見出し画像

自力と二つの他力

中村天風師の教えを紐解く。

どうにも仕様のない運命を天命といい、人間の力で打ち開くことの出来るものを宿命というのである。

論語にも、50歳を「天命を知る(知命)」歳と言っている。天命とは、天から人間に与えられた、一生をかけてやり遂げなければならない命令であり、50歳がそれを知る年齢だということだ。私はそれを70歳になってやっと知ったところだ。
私の70歳は「従心」(己の欲する所に従えども矩のりを踰えず)であり、50歳の「知命」でもあり、60歳の耳順う「耳順」でもある。
70歳はオールスターキャストが集まる記念すべき年齢なのだ。

天命は変えることが出来ない。それを素直に悟り、素直な心になって、その範疇を徒に拡げるようなことをしてはならない。
そして、自らの力で開くことが出来る「宿命」の範疇をできるだけ広くすることだ。そして、誰にも負けない努力で「宿命」を善き方向に変えていく。
しかし、自らの力を買い被ってはならない。善き方向に変わっていったことは、全て自らの努力なのだと思うことは傲慢である。決してそうではない。
人さまの援けがあってのことだ。さらに「全てよかれかし」と思う宇宙(天)の意志に支えられて、「宿命」は善き方向に変わっていく。感謝の心と謙虚さがなければならない。

私は今、70歳にして、生きたまま生まれ変わり、第二の生を生きている。
男の世界(男が世の中をつくっていると傲慢に生きていた前世)から男女共同・協働の世界(男女それぞれの得手を持ち寄り、それぞれの足らないところを埋め合って、丸い球形になって目標に突き進む現世)に生きるのだ。
現世にはお互いへの感謝とおかげさまという相手への謙虚さがある。

そんな想いを頭でっかちで思ってきた。まずはそう思うことだと思って、この1年、生きてきた。
そうすると、それが自然体で、心からそう思うようになるのが不思議だ。


【OUEN信念会】のテーマ

たまたま、どういうきっかけか、今年の初めに【OUEN信念会】のテーマを"女性の活躍で日本を元気にする"とし、経営者や経営者候補生の6名の女性たちにパネリストになっていただき、パネルディスカッションをした。
このOUEN信念会がご縁で、ウクライナ出身の若い女性経営者であるアンナ・クレシェンコさん(Flora(株)CEO)と巡り会った。

そして、彼女をサポートしながら、どんどん変わっていく自分がいることに気づいた。それは私の成長だ。

やはり、愚者はまず、経験によってそれを肥やしにして自分を成長させる。そして、歴史はそれを確信にまで高めていく手段のような気がする。そしてさらに、その歴史によって、経験は血肉になって不動のものになるのだ。

①人さまのおかげと、②宇宙の大流を肌身で感じる。私の経験がそう思わせる。それは稲盛和夫さんが仰る2つの他力だ。

一つ、勿論、私の努力に加え、
二つ、人さまのご支援
三つ、因果応報と言おうか、大きな宇宙の意志がある。宇宙の大流が、それは目には見えなくとも、滔々と大空間に流れている。それは決して何者もその流れを決して変えることはできない。

そんなことを実感している。

人生は、実に、面白く、楽しい。

清く生きれば清い水がこちらに流れてきて、幸せな人生を生きることができる。
やはり、濁世であっても「絹のハンカチ」で生きることだ。
そのハンカチは決して濁世には染まらない。心を清くして生きれば、決して濁世に染まらない。

ピュアのままで光り輝く「絹のハンカチ」であり続けるのだ。
そんな第二生を送りたいものだ。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?