「やりたいはずのことだって毎日思い出さないと忘れてしまうんじゃないか」の話
「社会が個人のやりたいことを後押しする流れになっているのは、とても素敵なことだよね。だけど、自分のやりたいことって、毎日思い出していないと意外と忘れてしまうんじゃないかって思ってるんだ」
老人はコーヒーを淹れ直してくると言って席を立つ。私は部屋に一人残されたまま、壁に飾られたたくさんのアート作品を眺めていた。老人はデンマークに住むアートコレクターで、小さな作品を集めるのが好きなのだと語ってくれた。
「思い出すというのは、意外と労力がかかるものだ。何かやりたいことがあるなら