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Money & Me Vol.02

奈良の田舎から大阪の中学校に片道1時間半。
電車に乗ったって、いったいどこを見たらいいのか分からず
何故か入った剣道部の防具を持っての通学はほんとうに苦行のようでした。

学校には、今までの小学校では出会ったことの無いような
華やかな人たちがいて、こんな世界があるのかと何とか少しずつ慣れていきました。

でも、一番どうしようかな~って気分になったのは
私服で参加する学校行事かも知れない。
とってもお洒落な服やバッグを自然に着こなすのを見て
あ~、何を着て行けばいいんだろう?
服を買ってほしいなんてお母さんには言いづらいし
なんか、行きたくないなあ・・・。

とか言って行ったら楽しいし
私がわけのわかんない格好をしていても
友人たちがそれについて何か言うわけでもない。
ただ、当の本人は・・・
みっともないなあ・・恥ずかしいなあ・・
あんなのステキだなあ・・とどうしても思ってしまうのでした。

そんな私も大学に入れば、自分の頑張り次第で収入が増える!
そうバイトです。
喫茶店、派遣で単発のスーパーでのサンプル配布、家庭教師
巫女さん、薬局、新聞社の広告局、シャンソンバー、ドトール
スーパー、アジア料理などなど・・・
空いた時間を惜しむようにバイトをしては、学費以外は親に負担を
かけないようにしたいと(その代わり口出しして欲しくないと)
楽しみながらやっていました。
といっても、交通費も出してもらって、日々の生活費も出してもらっていたんだよなあと、今なら自分の身勝手がわかります。

そして就職。
これまた華やかな会社を選んだことで
私の中の「あっちの世界」と「こっちの世界」は違うんだ的な
価値観がいつのまにか増殖されていた気がします。

3年目から配属された住宅設備の雑誌の部署では・・・
大企業から家族経営の工務店に営業に行くのですが
その際に多いのが、出来上がった新居の取材同行でした。

見たこともないような素敵な住まい。
きっと考えられないような価格のインテリア。
こういう暮らしをする人はどんな人生なんだろうなと思いながら
もしかしたら私だって・・って期待しないわけではありませんでした。

そして会社を辞めて、フリーターをしたのちに
結婚してついてきた横浜で始めたのがウッドデッキのキットの通販事業。

大きな庭のあるお宅に夜にポスティングに行ったり
買ってくださった方のお宅に施工のお手伝いに行ったり
ため息が出るほど素敵なお宅におとずれるのです。

並行して始めたのがドイツやフランスから輸入された革ケア用品の
通信販売。
私自身は持ったことの無いブランドバッグのお手入れ情報を
発信して、お手入れのご相談にのる日々です。
ネットで素材を調べながら、いろんなブランドのことに詳しくなります。
10万を超えるような革靴にセットするシューキーパーの
アドバイスも、有に3000件以上はさせていただいてきました。

通販を始めて20年。それだけではなかなか難しいという状況になって
起業塾の扉をたたく。
何十万もする商品を売る人たち。
海外旅行に当たり前に何度も行く話を聞いて
また、私はどうしたらあっち側に行けるのかと思ってしまう。

まあそのあとも、いろんな私のお金コンプレックスが刺激される
お仕事はたくさんあるわけですが・・・

でも今は思います。
そう見えたのは私の心がうつされていただけ。
あっちの世界もこっちの世界も無い。

あっちでもこっちでもない世界で
私のできることで、お役に立てて、生きていける道が
私の前にはきっと続いているんだって
少しずつ思えるようになってきました。

あと1回くらいでこのお話は終わります。


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