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無断二次利用を許してはいけない理由

私達の動画(インカレの団体の映像)が無断で二次利用されているのを見つけました。ロシア語でナレーションが添えられていましたが、おそらくあるバンドのファンが作ったビデオだと思います。

これに対し、次のようなコメントを残しました。

「私達の男子新体操の試合映像が許可なく使用されています。私達の動画を二次利用したい場合には、事前にお知らせください。私達は選手・コーチ・主催者の許可を得て動画を編集・アップロードしています。私達は彼らの権利を尊重しています。二次利用には事前に許可を得る必要があります。」

以前、Facebookでやはり動画の無断二次利用があり、「せめてきちんと元リンクを貼るなどのマナーを守って欲しい」とコメントしたところ、そのように後から変更していましたが、こちらに対する謝罪はありませんでした。その、アメリカ人が運営するサイトでは、日本のスポーツの動画がバンバン二次利用されていました。おそらく、日本の動画は二次利用しても文句を誰も言ってこないから…と、繰り返し無断二次利用を続けていたのだと思います。

動画の二次利用というのはとても難しい問題だと思います。映像というのは複数の人間がチームを作って撮影することがほとんどですから、「共同著作権」という概念が適用されるケースが多いと思います(映画などを想像してもらうと分かりやすい)。この「共同著作権」という概念が適用されれば、映画を撮影したカメラマンが「自分が撮影したのだから、自分一人に著作権がある」と主張できないことになります。映画監督、俳優さん、その他もろもろ多くの人が映画制作に関わっていますが、共同著作権を持つ人全てに許可を得なければ、カメラマンは勝手に二次利用できないことになっています。

被写体がアスリートである場合、そして撮影の場が公式試合である場合には、さらに多くの人たちの権利がそこに関わってくることになります。選手の肖像権であったり、大会運営者の意図であったり、チームとしての戦略(この映像はまだ公開したくない、など)も関わってきます。

完璧にそれらに配慮することはほぼ不可能ですが、少なくとも試合映像を公開する場合には、「大会主催者・選手・撮影者」の許可を得て映像をアップすることがマナーであり、二次利用の際にも同様のルールが適用されると考えています。無断二次利用を許すということは、私達の映像が、私達のコントロールできる範囲を超えてしまうのを許すことになります。

「善意の二次利用だから見てみぬふりをする」ということもできるのですが、大会を取材させていただくウェブメディアとしては、少なくとも、私達「応援!男子新体操」が取材した映像を無断で二次利用されることに対しては、警告をし続けなければなりません。非常にストレスの溜まる作業ですが、やらなければなりません。

「だから動画はダメなんだ」と言われた時に、「私達にできる限りの、クリーンな活動をしてきました」と胸を張って言うことができるように。「動画には負の側面もあるけれど、それ以上にメリットがあります」と言うことができるように。そのような活動の積み重ねの先に、「男子新体操をより多くの人に見てもらう」というポジティブな結果が伴うのが理想です。

一番恐れていることは、「男子新体操はいい加減」「動画の違法アップロードをコントロールできていない」「男子新体操は無断でコピーしても咎められない(無法地帯)」というイメージを持たれてしまうことです。

それは、この競技自体のイメージダウンにもつながりかねない、大きなリスクです。目先の拡散だけではなく、本質的な広報のあり方を、ファンの方々にも、この競技の広報を担当する方々にも考えていただければと思います。そして、私達の活動に何か問題点があれば、どうか率直にご指摘ください。そのような声によって、私達の活動がより洗練されたものになれば嬉しく思います。

大会や取材の交通費、その他経費に充てさせていただきます。皆様のお力添えのおかげで少しずつ成長できております。感謝です🙏