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パイレーツオブカリビアンの、変なグラフ

今年は、YouTubeのチャンネル登録者が1万人ほど増加しました。「応援!男子新体操」チャンネルは、現在1万2千人を超える方に登録していただいています。

しかしYouTubeの良いところは、この数字がマックスではない、という点です。

青森大学2018年団体演技

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これは、私たちの映像の中でもっとも多く(115万回)再生されている青森大学2018年団体演技のデータですが、この映像を見ている人の中で、チャンネル登録している人はわずか1%。それ以外の視聴者は、私たちのチャンネル登録者1万2千人の中に入っていない人々です。

では、チャンネル登録をしていない圧倒的多数の人々は、どのようにしてこの動画を知るのでしょうか?

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「トラフィックソース」というのは、視聴者がどのような経路でこの動画にアクセスしたか、という解析です。「ブラウジング機能」や「関連動画」が圧倒的に多いことがわかります。ごく簡単に言うと、「YouTubeからランダムにオススメされる動画をクリックしてみたら…」という形が、91.4%を占めていると考えて良いと思います。3番目に多い「外部」というのは、次のようなソースのことです。

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私たちは動画をアップするたびに、FacebookやTwitterやインスタでお知らせしていますが、例えばFacebookを見てこの動画にアクセスしてくれる人の割合は、一つ前の画像の3.8%の中の、さらに22.1%ということになりますので、全体としていかに【少ないか】がわかります。さらに、Twitterからの視聴回数は、わずか952回にすぎません。115万回のうちの952回ですから、わずか0.083%。特筆すべきは、「lifeposi.ru」や「Yandex」など、ロシア関連のソースが目立つことです。

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国別の視聴者の割合を見てみましょう。なんと、日本よりもアメリカで多く視聴されていることがわかります。青森大学の演技が、いかに海外の人のハートを鷲掴みしたかがうかがえます。

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さらにすごいのは、この動画からチャンネル登録を行った人の数字がこれです。実に4,351人もの人が、青大の動画に心を動かされ、(おそらくは)今後も男子新体操を見たいと思い、私たちのチャンネルを登録してくれたのです。

では、ほかの人気動画も見てみましょう。

鹿児島実業高校 団体演技

男子新体操の認知向上に貢献している、われらが鹿実は、どんな?
圧倒的に日本の視聴者が多く、しかも若年層に多く見られていることがわかります(日本の人口ピラミッドを想像しつつ、こちらの右側のグラフと比較してください)。

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鹿実の特徴は、そのトラフィックソースにも顕著に現れています。

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GoogleやYahooといった、検索エンジンによってこの動画に到達する人の割合がとても多いのです。また、検索ワードには「鹿児島実業」という言葉がずらりと並びます。カジツを見る視聴者は、はじめから「カジツを見たい」という目的を持ってアクセスしていることがわかります。つまり鹿児島実業の新体操は、高校生の部活でありながら「ブランディングが成功している」ということが言えます。


井原高校 2019 団体演技

井原!!男子新体操の誇り。究極の美を体現する井原は、どんな?

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井原に関しては、やはり海外で多く見られている、ということがわかります。

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面白いのは、外部のトラフィックソースが青大や鹿実とはまた違うことです。WhatsApp(日本のLINEのようなもの)やMessengerなど通信系アプリの数値が高いのです。つまり、井原の演技を見た人々が、「ねぇ、この動画すごいから見てみて!!」と人に勧めている、ということじゃないかと推測しています。


国士舘大学 2019ドイツ遠征 団体演技

さて、前置きが長くなりましたが、いよいよタイトルの「変なグラフ」の話です。普通、動画の視聴回数のグラフというのは、こんな形をしています。x軸が時間(日数)、y軸が視聴回数です。青い線が実際の数字、その下のグレーの部分は、このチャンネルでの平均的な数字です。つまり、このグラフの動画は、平均よりもかなり多く見られている動画ということになります。

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次に、国士舘大学ドイツ遠征の団体動画のグラフをご覧ください。

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おかしくないですか、これ?

ねぇ、おかしくないですか???

平均値のグレーの帯をはるかに凌駕しちゃってるのは想定内なのですが、このグラフの角度が異常です。

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年齢層を見ると、55歳〜64歳という年代にもっともよく見られています。65歳以上も多い。とにかく、中高齢者層に圧倒的人気。

この年代に近い私には、よくわかるのです。

この動画を見ると、しみじみと思うのです。

「いいなぁ…日本の青年たちが、こうやって海外で頑張って…あっぱれパイレーツ達…君たちは日本の宝じゃよ…」

と、年末にこたつでぬくぬくとしながら、祖国のまぶしく輝く青年達に眼を細める。そんな画が浮かんできませんか。

この動画を作った私自身も、1日に何度もこの動画を見て「いいなぁ…」と思っています。まぶしくて、キラキラしていて、美しくて、そして何か切ない。スポーツは綺麗事だけじゃない(誰の人生も綺麗事だけじゃない)。でもこの動画は、それでもやっぱり、キラキラしていて、美しくて、まぶしいのです。

そんな、人生の後半戦を戦っている人々の一つ一つのクリックが、この異常なグラフの曲線を作り出している…のだと思うのです。

2020年は…

さて、一番上の写真ですが、2020年からは動画の終わりのクレジットをこれに変更しようと思います。男子新体操にとっての、あけぼの。2020年が、そんな年になりますように。

ところで、Ouen MRGというのは「応援!男子新体操」を無理やりアルファベットにしたものですが、もうちょっと英語として意味のある名前にすれば良かったかな、と思わなくもありません。「応援!男子新体操」を作った当初、まさかこんなに海外の人に見てもらえることになるとはゆめゆめ思っていませんでしたので、あまり深く考えずにテキトーに名前をつけてしまいました…。

しかし、テキトーにつけた「応援!男子新体操」という名前が、私たちの本質的な役割をこれ以上ないくらい、示してくれているように思います。

私たちは2020年も、男子新体操を応援します。



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