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明治の寮生の気概を持って、令和の時代を生きる

国立七大学応援団演奏・演舞会で、旧制寮歌を聴いた。


私の出身高校である金沢大学附属高校は、旧制第四高校の流れを汲んでいることもあって、往時は、毎年夏にファイヤーストームを開催した。事前に旧制寮歌の歌唱指導があった。本番では、皆んなで肩を組み、覚えた寮歌を高歌放吟したものだ。

その寮歌の中でも、日本三大寮歌と呼ばれている歌がある。

①「嗚呼玉杯」(第一高校、現東大)

②「紅萌ゆる」(第三高校、現京大)

③「都ぞ弥生」(北海道帝国大学予科、現北大)

の3つだ。

①人間は強くあらねばならない。世のため人のために尽くさなければならないと言う「嗚呼玉杯」
②人間は優しくあるべきだ。人を愛する心を持って生きるという「紅萌ゆる」
③人間は自然とともに生きている。人間は自然の恵みの中で生かされている。自然と一体となって生きる謙虚さを持つべきだという「都ぞ弥生」

21世紀は、特にそんな想いを持って生きることが求められている。
そんな気がする。

昨日も、皆さん、外苑前の事務所に足をお運びいただいて、3つのセッティングを持った。
私は、セッティングで出向くことが多かったのだが、昨今はご来社いただくことが増えている。
酷暑が続くと、これはありがたい。

このような人と人をつなぐことを生業にしていると、私が培ってきたネットワーク(=人との温かいつながり=人脈)は、いわゆる、人のために尽くす「インフラ」になってきたのではないかと、最近思うようになった。

インフラ(Infrastructure)
インフラとは、社会や経済、国民生活などを支えるための基盤のこと。
公共施設や道路、ガス、水道など生活に欠かせない基盤となるものがインフラで、様々な種類がある。

インフラには、知的、情報、社会、産業、生活、ソフト等がさまざまなジャンルがあるが、私のネットワークも小粒ながら「人と人をつなぐインフラ」として、少しずつ人のために役立つものになってきているのではないかと、不遜ながらもそのように思う。

私がつくるインフラの上に、さまざまな[OUEN Company]のビジネスを乗せていくことだ。

これからの第二生は、それくらいの矜持を持って生きていきたいと思う。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)


【第一高校寮歌】
「嗚呼玉杯」(明治35年)

嗚呼玉杯に花うけて
緑酒に月の影やどし
治安の夢に耽りたる
栄華の巷低く見て
向ヶ岡にそそり立つ
五寮の健児意気高し

芙蓉の雪の精をとり
芳野の花の華を奪い
清き心の益良雄が
剣と筆とをとり持ちて
一たび起たば何事か
人世の偉業成らざらん

濁れる海に漂える
我国民を救わんと
逆巻く浪をかきわけて
自治の大船勇ましく
尚武の風を帆にはらみ
船出せしより十余年

花咲き花はうつろいて
露おき露のひるがごと
星霜移り人は去り
舵とる舟師は変るとも
我がのる船は常えに
理想の自治に進むなり

行途を拒むものあらば
斬りて捨つるに何かある
破邪の剣を抜き持ちて
軸に立ちて我れよべば
魑魅魍魎も影ひそめ
金波銀波の海静か

【第三高校寮歌】
「紅萌ゆる」(明治38年)

紅萌ゆる丘の花
早緑匂ふ岸の色
都の花に嘯けば
月こそかかれ吉田山

緑の夏の芝露に
残れる星を仰ぐ時
希望は高く溢れつつ
我等が胸に湧返る

千載秋の水清く
銀漢空にさゆる時
通へる夢は崑崙の
高嶺の此方ゴビの原

ラインの城やアルペンの
谷間の氷雨なだれ雪
夕べは辿る北溟の
日の影暗き冬の波

嗚呼故郷よ野よ花よ
ここにも萌ゆる六百の
光も胸も春の戸に
嘯き見ずや古都の月

それ京洛の岸に散る
三年の秋の初紅葉
それ京洛の山に咲く
三年の春の花嵐

左手の書にうなづきつ
夕の風に吟ずれば 
砕けて飛べる白雲の
空には高し如意ヶ嶽

神楽ヶ岡の初時雨
老樹の梢伝う時
檠燈かかげ口誦む
先哲至理の教へにも

嗚呼又遠き二千年
血潮の史や西の子の
栄枯の跡を思ふにも
胸こそ躍れ若き身に

希望は照れり東海の
み富士の裾の山桜
歴史を誇る二千載
神武の子等が立てる今

見よ洛陽の花霞
桜の下の男の子等が
今逍遥に月白く
静かに照れり吉田山

【北海道帝国大学予科寮歌】
「都ぞ弥生」(明治45年)

都ぞ弥生の雲紫に 
花の香漂ふ宴遊の筵
尽きせぬ奢に濃き紅や
その春暮ては移らふ色の
夢こそ一時青き繁みに
燃えなん我胸想ひを載せて
星影冴かに光れる北を
人の世の清き国ぞとあこがれぬ

豊かに稔れる石狩の野に
雁遥々沈みてゆけば
羊群声なく牧舎に帰り
手稲の嶺黄昏こめぬ
雄々しく聳ゆる楡の梢
打振る野分に破壊の葉音の
さやめく甍に久遠の光り
おごそかに北極星を仰ぐ哉

寒月懸れる針葉樹林 
橇の音凍りて物皆寒く
野もせに乱るる清白の雪
沈黙の暁霏々として舞ふ
ああその朔風飊々として
荒ぶる吹雪の逆巻くを見よ
ああその蒼空梢聯ねて
樹氷咲く壮麗の地をここに見よ

牧場の若草陽炎燃えて 
森には桂の新緑萠し
雲ゆく雲雀に延齢草の 
真白の花影さゆらぎて立つ
今こそ溢れぬ清和の陽光
小河の潯をさまよひゆけば
うつくしからずや咲く水芭蕉
春の日のこの北の国幸多し

朝雲流れて金色に照り 
平原果てなき東の際
連なる山脈玲瓏として 
今しも輝く紫紺の雪に
自然の藝術を懐みつつ 
高鳴る血潮のほとばしりもて
貴とき野心の訓へ培ひ
栄え行く我等が寮を誇らずや

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