態でスタートします。
 エリアそのものは広めですが、探索箇所は【11私室②】、【22ゲストルーム】、【23食堂】、【24調理室】、【25 PCルームⅠ】、【26武器庫(中級)】、【27大浴場(男湯)】、【28大浴場(女湯)】の六箇所と少なくなっています。
 残る私室については、空間干渉能力がティンダロスの者達によって封じられているためそもそも強引な侵入は不可能な筈ですが、中に入った場合、基本的には【11私室②】と同じ構造で研究員の私物が置かれていることが分かります。技能を振っても特段役立ちそうなものは手に入らないでしょう。

【エネミーデータ B3F】

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【エネミー】武装研究員
耐久値HP:15 魔力量MP:20
STR:50
CON:60
SIZ:50
DEX:80
INT:60
POW:70
ダメージボーナス:+1D6(パワードスーツ起動時)、+1D2(パワードスーツ崩壊時)
装甲:白衣の下に纏ったパワードスーツにより10ポイントの物理的装甲を得る。また、パワードスーツが機能している間、STRとDEXは2倍した値となる。

1ラウンドにつき2回行動か1回行動
 パワードスーツが機能している間は2回行動できるが、パワードスーツが破壊されると1回行動となる。銃火器か拳で攻撃してくる。

技能
<近接戦闘(拳):80%>+<鉄拳乱舞:70%>ダメージ1D4だが、<鉄拳乱舞>の成功で×1D6のダメージとなる。
<近接戦闘(蹴り):80%>+<マーシャルアーツ:60%)>ダメージ1D6+DBだが、<マーシャルアーツ>成功でキックのダメージが2倍となる。
<ベレッタM1934(拳銃):70%>ダメージ1D10×1D8
<ベレッタPx4(拳銃):70%>ダメージ1D6×1D20
<マジカルピストル(拳銃):70%>ダメージ2D10の魔法によるダメージ。
<レーザーライフル(射撃):60%>ダメージ3D10の科学によるダメージ+10%の確率で部分火傷(治療を受けるまで毎ターン1D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<再装填:90%>銃弾を再装填に1ターン消費する。
<回避:40%>
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【PC情報(B3F)】
 技能を使わないで分かるものとして以下のものがあります。

●部屋の構造について
 【B3F】に入ったタイミングで【B3F】のマップをPCに開示してください。
 縦長のエリアで、左側には七つの扉、右側には六つの扉があります。また、北西方向、丁度エレベーターを降りたところから見て対角の位置にエレベーターが一機あります。
 中央には大きな三つの部屋があることが分かります。しかし、エレベーターを降りた位置からはその部屋が何の部屋なのか分かりません。
 扉に近づけば、鍵などが何も設置されていない銀色の扉と、扉に何かの数字が書かれ、扉の右隣の壁にカードキースキャナーらしきものと「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,×」という入力ボタンと液晶が設置された電卓を彷彿とさせる謎の機械が融合した見慣れないカードリーダーがついているものの二種類を発見することができます。
 ちなみに全ての部屋に部屋の内容が書かれたプレートが掲げられており、セキュリティクラスが設定されている部屋にはセキュリティクラスも表示されています。これらの情報は何番の部屋を探索するという宣言があった場合に公表してください。
 以下、部屋ごとに情報を記していきます。

【11私室②】
 部屋は六畳間程度の広さで、デスクが一つとベッドが一つ備え付けられています。
 基本的に他の研究員の部屋と同じですが、特筆すべき点として壁に飾られた複数の絵があります。
 どれも写真を引き延ばしたレプリカのようですが、偽物と分かっていてもその筆力に圧倒されることになるでしょう。
 「陽光に照らされた海」、「光の差し込む薄暗い森」といった風景画の他に、「二つの光の輪を背負い、白き馬の如き下半身と筋骨隆々な人間の如き上半身を持つ戦神」や「六枚の燃え上がる翼を持ち、無数の銀色の筋が走った黒き触手の生えた下半身と、純白の美しい女性の上半身が合体したような姿の異形」などの浮世離れした絵が飾られています。
 後者に対して<クトゥルフ神話>技能を使用するとこのような存在は該当しないことが分かります。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合は彼らが異世界の神々であることが分かるでしょう。と同時に、何故この世界にそのような絵があるのか疑問に思うかもしれません。
 また、絵全体に<目星>を振って成功すれば、作者が黒羽藍華という人物であることが分かります。<芸術:絵画>を振って成功すれば、彼女が日展で賞を取った経験のある新進気鋭の大学生画家であることを知っていたことになります。
 「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」のシナリオを既に通過している場合は、彼女の名前を聞いてあの異世界で出会った少女のことを思い出すかもしれません。

 他に調べられる場所として机があります。技能を使う必要はなく、「白菊日奈子」と書かれた顔写真付きのネームケースを発見できます。その裏側には「セキュリティクラス2のカードキー」が入っています。
 なお、部屋から出ようとすると部屋の住人である白菊日奈子と鉢合わせしてしまいます。白菊日奈子と戦闘開始です。
 彼女は後編シナリオをクリアする場合に必要になる可能性が高いアイテムを入手する際に必要となるイベントの重要な関係者です。戦闘を開始する際は<威圧>や<言いくるめ>、<説得>などの技能を使って成功すると戦闘を強制終了させることができることを伝えてください。

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【エネミー】白菊日奈子
耐久値HP:15 魔力量MP:20
STR:50
CON:60
SIZ:50
DEX:80
INT:60
POW:70
ダメージボーナス:+1D6(パワードスーツ起動時)、+1D2(パワードスーツ崩壊時)
装甲:白衣の下に纏ったパワードスーツにより10ポイントの物理的装甲を得る。また、パワードスーツが機能している間、STRとDEXは2倍した値となる。

1ラウンドにつき2回行動か1回行動
 パワードスーツが機能している間は2回行動できるが、パワードスーツが破壊されると1回行動となる。銃火器か拳で攻撃してくる。

技能
<近接戦闘(拳):80%>+<鉄拳乱舞:70%>ダメージ1D4だが、<鉄拳乱舞>の成功で×1D6のダメージとなる。
<近接戦闘(蹴り):80%>+<マーシャルアーツ:60%)>ダメージ1D6+DBだが、<マーシャルアーツ>成功でキックのダメージが2倍となる。
<ベレッタM1934(拳銃):70%>ダメージ1D10×1D8。
<ベレッタPx4(拳銃):70%>ダメージ1D6×1D20
<マジカルピストル(拳銃):70%>ダメージ2D10の魔法によるダメージ。
<レーザーライフル(射撃):60%>ダメージ3D10の科学によるダメージ+10%の確率で部分火傷(治療を受けるまで毎ターン1D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<再装填:90%>銃弾を再装填に1ターン消費する。
<回避:40%>
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●説得に成功した場合
【会話イベント】
「……はぁはぁ、分かったわ。安全を保証してくれるのであれば私もこれ以上は攻撃しない。正直、『秘密工作部隊』ヴァリアントの連中には困っていたの。逆らったら始末されそうだし。かといって『殻』にも戻れないし、本当に困っているのよ。見逃してくれたお礼に『セキュリティクラス2のカードキー』は差し上げるわ。その代わりといってはなんだけど……もし、この施設を脱出できたらある人を探して欲しいわ。この絵の作者のことを知っているかしら? そう! 天才画家の黒羽藍華先生!! 彼女の個展がすぐ近くの梅阪屋うめさかやの催事エリアでやっているの! 先生もたまに顔を見せるって聞いたのだけどまだ会ったことがないの。……一度で良いからお目にかかりたいわ! 勿論、ただとは言わないわ。それ相応のお礼はするつもりよ」

 この会話イベント終了後、【SUB QUEST:黒羽先生の大ファン】が解禁されます。

【22ゲストルーム】
 セキュリティクラスは3。扉には「95522785631990715106082957」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「43×39113×66413×87313×93523×104729」などということになります。
 部屋の構造は【11私室②】とほとんど変わりませんが、部屋の広さは【11私室②】よりも広く調度品も【11私室②】よりも豪華だということが分かるでしょう。
 部屋の奥には巨大なモニタがあります。そして……。

【会話イベント】
 そこには、狼のようなナニカが映っていた。その大きさは実に巨大だ。多数の切子面からなる造作、角張った四肢、闇に包まれた割れ目、そしてプリズムのような形状。人の理解を超えた存在を目撃したことで、<SAN値チェック:1D10/1D100>です。
 すると、モニターに写った何者かが探索者達の方に話しかけてきました。その声は理知的で、深い理性を湛えています。

「これは失礼、驚かせてしまったね。私はゼドフィアという。ティンダロスというこことは違う世界で一応君主をしているよ。君達に危害を加えるつもりはないからそう身構えないでもらいたい。……って言っても信じてもらえないかな?」

 そう言うと、ティンダロスの王ゼドフィアはどこからともなく百面ダイスを取り出しました。
 1D100を振って出た目の数だけ全員の正気度を回復してくれます。

「単刀直入に言おう。私はこの施設を掌握している『秘密工作部隊』ヴァリアントと同盟を組んでいる。その目的はヨグ=ソトホートと呼ばれる存在を討伐するためだ。そのための力を君達が持っている『光金の欠片』が持っていると睨んでいる。まあ、制御できればの話だがね。正直、我々にもその欠片の持つ力は理解を超えているのだよ。だが、私は他のティンダロスの住人達と違って人間という存在の可能性に興味があるがあるのだ。『光金の欠片』の実験の過程で人体実験を行うために攫われた君達被験体の牢の鍵を密かに信頼できる部下に解錠させたのは私だ。私はね、どちらでもいいのだよ。君達が可能性を示してくれるならそれも良し、彼らと共に『光金の欠片』の研究を進めるも良し。君達がもし『光金の欠片』に選ばれた存在なら、是非その力を見せてもらいたい。つまり、自力でこの施設を脱出してみせるのです。もし、脱出の目処が立つところまで行けば、私はティンダロスの者達を撤退させましょう。それで、貴方達は晴れて自由の身ということです。……ああ、もし脱出できましたら、セントラルツインタワーズでやっている英国展に出展している『ザ・バルモラール・ホテル』のスコーンを買ってきてもらいたいですね。一応、『秘密工作部隊』ヴァリアントの者達にお願いはしているのですが、貴方達に倒されてしまったら買ってきてもらえないでしょうから。勿論、対価はお支払いしますよ。これでも私の美徳は恩にはしっかりと報いることだと思っていますので」

 この会話イベント終了後、【SUB QUEST:ティンダロスの王とアフタヌーンティーを】が解禁されます。

【23食堂】
 セキュリティクラスは無し。北と西から侵入できます。
 中はどうやら食堂のようです。十人ほど座れる長机が八つほど置かれています。エリア内には調理室もありますが、別項目を立てているのでここでは説明しません。
 どうやら、食券式だったようで二つの扉の付近には年季の入って薄汚れた食券販売機が置かれています。お金を入れれば当然買うことができますが、脱走者である探索者達に料理を提供してくれる人などいる筈がありません。
 部屋全体に<目星>を振って成功すると、黒い自動販売機が置かれていることに気づくことができます。自動販売機では「爽快飴」と名付けられた飴を購入することができます。
 お値段は2000円で、飴玉は七粒入り。舐めることで一時的狂気と永久的狂気から完全脱却可能という、本当にどんな危険な成分が入っているのか分かったものではない飴玉です。効果としては一粒につき1D10の正気度を回復できます。
 自動販売機の内部で飴を作り出しているようで、いくら買っても売り切れません。不思議だね。
 探索者がお金を事前に持ち込んで倉庫内で回収していなければ、この時点で買うことはできないと思われます。一応、探索者が二人以上で自動販売機の<目星>に成功し、金額の合計が2000円を超えることができれば購入できます。
 【10所長室】には金庫があり、そこからお金を得られるので【10所長室】への到達以降や後編での使用が想定されています。

【24調理室】
 セキュリティクラスは無し。
 食堂内のキッチンには一般的な調理器具は揃っています。
 大きな業務用冷蔵庫の中には、 食品、調味料、食用油などが納められており、まだどれも新鮮な状態です。
 <芸術:料理>、<製作:料理>、<知識>などの技能を振って料理を作ることも可能です。調理に成功した場合、探索者が希望すれば正気度を1D3回復しても構いません。

【25 PCルームⅠ】
 セキュリティクラスは無し。
 【35 PCルームⅡ】と全く同じ作りの部屋ですが、奥に進むと扉があります。
 パソコンにはカードキーの認証装置が付属されています。職員が持つカードキーを通すことでそれぞれに割り振られたのアカウントでログインできるようですが、本シナリオでは職員のカードキーの入手はできないためゲストでログインすることができます。
 探索者が何かしら調べたい場合は<コンピューター>を振ってください。補助として<電子工学>や<暗号学>も振ることができます。
 【30資料室】で説明したセキュリティ暗号の解読に使用するのがメインとなると思います。その他、PCからキーワードが提案されている場合は技能を振って成功した場合、秘匿されている情報をKPの判断で開示しても構いません。

【26武器庫(中級)】
 セキュリティクラスは1。
 扉には「63」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「3×3×7」などということになります。
 中には無数の棚があり、刀剣や銃火器などが棚に置かれる形で保管されています。また、中心部には金属製の机があるようです。
 調べられる場所は棚と机の二箇所になります。

●棚について
 棚を調べる場合は<目星>を振ってください。
 <目星>に失敗した場合は、ウィンチェスター モデル69(22口径ボルトアクション・ライフル)、マルティニ・ヘンリー銃(マーティニ=ヘンリー・ライフル)、シモノフ自動装填カービン(SKS カービン)、無銘の太刀を発見することができます。
 <目星>に成功した場合、追加でイサカM37(12ゲージ・ショットガン(ポンプ))、フランキ・スパス12(12ゲージ・ショットガン(セミオート/ポンプ))、妖刀村正を発見することができます。
 <目星>にハード成功(1/2)した場合、追加でAK-47、H&K G36、FN FALを発見することができます。
 <目星>にイクストリーム成功(1/5)した場合、追加でVz 61(スコーピオンSMG)、トンプソン・サブマシンガン(トンプソン)、UZI(ウージーSMG)を発見することができます。
 <目星>にクリティカル成功した場合、追加でマジカルピストルを獲得できます。
 各武器の詳細は以下の通り。

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・ウィンチェスター モデル69……ウィンチェスター・リピーティングアームズ社が1935年に発表した.22口径のボルトアクション式小銃。22口径ボルトアクション・ライフルであり、1発の火力は1D10で、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は10発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。

・マルティニ・ヘンリー銃……イギリスで採用された後装式・レバー作動方式の小銃。1発の火力は1D8+1D6+3で、攻撃回数は1/3。最大装填数は1発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。

・シモノフ自動装填カービン……ソビエト連邦で開発された半自動小銃。1発の火力は2D6+1で、1ラウンドに1発まで射撃が可能。最大装填数は10発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。

・無銘の太刀……無銘の太刀。ダメージ1D16+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。

・イサカM37……アメリカのイサカ・ガン・カンパニー社が製造している散弾銃。1発の火力は4D6で、1ラウンドに1発まで射撃が可能。最大装填数は5発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。

・フランキ・スパス12……イタリアのフランキ社が設計した散弾銃。セミオートマチックとポンプアクションの切り替えが可能。1発の火力は4D6で、1ラウンドに1発まで射撃が可能。最大装填数は6+1発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。

・妖刀村正……伊勢国桑名で活躍した刀工、千子村正により作られた刀。偽書『三河後風土記』等で妖刀伝説が語り継がれたことにより、刀そのものが半ば妖刀と化している。ダメージ4D6+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。

・AK-47……ミハイル・カラシニコフが設計し1949年にソビエト連邦軍が制式採用した自動小銃。1発の火力は2D6で、1ラウンドに1発かフルオートの選択が可能。最大装填数は30発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>か<射撃(SMG)>で行われる。

・H&K G36……ドイツのH&K社が製造したアサルトライフル。1発の火力は1D8+1D4で、1ラウンドに1発かフルオートの選択が可能。最大装填数は30発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>か<射撃(SMG)>で行われる。

・FN FAL……ベルギーのFN社が開発した自動小銃。1発の火力は2D6+4で、1ラウンドに1発か3点バーストの選択が可能。最大装填数は20発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>か<射撃(SMG)>で行われる。

・Vz 61(スコーピオンSMG)……別名はスコーピオン。チェコスロバキアのチェスカー・ズブロヨフカ国営会社で開発された短機関銃。1発の火力は1D8で、1ラウンドに1発かフルオートの選択が可能。最大装填数は20発で全弾装填済み。判定は<射撃(SMG)>で行われる。

・トンプソン・サブマシンガン(トンプソン)……アメリカ合衆国で開発された短機関銃。1発の火力は1D10+2で、1ラウンドに1発かフルオートの選択が可能。最大装填数は30発で全弾装填済み。判定は<射撃(SMG)>で行われる。

・UZI(ウージーSMG)……イスラエルのIMI社製の短機関銃。1発の火力は1D10で、1ラウンドに1発かフルオートの選択が可能。最大装填数は32発で全弾装填済み。判定は<射撃(SMG)>で行われる。

・マジカルピストル……魔力で強化されたマジカルな拳銃。弾丸を装填する必要はなく、魔力を弾丸に変換することができる。使用するとダメージ2D10の魔法によるダメージを与える。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。
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 なお、1クリティカル報酬は用意していません。PLから要求があった場合はシナリオに不都合がない程度で要求を聞いてあげてください。

●机
 机の上には特に何もありません。引き出しに<目星>を振った場合、引き出しの中から様々な大きさの弾丸を発見できます。

【27大浴場(男湯)】
 セキュリティクラスは無し。
 かなりの人数が使用することを想定した広々とした脱衣場と大浴場がセットになっています。
 また、扇風機や体重計、コーヒー牛乳などの自動販売機なども完備されているようです。なお、サウナはありません。
 研究員達は脱走者を恐れて私室に隠れているため誰の気配もありません。技能を振っても特に得られる情報はありません。
 自動販売機に<目星>を振って成功すると、自動販売機の下から1D1000円を発見することができます。所持金がない場合はこのお金でコーヒー牛乳を買ってください。ちなみにお値段は200円となっております。
 コーヒー牛乳を飲んだ場合、正気度とHPを1D10ポイント回復することができます。
 入浴する場合、1D20ポイントの正気度を回復することができます……が、入浴する場合、女性PCは当然ながら【27大浴場(男湯)】から退出しなければなりません。

【28大浴場(女湯)】
 セキュリティクラスは無し。
 かなりの人数が使用することを想定した広々とした脱衣場と大浴場がセットになっています。
 また、扇風機や体重計、コーヒー牛乳などの自動販売機なども完備されているようです。なお、サウナはありません。
 研究員達は脱走者を恐れて私室に隠れているため誰の気配もありません。技能を振っても特に得られる情報はありません。
 自動販売機に<目星>を振って成功すると、自動販売機の下から1D1000円を発見することができます。所持金がない場合はこのお金でコーヒー牛乳を買ってください。ちなみにお値段は200円となっております。
 コーヒー牛乳を飲んだ場合、正気度とHPを1D10ポイント回復することができます。
 入浴する場合、1D20ポイントの正気度を回復することができます……が、入浴する場合、男性PCは当然ながら【28大浴場(女湯)】から退出しなければなりません。

【エレベーター1】
 セキュリティクラスは1。扉には「6122850078959」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「14723×19507×21319」などということになります。
 移動できる階層は【B1F】から【B3F】までです。ちなみに、入力するパスワードは全て共通していますが、解錠すると施錠はされないためあんまり関係ないです。



【KP情報(B2F)】
 B2F、正式名称は【中枢区画】となります。
 詳細は添付資料の地図のB2Fを参照してください。
 いよいよ、決戦の時が近づいてきました。
 エレベーターを降りた瞬間にティンダロスの猟犬×1とティンダロスの闘犬×1の戦闘になります。なお、この戦闘は不意打ちではないため通常通りの戦闘となります。
 こちらのステータスも次の【エネミーデータB2F エレベーター前の戦い】の項目に書いておきます。

【エネミーデータB2F エレベーター前の戦い】

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【エネミー】ティンダロスの猟犬
耐久値HP:24 魔力量MP:24
STR:78
CON:160
SIZ:83
DEX:180
INT:85
POW:125
ダメージボーナス:+1D4
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D3/1D20。ただし、既に他のティンダロスの猟犬を見ている場合や、ティンダロスの猟犬と同等の存在であるティンダロスの偵察犬、ティンダロスの野犬、ティンダロスの闘犬、ティンダロスの混血種、上位種であるティンダロスの騎兵、ティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき2回行動(一度目はDEX順、二度目は全員の行動終了後)
 前脚、噛みつき、舌による攻撃を行う(要するに原作通り)。原作とは異なり、連携など組織立った行動が増えている。執拗に対象を狙う追跡者チェイサーの顔と、連携を取って複数で狩りをする猟犬の顔を使い分けており、それが最善手であると判断すれば援護に回ることも多い。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

技能
<近接戦闘(前脚):70%>ダメージ3D3+DB+青い膿(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<近接戦闘(二連噛みつき):60%>ダメージ2D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(三連噛みつき):50%>ダメージ3D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(舌):70%>ダメージ3D6のPOW吸収(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<フェイタルクロー:20%>ダメージ3D10+10%の確率で耐久値の計算をせずに対象を即死させる。
<遠吠え(鼓舞):50%>遠吠えをして自身と味方を鼓舞する。味方全体のSTRを1D10ターンの間だけ1.5倍にする。
<手助け:80%>味方一体の援護に回る。このターン行動できないが、援護した対象の与えるダメージが2倍となる。
<連携(ティンダロス):100%>他のティンダロスの住民と高い連携を示し、最適化された行動を取ることができる。この技能は他にティンダロスの住人の仲間がいる場合は常時発動状態となり、出目の判定は行わない。
<回避:50%>
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-----------------------------------------------
【エネミー】ティンダロスの闘犬
耐久値HP:20 魔力量MP:10
STR:250
CON:200
SIZ:83
DEX:30
INT:10
POW:130

ダメージボーナス:+1D6
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D3/1D20。ただし、既に他のティンダロスの闘犬を見ている場合や、ティンダロスの闘犬と同等の存在であるティンダロスの偵察犬、ティンダロスの野犬、ティンダロスの猟犬、ティンダロスの混血種、上位種であるティンダロスの騎兵、ティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき1回行動
 前脚、噛みつき、舌による攻撃を行う(要するに原作通り)。とにかく攻撃に全てを注ぎ込んだ脳筋タイプである。ロマン砲の如き一撃に全てをかける傾向が強い。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

技能
<近接戦闘(前脚):70%>ダメージ3D3+DB+青い膿(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<近接戦闘(二連噛みつき):60%>ダメージ2D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(三連噛みつき):50%>ダメージ3D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(舌):70%>ダメージ3D6のPOW吸収(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<フェイタルクロー:20%>ダメージ3D10+10%の確率で耐久値の計算をせずに対象を即死させる。
<溜める:100%>このターンは行動しない代わりに次のターン、与えるダメージが2倍になる。
<捨て身のタックル:30%>単体にダメージ3D50。ただし、自分も1/4のダメージを受ける。回避された場合は本来与える筈だったダメージの1/2のダメージを受ける。<溜める>を使用した次のターンに使用する場合は技能値に+30%して判定する。
<回避:50%>
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【PC情報(B2F)】
 技能を使わないで分かるものとして以下のものがあります。

●部屋の構造について
 【B2F】に入ったタイミングで【B2F】のマップをPCに開示してください。
 エレベーターと同方向に二つの入り口があります。また、エレベーターを背にすると、廊下の中心に大きな部屋が一つあります。先に進んで大きな部屋を背にすると、前方に扉が二つ、左方向に扉が一つ見えます。
 扉に近づけば、扉に何かの数字が書かれ、扉の右隣の壁にカードキースキャナーらしきものと「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,×」という入力ボタンと液晶が設置された電卓を彷彿とさせる謎の機械が融合した見慣れないカードリーダーがついているものを発見することができます。
 ちなみに全ての部屋に部屋の内容が書かれたプレートが掲げられており、セキュリティクラスが設定されている部屋にはセキュリティクラスも表示されています。これらの情報は何番の部屋を探索するという宣言があった場合に公表してください。
 以下、部屋ごとに情報を記していきます。

【4遊戯室】
 セキュリティクラスは1。
 扉には「18」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「2×3×3」などということになります。
 ビリアード台やボーリングのレーン、ポーカーテーブルや麻雀卓など一通りの遊戯に興じられる部屋のようです。
 この部屋で部屋全体、あるいはポーカーテーブルに<目星>を振って成功すると、テーブルの下に落ちている古ぼけたレコードのようなものを発見することができます。
 レコードを包む紙の表面には「技レコード<ギャンブラーの魂>」と書かれています。裏面には「高度な洗脳技術を利用して技能や魔術を習得することが可能である」と書かれています。
 技レコードに対して<鑑定>や<目星>などの技能を振った場合、自分の理解し得ない何か特殊な技術をもってして作り出されたものであることに気づきます。<SAN値チェック:0/1>です。

 技レコードを使用する場合、正気度を3ポイント消費します。使用することで、技レコードに保存されていた技能や魔術を習得することができます。
 なお、技レコードは何度も使用可能です。

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<ギャンブラーの魂>
 本シナリオのオリジナル技能です。 使用すると<ギャンブラーの魂>の技能を50%獲得することができます。
 他シナリオで使用する際は、KP の判断を仰いでください。
 技能を使用する場合は、出目によって効果が変わります。なお、一回の戦闘の中で効果は永続しますが、一度戦闘が終了すると効果は終了します。

1クリティカル……味方全体の与えるダメージ3倍
クリティカル……自身の与えるダメージ6倍
イクストリーム成功……自身の与えるダメージ4倍
ハード成功……自身の与えるダメージ3倍
成功……自身の与えるダメージ2倍
失敗……自身の受けるダメージ2倍
ファンブル……自身の受けるダメージ3倍
100ファンブル……味方全体の受けるダメージ3倍
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【5応接室Ⅰ】
 セキュリティクラスは2。
 扉には「3768006767」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「7×16333×32957」などということになります。
 中は黒い革張りのソファーが二つずつ置かれ、真ん中にガラスのテーブルが置かれたオーソドックスな応接室になっているようです。
 <目星>などの技能を用いても特段情報は得られません。

【8展示ルーム】
 セキュリティクラスは2。
 扉には「1480958250851」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「2521×10099×58169」などということになります。
 中には古代文明のものであると思われる黄金のデスマスクをはじめ、マンモスの剥製、柿右衛門様式の壺、西洋の有名美術家の絵(ルノワール、モネ、ゴッホ、ピカソなど)などの美術品や考古学的に価値のある品々であることが分かります。
 <鑑定>を振って成功すれば、それらがいずれも表舞台から姿を消してしまって消息不明になっている品々であることに気づくことができます。どれも価値があるものですが、盗品扱いになる可能性が高いため売りに出してお金を稼ぐの難しいでしょう。
 <目星>などの技能を用いても特段情報は得られません。

【9応接室Ⅱ】
 セキュリティクラスは2。
 扉には「102698893860499」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「27611×58631×63439」などということになります。
 中は黒い革張りのソファーが二つずつ置かれ、真ん中にガラスのテーブルが置かれたオーソドックスな応接室になっているようです。
 <目星>などの技能を用いても特段情報は得られません。

【7秘書室】
 セキュリティクラスは2。
 扉には「23126876905129」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「18047×31079×41233」などということになります。
 秘書が詰めている部屋のようで、パソコンと書類束が置かれているデスクが三つと本棚があります。右と左には扉があり、どちらにも進むことができます。
 机に<目星>を振って成功すると、リストを手に入れることができます。そのリストには探索者+4名の名前と性別、α-番号という組み合わせで被験体の名前が書かれています。

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α-1 草壁くさかべ一郎いちろう 男 死亡
α-2 志島ししま幸枝さちえ 女 死亡
α-3 板技いたぎ未悟みご 男 死亡
α-4 毒島ぶすじま冬美ふゆみ 女 死亡
α-5 探索者A 探索者の性別 生存

(以下、人数分続く)
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 また、『秘密工作部隊』ヴァリアントが捕獲した被験体以外の取引の領収書も発見することができます。ただし、取引相手の名前は「業者σ」、「業者ω」など、一目で分からないように暗号化されているようです。

 なお、部屋に入った時点で武装研究員×1との戦闘になります。

【エネミーデータB2F 秘書室の戦い】

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【エネミー】武装研究員
耐久値HP:15 魔力量MP:20
STR:50
CON:60
SIZ:50
DEX:80
INT:60
POW:70
ダメージボーナス:+1D6(パワードスーツ起動時)、+1D2(パワードスーツ崩壊時)
装甲:白衣の下に纏ったパワードスーツにより10ポイントの物理的装甲を得る。また、パワードスーツが機能している間、STRとDEXは2倍した値となる。

1ラウンドにつき2回行動か1回行動
 パワードスーツが機能している間は2回行動できるが、パワードスーツが破壊されると1回行動となる。銃火器か拳で攻撃してくる。

技能
<近接戦闘(拳):80%>+<鉄拳乱舞:70%>ダメージ1D4だが、<鉄拳乱舞>の成功で×1D6のダメージとなる。
<近接戦闘(蹴り):80%>+<マーシャルアーツ:60%)>ダメージ1D6+DBだが、<マーシャルアーツ>成功でキックのダメージが2倍となる。
<ベレッタM1934(拳銃):70%>ダメージ1D10×1D8
<ベレッタPx4(拳銃):70%>ダメージ1D6×1D20
<マジカルピストル(拳銃):70%>ダメージ2D10の魔法によるダメージ。
<レーザーライフル(射撃):60%>ダメージ3D10の科学によるダメージ+10%の確率で部分火傷(治療を受けるまで毎ターン1D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<再装填:90%>銃弾を再装填に1ターン消費する。
<回避:40%>
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【6自家発電室】
 セキュリティクラスは2。
 扉には「524211405687001」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「65357×77801×103093」などということになります。
 秘書室の左側にある部屋です。
 中では大きな発電機が三つほど稼働して膨大な電気エネルギーを生成していることが分かります。どうやらこの研究施設の電力は全てこの部屋での発電で賄われているようです。

 この部屋でできる行動は充電と施設破壊になります。
 充電は探索者が持ち込んだ携帯電話などの電子機器の充電や電気を必要とする武器の充電かできます。希望する方はKPに申し出てください。
 施設破壊をする場合は何らかの戦闘技能を振ってください。発電機の耐久力(HP)は一台につき100ポイントで合計三台あります。
 破壊すると施設の機能が停止します。扉の電子ロックとエレベーターは破壊から三時間ほどは蓄えられた電力で動きますが、それ以降は完全に動かなくなります。この施設の扉は全て強力な魔法によって守られており、破壊不可能なため詰みになります。お疲れ様でした。
 警備システムは停止しますが、今後の戦闘は全て警備システムが稼働していても稼働していなくても発生するので特に意味はありません。
 また、施設が暗くなることで【3司令室】と【22ゲストルーム】以外では命中率低下(1/2補正)の補正が味方側に発生することになります。なお、ティンダロスの住人達は明暗関係なく活動できるため問題ありません。
 武装研究員達も暗視ゴーグルを持っているため命中率低下のバッドステータスが発生しません。
 なお、【3司令室】と【22ゲストルーム】はそれぞれの部屋に緊急用の発電システムが搭載されているためか問題なく機能しています。

【10所長室】
 外から入る場合はセキュリティクラスが3、【7秘書室】を介して入る場合はセキュリティクラスが2となります。
 外の扉には「1408504568694883263554989」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「29683×62507×86069×92593×95257」などということになります。
 【7秘書室】から入る扉には「162804104462671」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「7×17747×23081×56779」などということになります。

 部屋には小さなエレベーターが一台と大きな欅製の仕事机、本棚と巨大な金庫があります。

●エレベーターについて
 【エレベーター2】で【B1F】と【B2F】を行き来できます。セキュリティクラスは無しです。
 使用することで【2セキュリティルームⅠ】に移動できます。

●欅製の仕事机
 いかにも高そうな欅の古木を使った上質な仕事机です。
 調べる宣言がある場合、当日の「岐阜羽島駅行きの新幹線のグリーン車のチケット」を探索者の人数分発見することができます。また<目星>を振って成功すると、「自分達ではこれ以上の『光金の欠片』の調査は進められそうにないため、岐阜羽島と東京に拠点を持つタレオ・ラボに調査を依頼することにした」といったメモと「98、25、37」と書かれたメモを発見することができます。

●本棚
 探索することを宣言すれば、技能を振らなくても棚の本の間に挟まった奇妙な古ぼけたレコードのようなものを発見することができます。
 レコードを包む紙の表面には「技レコード<バリアキャンセラー>」と書かれています。裏面には「高度な洗脳技術を利用して技能や魔術を習得することが可能である」と書かれています。
 技レコードに対して<鑑定>や<目星>などの技能を振った場合、自分の理解し得ない何か特殊な技術をもってして作り出されたものであることに気づきます。<SAN値チェック:0/1>です。

 技レコードを使用する場合、正気度を3ポイント消費します。使用することで、技レコードに保存されていた技能や魔術を習得することができます。
 なお、技レコードは何度も使用可能です。

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<バリアキャンセラー>
 本シナリオのオリジナル魔術技能です。
 他シナリオで使用する際は、KP の判断を仰いでください。
 MPを2、1D4の正気度ポイントを消費することで現在貼られている攻撃のダメージをカットするバリアを任意の数だけ無効化することができます。

 ここからは余談ですが、正攻法でラスボスを攻略する場合にほぼ必須のアイテムです。しっかりと手に入れておくことを強く推奨します。
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●巨大な金庫
 巨大な金庫です。0〜99の文字のダイヤルの金庫で羽が三つの百万通りダイヤル金庫になっています。
 <鍵開>を使用する場合、ハード成功(1/2)が羽の数だけ……要するに三回必要になります。一回の成功で数字一つを開示してください。
 中には一千万円が入っています。

 なお、部屋に入った時点でティンダロスの騎兵×1とティンダロスの混血種(ティンダロスの混雑種)の戦闘になります。

【エネミーデータB2F 所長室の戦い】

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【エネミー】ティンダロスの混血種(ティンダロスの混雑種)
耐久値HP:17 魔力量MP:18
STR:110
CON:110
SIZ:65
DEX:80
INT:80
POW:90
ダメージボーナス:+1D6
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D4/1D8。ただし、既に他のティンダロスの猟犬を見ている場合や、ティンダロスの混血種と同等の存在であるティンダロスの猟犬とティンダロスの闘犬、上位種であるティンダロスの騎兵、ティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき2回行動が1回行動
 手あるいはかぎ爪で1ラウンドに2回攻撃できる。もしくは舌を繰り出し(青い舌の射程は2m)噛みついて 1回攻 撃できる。ティンダロスの混血種(ティンダロスの混雑種)は最もPOWが高い相手を最初に対象にする。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

技能
<近接戦闘(格闘):50%>ダメージ1D6+DB+青い膿(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の108 ページ参照)。
<近接戦闘(二連噛みつき):50%>ダメージ2D6+DB+青い膿。
<噛みつき:50%>ダメージ毎ラウンド1D4+1D10のSTR、DEX、CON、APPの減少(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の108 ページ参照)。
<近接戦闘(舌):70%>ダメージ1D10のPOW+3D6のCON喪失(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の108 ページ参照)。
<青き結晶の射出(射撃):50%>ダメージ2D6+2+青い膿 射程5m 攻撃回数1D10。
<回避:50%>
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【エネミー】ティンダロスの騎兵
耐久値HP:40 魔力量MP:20
STR:300
CON:150
SIZ:100
DEX:160
INT:100
POW:130
ダメージボーナス:+2D6
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D6/1D10。ただし、既に他のティンダロスの騎兵やティンダロスの騎兵と同格のティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき2回行動
 騎乗するティンダロスの混血種と騎乗されるティンダロスの猟犬が別々に一回ずつ攻撃する。二つの攻撃は連続し、騎士のティンダロスの混血種に続いてティンダロスの猟犬が攻撃を行う。なお、斬撃と名のつく攻撃は騎士のティンダロスの混血種の攻撃、騎兵軍犬と名のつく攻撃は騎士のティンダロスの猟犬の攻撃である。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

技能
<近接戦闘(斬撃):60%>ダメージ2D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(二連斬撃):50%>ダメージ2D6+1D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(三連斬撃):40%>ダメージ2D6+1D8+1D4+DB+青い膿。
<騎兵軍犬の噛みつき:50%>ダメージ毎ラウンド1D4+1D10のSTR、DEX、CON、APPの減少。
<騎兵軍犬の近接戦闘(舌):60%>ダメージ1D10のPOW+3D6のCON喪失。
<回避:50%>
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【KP情報(B1F)】
 B1F、正式名称は【決戦区画】となります。
 詳細は添付資料の地図のB1Fを参照してください。
 エリアは左側と右側に分かれています。左側は【B3F】攻略後にくることができますが、当然脱出はできません。魔法で強化された鉄壁のシャッターが探索者達を逃がさないように立ちはだかっています。
 このエリアは終盤ということもあって戦闘が多いため、それぞれの部屋ごとに情報を開示していきます。

【PC情報(B1F)】
 技能を使わないで分かるものとして以下のものがあります。

●部屋の構造について
 左側の【エレベーター1】、右側の【エレベーター2】のいずれかを使って【B1F】に到達した時にPCに開示してください。
 【エレベーター1】を降りると右側にシャッターがあります。エレベーターの扉を背に右手を向くと一部がガラス窓になっている小さな部屋があります。
 【エレベーター2】を降りると正面と左方向に扉があることが分かります。それぞれの部屋の描写はそれぞれの部屋の情報に記述しておきます。
 扉に近づけば、鍵などが何も設置されていない銀色の扉と、扉に何かの数字が書かれ、扉の右隣の壁にカードキースキャナーらしきものと「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,×」という入力ボタンと液晶が設置された電卓を彷彿とさせる謎の機械が融合した見慣れないカードリーダーがついているものの二種類を発見することができます。
 ちなみに全ての部屋に部屋の内容が書かれたプレートが掲げられており、セキュリティクラスが設定されている部屋にはセキュリティクラスも表示されています。これらの情報は何番の部屋を探索するという宣言があった場合に公表してください。
 以下、部屋ごとに情報を記していきます。

【シャッター】
 部屋ではありませんが、一応項目を立てておきます。エレベーターホールとエントランスを分ける位置にある巨大なシャッターです。
 <目星>の技能を振って成功した場合は何らかの魔術的なエネルギーを帯びていることが分かります。
 <聞き耳>の技能を振った場合、外から一切音が聞こえないことが分かります。

 基本的に破壊はできず、【3司令室】にあるシャッター開閉装置を使わない限りシャッターの先には進めませんが、強引に突破を提案する探索者がいる場合に備えて一応耐久値を設定しておきます。
 シャッターそのものの耐久値は100、更に魔術的な装甲で400の耐久値があります。魔術的な装甲は半永久的に機能するため、前編の段階では装甲を無視して攻撃はできません。突破する場合は最低でも401以上のダメージを与え続ける必要があります。
 厄介なのは、シャッターに迎撃システムが備わっている点です。シャッターは当然物なので意識は存在せず、行動もしませんが、装甲を含めて自身が受けたダメージの合計値をそのまま攻撃してきた探索者に与えます。仮に破壊された場合でも、このダメージ反射機能は消えません。そのため、探索者がシャッターを突破する際には覚悟を決めて突破する必要があります。正規ルートではないのでこれくらいのことは許してください。

【1守衛室】
 セキュリティクラスは無し。警備のための部屋で守衛が何人か待機できる設備が揃っています。
 セキュリティクラス3と個人の部屋を除いた全ての部屋の扉の開閉ができる装置やシャッターを開閉する装置なども警備上の理由で設置されていますが、それらは【3司令室】にある上位システムによって完全に停止させられています。
 <目星>や<聞き耳>などの技能を振ってもここでは有益な情報は得られないでしょう。
 部屋に初めて入った場合、守衛室に待機していた武装研究員×3との戦闘になります。
 一応、全ての部屋を探索するPCや安易に上の階層を目指して脱出を狙うPCに向けた罠となっています。

【エネミーデータB1F 守衛室の戦い】

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【エネミー】武装研究員
耐久値HP:15 魔力量MP:20
STR:50
CON:60
SIZ:50
DEX:80
INT:60
POW:70
ダメージボーナス:+1D6(パワードスーツ起動時)、+1D2(パワードスーツ崩壊時)
装甲:白衣の下に纏ったパワードスーツにより10ポイントの物理的装甲を得る。また、パワードスーツが機能している間、STRとDEXは2倍した値となる。

1ラウンドにつき2回行動か1回行動
 パワードスーツが機能している間は2回行動できるが、パワードスーツが破壊されると1回行動となる。銃火器か拳で攻撃してくる。

技能
<近接戦闘(拳):80%>+<鉄拳乱舞:70%>ダメージ1D4だが、<鉄拳乱舞>の成功で×1D6のダメージとなる。
<近接戦闘(蹴り):80%>+<マーシャルアーツ:60%)>ダメージ1D6+DBだが、<マーシャルアーツ>成功でキックのダメージが2倍となる。
<ベレッタM1934(拳銃):70%>ダメージ1D10×1D8
<ベレッタPx4(拳銃):70%>ダメージ1D6×1D20
<マジカルピストル(拳銃):70%>ダメージ2D10の魔法によるダメージ。
<レーザーライフル(射撃):60%>ダメージ3D10の科学によるダメージ+10%の確率で部分火傷(治療を受けるまで毎ターン1D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<再装填:90%>銃弾を再装填に1ターン消費する。
<回避:40%>
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【2セキュリティルームⅠ】
 エントランス側、所長室側共に侵入可能です。所長室から来る場合は【エレベーター2】を経由する必要があります。基本的に正規ルートは【2セキュリティルームⅠ】→ 【3司令室】という流れのため、前編でエントランス側の扉は使いません。エントランス側の扉は後編での使用が想定されています。セキュリティクラスは【3司令室】が2、エントランス側が3となっています。
 エントランスからセキュリティルームⅠに入る扉には「97316286715768936250371」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「22567×28571×37853×52567×75853」などということになります。
 セキュリティルームⅠから司令室に入る扉には「45288912058133」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「29959×31391×48157」などということになります。

 部屋に入って正面の壁一面に二十個近いモニターが付けられています。
 どうやら監視カメラをモニターする部屋のようですが人の姿はありません。
 ここでは、【1F】か【B5F】まで【B3F】の私室と【27大浴場】、【28大浴場】以外の全てのエリアの状況を確認することができます。なお、技能を振って得られる情報はありません。
 部屋に初めて入った場合、セキュリティルームⅠに待機していた上級武装研究員×1と暗殺者×2との戦闘になります。

【エネミーデータB1F セキュリティルームⅠの戦い】

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【エネミー】上級武装研究員
耐久値HP:20 魔力量MP:20
STR:80
CON:70
SIZ:50
DEX:120
INT:60
POW:100
ダメージボーナス:+1D8(パワードスーツ起動時)、+1D2(パワードスーツ崩壊時)
装甲:白衣の下に纏ったパワードスーツにより20ポイントの物理的装甲を得る。また、パワードスーツが機能している間、STRとDEXは2倍した値となる。

1ラウンドにつき2回行動か1回行動
 パワードスーツが機能している間は2回行動できるが、パワードスーツが破壊されると1回行動となる。銃火器か拳で攻撃してくる。

技能
<近接戦闘(拳):80%>+<鉄拳乱舞:70%>ダメージ1D6だが、<鉄拳乱舞>の成功で×1D6のダメージとなる。
<近接戦闘(蹴り):80%>+<マーシャルアーツ:60%)>ダメージ1D8+DBだが、<マーシャルアーツ>成功でキックのダメージが2倍となる。
<Pfeifer Zeliska(拳銃):70%>ダメージ1D20+1D6×1D5。
<IMIデザートイーグル(拳銃):70%>ダメージ1D10+1D6+3×1D7。
<マジカルピストル(拳銃):70%>ダメージ2D10の魔法によるダメージ。
<レーザーライフル(射撃):60%>ダメージ3D10の科学によるダメージ+10%の確率で部分火傷(治療を受けるまで毎ターン1D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<再装填:90%>銃弾を再装填に1ターン消費する。
<回避:50%>
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【エネミー】暗殺者
耐久値HP:15 魔力量MP:20
STR:150
CON:70
SIZ:50
DEX:300
INT:30
POW:100
ダメージボーナス:+1D10パワードスーツ起動時)、+1D6(パワードスーツ崩壊時)
装甲:黒装束の下に纏ったパワードスーツにより20ポイントの物理的装甲を得る。また、パワードスーツが機能している間、STRとDEXは2倍した値となる。

1ラウンドにつき2回行動か1回行動
 パワードスーツが機能している間は2回行動できるが、パワードスーツが破壊されると1回行動となる。銃や剣を使って攻撃してくる。

技能
<斬撃(刀):90%>+<毒蛾の一撃(刀):70%>ダメージ1D10だが、<毒蛾の一撃(刀)>の成功で攻撃を浴びせた相手に猛毒(治療を受けるまで毎ターン1D2×経過ターン数のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<斬撃(刀):90%>+<アサシネーション(刀):50%>ダメージ1D10だが、<アサシネーション(刀)>の成功で×1D3のダメージとなる。また、<アサシネーション>に成功した際に10%の確率で対象を即死させる。
<トカレフTT-33 サプレッサー付き(拳銃):80%>ダメージ1D10+1D3×1D8
<FN Five-seveN サプレッサー付き(拳銃):80%>ダメージ2D6×1D10。
<マジカルピストル(拳銃):70%>ダメージ2D10の魔法によるダメージ。
<レーザーライフル(射撃):60%>ダメージ3D10の科学によるダメージ+10%の確率で部分火傷(治療を受けるまで毎ターン1D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<再装填:90%>銃弾を再装填に1ターン消費する。
<回避:90%>
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【3司令室】
 セキュリティルームⅠの左方向の扉から侵入可能です。シナリオ前編の最後の探索場所であり、ボスの間ということになります。
 セキュリティルームⅠから司令室に入る扉には「45288912058133」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「29959×31391×48157」などということになります。
 なお、実際の探索は後編で行うことになるため、ここでは部屋の簡単な情報だけ開示しておきます。

 部屋は少し広めの部屋で、真っ赤な絨毯が敷かれ、上等な調度品が並べられています。最奥には上質な木材をふんだんに使った豪奢な机が置かれ、いくつもの立体映像が浮かび上がっており、その立体映像がディスプレイの代わりになっています。
 机を探索することで「マスターキー」を入手することができます。ディスプレイが展開されている下にはキーボードが置かれており、このキーボードを操作することで「警備システム」にアクセスし、研究者達に割り当てられた私室とゲストルーム以外の全ての部屋の扉の解除やシャッターの昇降が可能です。それ以外に探索できる場所はありません。



【描写】司令室、開戦前の静けさ――。

 扉を開けると、そこは今までの無機質な研究施設とはかけ離れた豪華絢爛な部屋だった。美しい調度品が並ぶ部屋、その最奥にて青白く光輝くディスプレイに視線を向けていた神経質そうな白衣の男は探索者達の方に視線を向けるとゆっくりと立ち上がった。

「我々ヴァリアントの精鋭やティンダロスの者達が警備を固めた研究施設をよく突破してきたものだ。何故、被験体である筈の君達が牢を脱出してここまで辿りつけたのか分からないが、まずはここまで辿り着いた君達に敬意を表そう。何も知らずにこのまま死に逝くというのも辛かろう。冥土の土産として幾つか情報を進呈しよう。……とその前に、君達は『殻』という言葉を聞いたことはあるだろうか?」

 ※ここで探索者達に回答の機会が与えられる。しかし、肯定、否定どちらと答えても展開そのものは変化しない。

「まあ、知っていても知らなくても関係のないことだ。『殻』とは、ユダヤの神秘主義カバラにおける悪の勢力を示すクリフォトの名を冠する非合法の地下組織だ。日本、ひいては、世界の既存秩序を根底からひっくり返すべく地下に潜り覇権を握るための研究をしていた。彼らの理想は世界征服、子供じみた夢だと思うだろう? だが、その願いを我々は叶えようとしてきた。私をはじめとする『秘密工作部隊』ヴァリアントもその思想に賛同した。……だが、我々はいつまで経っても末端の存在なのだ! 仮に『殻』が理想を叶えても我々が天下を取ることはできない。故に、我々は『光金の欠片』を手に入れることができる唯一の好機を利用することにした。話の分かるティンダロスの者達と取引をし、一部の研究部門の研究員達を従属させてこの忘れ去られた研究所跡に居を構えたのだ。我々は『光金の欠片』の力を解析し、完全に我が物とする! そして世界に宣戦布告し、全ての国を、そして世界を従属させるのだ! 少々計画は狂ったが問題ない。その『光金の欠片』を我々に返す気はないのだろう? ならば、力尽くで奪い返してやろう!! 者共、出合え出合えッ!!」

 以後、司令室の戦い一戦目が幕を開けることになります。
 ティンダロスの猟犬×1、ティンダロスの闘犬×1、上級武装研究員×1、ティンダロスの魔人×1との戦闘開始です。

【エネミーデータB1F 司令室の戦い一戦目】

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【エネミー】ティンダロスの猟犬
耐久値HP:24 魔力量MP:24
STR:78
CON:160
SIZ:83
DEX:180
INT:85
POW:125
ダメージボーナス:+1D4
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D3/1D20。ただし、既に他のティンダロスの猟犬を見ている場合や、ティンダロスの猟犬と同等の存在であるティンダロスの偵察犬、ティンダロスの野犬、ティンダロスの闘犬、ティンダロスの混血種、上位種であるティンダロスの騎兵、ティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき2回行動(一度目はDEX順、二度目は全員の行動終了後)
 前脚、噛みつき、舌による攻撃を行う(要するに原作通り)。原作とは異なり、連携など組織立った行動が増えている。執拗に対象を狙う追跡者チェイサーの顔と、連携を取って複数で狩りをする猟犬の顔を使い分けており、それが最善手であると判断すれば援護に回ることも多い。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

技能
<近接戦闘(前脚):70%>ダメージ3D3+DB+青い膿(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<近接戦闘(二連噛みつき):60%>ダメージ2D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(三連噛みつき):50%>ダメージ3D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(舌):70%>ダメージ3D6のPOW吸収(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<フェイタルクロー:20%>ダメージ3D10+10%の確率で耐久値の計算をせずに対象を即死させる。。
<遠吠え(鼓舞):50%>遠吠えをして自身と味方を鼓舞する。味方全体のSTRを1D10ターンの間だけ1.5倍にする。
<手助け:80%>味方一体の援護に回る。このターン行動できないが、援護した対象の与えるダメージが2倍となる。
<連携(ティンダロス):100%>他のティンダロスの住民と高い連携を示し、最適化された行動を取ることができる。この技能は他にティンダロスの住人の仲間がいる場合は常時発動状態となり、出目の判定は行わない。
<回避:50%>
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【エネミー】ティンダロスの闘犬
耐久値HP:20 魔力量MP:10
STR:250
CON:200
SIZ:83
DEX:30
INT:10
POW:130

ダメージボーナス:+1D6
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D3/1D20。ただし、既に他のティンダロスの闘犬を見ている場合や、ティンダロスの闘犬と同等の存在であるティンダロスの偵察犬、ティンダロスの野犬、ティンダロスの猟犬、ティンダロスの混血種、上位種であるティンダロスの騎兵、ティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき1回行動
 前脚、噛みつき、舌による攻撃を行う(要するに原作通り)。とにかく攻撃に全てを注ぎ込んだ脳筋タイプである。ロマン砲の如き一撃に全てをかける傾向が強い。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

技能
<近接戦闘(前脚):70%>ダメージ3D3+DB+青い膿(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<近接戦闘(二連噛みつき):60%>ダメージ2D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(三連噛みつき):50%>ダメージ3D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(舌):70%>ダメージ3D6のPOW吸収(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<フェイタルクロー:20%>ダメージ3D10+10%の確率で耐久値の計算をせずに対象を即死させる。
<溜める:100%>このターンは行動しない代わりに次のターン、与えるダメージが2倍になる。
<捨て身のタックル:30%>単体にダメージ3D50。ただし、自分も1/4のダメージを受ける。回避された場合は本来与える筈だったダメージの1/2のダメージを受ける。<溜める>を使用した次のターンに使用する場合は技能値に+30%して判定する。
<回避:50%>
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【エネミー】上級武装研究員
耐久値HP:20 魔力量MP:20
STR:80
CON:70
SIZ:50
DEX:120
INT:60
POW:100
ダメージボーナス:+1D8(パワードスーツ起動時)、+1D2(パワードスーツ崩壊時)
装甲:白衣の下に纏ったパワードスーツにより20ポイントの物理的装甲を得る。また、パワードスーツが機能している間、STRとDEXは2倍した値となる。

1ラウンドにつき2回行動か1回行動
 パワードスーツが機能している間は2回行動できるが、パワードスーツが破壊されると1回行動となる。銃火器か拳で攻撃してくる。

技能
<近接戦闘(拳):80%>+<鉄拳乱舞:70%>ダメージ1D6だが、<鉄拳乱舞>の成功で×1D6のダメージとなる。
<近接戦闘(蹴り):80%>+<マーシャルアーツ:60%)>ダメージ1D8+DBだが、<マーシャルアーツ>成功でキックのダメージが2倍となる。
<Pfeifer Zeliska(拳銃):70%>ダメージ1D20+1D6×1D5。
<IMIデザートイーグル(拳銃):70%>ダメージ1D10+1D6+3×1D7。
<マジカルピストル(拳銃):70%>ダメージ2D10の魔法によるダメージ。
<レーザーライフル(射撃):60%>ダメージ3D10の科学によるダメージ+10%の確率で部分火傷(治療を受けるまで毎ターン1D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<再装填:90%>銃弾を再装填に1ターン消費する。
<回避:50%>
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【エネミー】ティンダロスの魔人
耐久値HP:25 魔力量MP:999
STR:50
CON:200
SIZ:68
DEX:256
INT:999
POW:256
ダメージボーナス:+3D6
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D6/1D10。ただし、既に他のティンダロスの魔人やティンダロスの魔人と同格のティンダロスの騎兵、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき1回行動
 魔法に秀でたティンダロスの混血種。ティンダロスの混血種としての攻撃も行えるが、基本的には魔法を攻撃の手段として用いる。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

<萎縮>対象に肉体的損傷を与える。任意のMPとその半分の正気度ポイントを投入でき、対抗POWロールに成功すれば投入したMPと同じ量のダメージを与える。
<破壊>コストは3MP、1正気度ポイント。10m以内の対象を一時的に無力にする。対抗POWロールが必要で、成功すると対象は激しい苦痛、顔や手が腫れ上がり体液が滴り落ち、視力を失う。効果が切れると完全に回復するが、この経験により正気度ロールを行い1/1d6正気度を失う。
<精神を貫く矢>コストは1D4のMP のみで正気度ポイントの消費はない。魔法陣を生じさせ、そこから対象一人を狙って無数の純白の矢を放つ。ダメージ4D6のPOWと正気度2D6の喪失。
<蒼焔炎舞>コストは1D10のMP のみで正気度ポイントの消費はない。青色の炎を生じさせ、自在に操って攻撃する。1D10人にダメージ1D10+10%の確率で全身火傷(治療を受けるまで毎ターン1D6のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<氷河の槍>コストは1D10のMP のみで正気度ポイントの消費はない。凍てつく氷の槍を放って敵を刺し貫く。ダメージ2D6+30%の確率で凍傷(治療を受けるまで毎ターン2D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<雷鳴剣>コストは1D10 のMP のみで正気度ポイントの消費はない。頭上から雷撃の剣を降り注がせる。1D10人にダメージ3D6+10%の確率で全身麻痺(治療を受けるまで行動ターンに1D100を振って50以上が出なければそのターン行動できない)か全身火傷(治療を受けるまで毎ターン1D6のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<追い風>1ラウンドにつき2のMPを支払う。味方の背後から追い風を吹かせることで追い風が吹いている間のDEXの数値を1.5倍にする。

技能
<魔術付与ナイフ(近接):80%>ダメージ1D20+DB+青い膿。
<魔術付与ナイフ(投擲):70%>ダメージ1D10+DB+青い膿。
<噛みつき:30%>ダメージ毎ラウンド1D4+1D10のSTR、DEX、CON、APPの減少(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の108 ページ参照)。
<近接戦闘(舌):20%>ダメージ1D10のPOW+3D6のCON喪失(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の108 ページ参照)。
<青き結晶の射出(射撃):50%>ダメージ2D6+2+青い膿 射程5m 攻撃回数1D10。
<回避:80%>
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【描写】司令室、一戦目終了後。

「ほほう……ここまで辿り着いただけのことはあるということか。ならば、私も本気を出さなければならないようだな! 狼姫殿ッ! 力をお貸し頂きたいッ!」

 椅子から立ち上がった男がそう叫ぶと、部屋の空間が僅かに歪んだ気がした。
 それと同時に空気が緊迫感を増す。部屋の角から青い靄のようなものが吹き出して何者かが姿を見せた。
 それは、これまで探索者達を幾度となく苦しめてきたティンダロスの者達に似ていた。だが、彼らの比べても身体の大きさも纏う覇気も別物のようだ。

 ティンダロスの狼姫を見たことにより、<SAN値チェック:1D3/1D20>です。ただし、既にゼドフィアを見ている場合には発生しません。

「お初にお目にかかります。ティンダロスの王、ゼドフィア様の配下、ティンダロスの狼姫のミオと申します。――皆様に恨みはありませんが、これも業務の一環です。お覚悟を」

「ということだ。彼女はティンダロスの住人の中でも別格、王に最も近いと言われる存在だ。さあ、本当の勝負を始めよう!!」

 以後、司令室の戦い二戦目が幕を開けることになります。
 ティンダロスの狼姫×1、所長×1、ティンダロスの魔人×1との戦闘開始です。

【エネミーデータB1F 司令室の戦い二戦目】

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【ボスエネミー】ティンダロスの狼姫
耐久値HP:666 魔力量MP:999
STR:200
CON:200
SIZ:83
DEX:300
INT:100
POW:200
ダメージボーナス:+8D4
装甲:10ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D3/1D20。ただし、既にティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。
残機:ティンダロスの狼姫は文明都市のティンダロスに存在する本体の分身体のようなものであり、残機を1消費することで1ターン後に現世に戻ることができる。なお、残機数は戦闘開始時の個体を合わせた10,000体である。

1ラウンドにつき基本的に1回行動、特殊行動あり。
 前脚や噛みつき攻撃を行う他、DEXに左右されず、攻撃回数にもカウントされない特殊行動を取ることもある。魔術も使えるが、積極的には使用してこない。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

<萎縮>対象に肉体的損傷を与える。任意のMPとその半分の正気度ポイントを投入でき、対抗POWロールに成功すれば投入したMPと同じ量のダメージを与える。
<破壊>コストは3MP、1正気度ポイント。10m以内の対象を一時的に無力にする。対抗POWロールが必要で、成功すると対象は激しい苦痛、顔や手が腫れ上がり体液が滴り落ち、視力を失う。効果が切れると完全に回復するが、この経験により正気度ロールを行い1/1d6正気度を失う。
<精神を貫く矢>コストは1D4のMP のみで正気度ポイントの消費はない。魔法陣を生じさせ、そこから対象一人を狙って無数の純白の矢を放つ。ダメージ4D6のPOWと正気度2D6の喪失。
<蒼焔炎舞>コストは1D10のMP のみで正気度ポイントの消費はない。青色の炎を生じさせ、自在に操って攻撃する。1D10人にダメージ1D10+10%の確率で全身火傷(治療を受けるまで毎ターン1D6のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<氷河の槍>コストは1D10のMP のみで正気度ポイントの消費はない。凍てつく氷の槍を放って敵を刺し貫く。ダメージ2D6+30%の確率で凍傷(治療を受けるまで毎ターン2D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<雷鳴剣>コストは1D10 のMP のみで正気度ポイントの消費はない。頭上から雷撃の剣を降り注がせる。1D10人にダメージ3D6+10%の確率で全身麻痺(治療を受けるまで行動ターンに1D100を振って50以上が出なければそのターン行動できない)か全身火傷(治療を受けるまで毎ターン1D6のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<追い風>1ラウンドにつき2のMPを支払う。味方の背後から追い風を吹かせることで追い風が吹いている間のDEXの数値を1.5倍にする。
<飛来する雷撃>コストは1D6のMPのみで正気度ポイントの消費はない。狙って地点に雷撃を落とす。1D6の対象にダメージ7D6+10%の確率で全身麻痺(治療を受けるまで行動ターンに1D100を振って50以上が出なければそのターン行動できない)か全身火傷(治療を受けるまで毎ターン1D6のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<放たれる炎爆>コストは1D6 のMPのみで正気度ポイントの消費はない。口から灼熱の火球を吐き出し、上空で爆発させて無数の火球を複数の対象の頭上から降らせる。全体攻撃で命中した場合はダメージ8D6+30%の確率で全身火傷(治療を受けるまで毎ターン1D6のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<降り注ぐ隕石の流星嵐>コストは1D100 のMPのみで正気度ポイントの消費はない。時空干渉と重力操作を応用し、第二次宇宙速度まで加速させた無数の隕石を地上に降らせる無差別攻撃。命中した場合はダメージ10D1000のダメージを受ける。
<時空を超える門>創造のコストは3D10のMP。維持コストは一時間ごとに1D10のMP。異なる土地、次元、世界、世界、あるいは、同世界の過去や未来へと繋がる門を生成する。門を通る際には一律10のMPと1正気度ポイントが必要となる。
<次元断層>コストは1D10のMPのみ。次元を隔絶する特殊な断層を生成する。1D10ターンの間、断層に守られた対象に対するダメージを無効化する。また、断層に触れた場合は1D30のダメージを受ける。

技能
<近接戦闘(前脚):60%>ダメージ4D6+DB+青い膿(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。
<近接戦闘(三連噛みつき):50%>ダメージ3D6+2D6+1D6+DB+青い膿。
<フェイタルクロー:30%>ダメージ3D10+10%の確率で耐久値の計算をせずに対象を即死させる。
<回避:80%>

確定行動:一ターン目
<業務開始です:999%>自身にあらゆる攻撃を100回だけ完全にカットするバリアを貼る。コストはMP1のみ。

確定行動:戦闘開始から五ターン経過するごとに(ティンダロスの王ゼドフィアと接触している場合)
<ランダムギフト:999%>1D6を振り、1が出たら敵全体の与えるダメージを2倍に、2が出たら敵全体のSTRを3ターンの間1.5倍に、3が出たら敵全体のDEX を3ターンの間1.5倍に、4が出たら敵全体のHPを1D30回復し、5が出たら敵全体の正気度を1D10回復し、6が出たら敵全体にあらゆる攻撃を5回だけ完全にカットするバリアを貼る。

確定行動:戦闘開始から五ターン経過するごとに(ティンダロスの王ゼドフィアと接触していない場合)
<ランダムエンハンス:999%>1D6を振り、1が出たら味方全体の与えるダメージを二倍に、2が出たら味方全体のSTRを3ターンの間1.5倍に、3が出たら味方全体のDEX を3ターンの間1.5倍に、4が出たら味方全体のHPを1D30回復し、5が出たら味方全体のMPを1D10回復し、6が出たら味方全体にあらゆる攻撃を5回だけ完全にカットするバリアを貼る。

確定行動:ティンダロスの魔人かティンダロスの騎兵死亡時
<招集・ティンダロスの配下: 999%>ティンダロスの魔人かティンダロスの騎兵を一体呼び寄せる。

確定行動:所長死亡時
<戦闘終了です。お疲れ様でした:999%>強制的に戦闘を終わらせる。
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【ボスエネミー】所長
耐久値HP:40 魔力量MP:100
STR:80
CON:80
SIZ:50
DEX:80
INT:90
POW:90
ダメージボーナス:+1D20パワードスーツ起動時)、+1D10(パワードスーツ崩壊時)
装甲:白衣の下に纏ったパワードスーツにより30ポイントの物理的装甲を得る。また、パワードスーツが機能している間、STRとDEXは3倍した値となる。

1ラウンドにつき2回行動か1回行動
 パワードスーツが機能している間は2回行動できるが、パワードスーツが破壊されると1回行動となる。

技能
<近接戦闘(拳):80%>+<鉄拳乱舞:70%>ダメージ1D6だが、<鉄拳乱舞>の成功で×1D6のダメージとなる。
<近接戦闘(蹴り):80%>+<マーシャルアーツ:60%)>ダメージ1D8+DBだが、<マーシャルアーツ>成功でキックのダメージが2倍となる。
<斬撃(刀):90%>+<アサシネーション(刀):50%>ダメージ1D10だが、<アサシネーション(刀)>の成功で×1D3のダメージとなる。また、<アサシネーション>に成功した際に10%の確率で対象を即死させる。
<魔術付与ナイフ(近接):80%>ダメージ1D20+DB。
<魔術付与ナイフ(投擲):70%>ダメージ1D10+DB。
<Pfeifer Zeliska(拳銃):70%>ダメージ1D20+1D6×1D5。
<IMIデザートイーグル(拳銃):70%>ダメージ1D10+1D6+3×1D7。
<バレットM82(射撃):40%>ダメージ2D10+1D8+6。
<アキュラシーインターナショナル AW50(射撃):40%>ダメージ3D10+1D6+1D3+2。
<PGM ウルティマ・ラティオ ヘカートII (射撃):40%>ダメージ4D10+4。
<M134(機関銃):30%>ダメージ(2D6+4)×4000×1D3。パワードスーツが機能している時のみ使用可能。
<マジカルピストル(拳銃):70%>ダメージ2D10の魔法によるダメージ。
<レーザーライフル(射撃):60%>ダメージ3D10の科学によるダメージ+10%の確率で部分火傷(治療を受けるまで毎ターン1D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<波動砲拳銃(拳銃):50%>ダメージ1D100+3D10+DBの科学によるダメージ。使用する際に1ターンの溜めターンを必要とする。
<南部式大型自動拳銃(拳銃):90%>ダメージ1D6+2D10+2D6+2D3+2×8。物理と魔法のどちらの属性も有する弾丸。
<再装填:90%>銃弾を再装填に1ターン消費する。
<回避:90%>
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【エネミー】ティンダロスの魔人
耐久値HP:25 魔力量MP:999
STR:50
CON:200
SIZ:68
DEX:256
INT:999
POW:256
ダメージボーナス:+3D6
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D6/1D10。ただし、既に他のティンダロスの魔人やティンダロスの魔人と同格のティンダロスの騎兵、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき1回行動
 魔法に秀でたティンダロスの混血種。ティンダロスの混血種としての攻撃も行えるが、基本的には魔法を攻撃の手段として用いる。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

<萎縮>対象に肉体的損傷を与える。任意のMPとその半分の正気度ポイントを投入でき、対抗POWロールに成功すれば投入したMPと同じ量のダメージを与える。
<破壊>コストは3MP、1正気度ポイント。10m以内の対象を一時的に無力にする。対抗POWロールが必要で、成功すると対象は激しい苦痛、顔や手が腫れ上がり体液が滴り落ち、視力を失う。効果が切れると完全に回復するが、この経験により正気度ロールを行い1/1d6正気度を失う。
<精神を貫く矢>コストは1D4のMP のみで正気度ポイントの消費はない。魔法陣を生じさせ、そこから対象一人を狙って無数の純白の矢を放つ。ダメージ4D6のPOWと正気度2D6の喪失。
<蒼焔炎舞>コストは1D10のMP のみで正気度ポイントの消費はない。青色の炎を生じさせ、自在に操って攻撃する。1D10人にダメージ1D10+10%の確率で全身火傷(治療を受けるまで毎ターン1D6のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<氷河の槍>コストは1D10のMP のみで正気度ポイントの消費はない。凍てつく氷の槍を放って敵を刺し貫く。ダメージ2D6+30%の確率で凍傷(治療を受けるまで毎ターン2D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<雷鳴剣>コストは1D10 のMP のみで正気度ポイントの消費はない。頭上から雷撃の剣を降り注がせる。1D10人にダメージ3D6+10%の確率で全身麻痺(治療を受けるまで行動ターンに1D100を振って50以上が出なければそのターン行動できない)か全身火傷(治療を受けるまで毎ターン1D6のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。
<追い風>1ラウンドにつき2のMPを支払う。味方の背後から追い風を吹かせることで追い風が吹いている間のDEXの数値を1.5倍にする。

技能
<魔術付与ナイフ(近接):80%>ダメージ1D20+DB+青い膿。
<魔術付与ナイフ(投擲):70%>ダメージ1D10+DB+青い膿。
<噛みつき:30%>ダメージ毎ラウンド1D4+1D10のSTR、DEX、CON、APPの減少(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の108 ページ参照)。
<近接戦闘(舌):20%>ダメージ1D10のPOW+3D6のCON喪失(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の108 ページ参照)。
<青き結晶の射出(射撃):50%>ダメージ2D6+2+青い膿 射程5m 攻撃回数1D10。
<回避:80%>
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【エネミー】ティンダロスの騎兵
耐久値HP:40 魔力量MP:20
STR:300
CON:150
SIZ:100
DEX:160
INT:100
POW:130
ダメージボーナス:+2D6
装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。
正気度喪失:1D6/1D10。ただし、既に他のティンダロスの騎兵やティンダロスの騎兵と同格のティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。

1ラウンドにつき2回行動
 騎乗するティンダロスの混血種と騎乗されるティンダロスの猟犬が別々に一回ずつ攻撃する。二つの攻撃は連続し、騎士のティンダロスの混血種に続いてティンダロスの猟犬が攻撃を行う。なお、斬撃と名のつく攻撃は騎士のティンダロスの混血種の攻撃、騎兵軍犬と名のつく攻撃は騎士のティンダロスの猟犬の攻撃である。

能力・魔術
<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。
<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。
<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。
<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。
<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。

技能
<近接戦闘(斬撃):60%>ダメージ2D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(二連斬撃):50%>ダメージ2D6+1D6+DB+青い膿。
<近接戦闘(三連斬撃):40%>ダメージ2D6+1D8+1D4+DB+青い膿。
<騎兵軍犬の噛みつき:50%>ダメージ毎ラウンド1D4+1D10のSTR、DEX、CON、APPの減少。
<騎兵軍犬の近接戦闘(舌):60%>ダメージ1D10のPOW+3D6のCON喪失。
<回避:50%>
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【エンディング(前編)】

「ばっ、馬鹿なッ! ――あと少しで、あと少しでッ!!」

 所長は天へと手を伸ばし……しかし、その手は空を切った。
 絶望に染まった瞳から徐々に光が消えていく。そして、男はそのまま息を引き取った。

「決着は付いたようですね。協定はこれで終了となります。私はティンダロスに戻ります。……もしかしたら、そう遠くない未来で再び目見えることになるかもしれませんね。それでは、さようなら」

 そう言い残し、ミオは姿を消した。
 研究所はすっかり静寂を取り戻した。探索者達以外に気配はないようだ。
 ようやく、日常に戻ることができる。困難を乗り越えた探索者はようやく安堵することができるだろう。

 だがしかし、この逃亡劇は序章に過ぎなかった。
 探索者達にこれから更なる困難が押し寄せることになるなど、この時の探索者達は思いもしなかったのだ。

             ――後編へ続く。

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