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男勝り教習所✴︎東場学園5✴︎

F4といっても実際は黄河を含めて3人である、だから正確にはF3だ。F3は彼女を作る事が必須とされていた。早速メンバーを紹介しよう。

1人目はメンタンピン階級でミュージカル部の帰国子女、28(ニッパチ)。中張牌っぽい顔立ちで地毛も目の色も茶色く、中背でショートカット。イタリア人並みのチャラさで彼女の数は本人すら把握できてない。文化祭では常に主演で、歯が浮くような台詞を決めるたびに黄色い歓声やうちわが舞う。その傍ら生活部長も兼任していて毎回全体朝礼で発表する際、聞けー!!の一言で女800人をまとめあげていた。多分覇王色の使い手だと思う。当然バレンタインデーには毎年隣の隣の隣のクラスまで長蛇の列が続き告白しては赤面で帰っていく後輩を何人も見かけた。「みんな好きだから決められないな★」が口癖だったツワモノだが何故か彼女同士は仲が良かった。舞台では28限定の合いの手や掛け合いもあったとか。その様子はまるで手越祐也であった。

2人目は三色階級で寡黙でシャイな、19(イッキュウ)。老頭牌の様なツンデレさで背はそこまで高くなかったがキリッとした眉。大金持ちすぎて社会との接点が少なく、ゆえに兄弟の影響が強くて一人称が『オレ』だった。自己主張の少ないハイブランドをさらっと着こなし、かったるそうに椅子に腰掛けいつも本を読んでいた。前髪をかきあげるクセがあり、ミステリアスさとセレブさで大人気だが小学校からの旧友兼彼女がおり後輩はやすやすと近寄れなかった。だから毎年バレンタインデーにはファンが列をなすのだが「甘いもの、オレ嫌い。」と愛想のない言い方でツモ切っていた。何回チョコ横流しされたか分からない。その佇まいはまるで松田翔太だった。

つまりこうだ。

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ツッコミ所が多すぎるが、当時は大マジだ。制服規定がないので3人ともまさに画像の様な格好で登下校していた。当時私は中型二輪免許を持っていたのだが、前例がないという理由でバイク登校は許されなかった。

問題は『彼女』探し。28も19も私が出会った時にはもう何人もはべらしていた。会うたび2人は「黄河もそろそろ選べ」オーラで迫ってくる。中張牌と老頭牌、名前のスケールにしては態度がデカい。ちなみに彼女がいない間はずっとクラス全員をエスコートし続ける決まりだった。同級生が通るたびにドアを開け、荷物を持ち、どのグループにも所属せず分け隔てなく接する。この立ち位置が性に合っていた、むしろ彼女を決める方がよっぽど窮屈だった。そこに、1人のクラスメイトが名乗り出る。

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