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大家族主義を大切にする

昨夕は、外苑前駅そばの居酒屋で、長男夫婦と三男と私たち夫婦の5人で夕食を共にした。
私たち親子はそれぞれ別々の世帯を持っていて、昔あったような三世代同居の大家族ではないが、子どもたち3人は殊の外仲が良く、私はこれが現代の大家族の在り方ではないかと思っている。

私が幼少の頃、小林本家は三世代同居の田舎らしい典型的な大家族だった
(一時期は四世代同居の時もあった)。
祖母の話では、「本家は越後で忍者をしていて、この能登に移ってきた。地元の名士だったのか、屋号は「きぃさま」とさまをつけて呼ばれている」とのこと。小林本家の子どもたちの名前は皆んな"喜"が付いている。

離れに牛小屋があって、五右衛門風呂が牛小屋に行く途中にあった。玄関から風呂まで土足で行くことができた。
私が小学校低学年の時、まだ私の実家には内風呂はなかった。それで、本家の風呂を使わせてもらっていた。本家の玄関から牛小屋までは土足のまま行くことができる。玄関から、本家の居間を通って、本家が大家族で夕食を共にしている時、祖父と一緒に、「お風呂をご馳走になります」と言って、風呂に浸かりに行く。私一人で行くこともある。終わると「いい風呂でした。ありがとうございました」と言って帰る。

本家は大家族だったが、本家は分家も大事にしてくれていて、それは家の垣根を超えた大家族だった。
今は能登でもそんな大家族はないだろう。

大家族で生活をしていると、特に意識することなく、祖父母からいろいろなことを教えられる(私の家は大家族ではなかった。父母の仕事の関係で、私は祖父母に育てられた。そして、それに加えて、本家の大家族の中にも浸からせていただいた。
そんなことで、祖父母からだけではなく、本家の大伯父、大伯母からもいろいろなことを教わった。
それは学校で教わるようなことではないが、人間としてごく当たり前なことだった。これは人間として一番基本的な、本質的なことだったと思っている。

嘘をつくな。
人のものを盗むな。
一所懸命仕事をせよ。手を抜くな。
ごまかすな。
人のおかげで人は生きている。決して自分だけの力でやったと威張るな。
お世話になったら、「ありがとうございます」と、口に出してお礼を言いなさい。
自分ができる範囲でいいから、人のために尽くしなさい。
情けは人のためならず。善いことをしたら、いつかは必ず自分に返ってくる。善いことをしなさい。


大伯父からは、
「何で小学校もまともに出ていないお前のお祖父ちゃんが、金鵄勲章をお国からいただいたのか分かるか。それは、「どなたさまのおかげで今生きていることができているか」、今自分が生かさせていただいているのは、天皇さまやお国のおかげがあってのことだ。その天皇さまやお国のために、自分ができることをしようと思って、お祖父ちゃんはあの世界一と言われたロシアの陸軍と戦ったからなんだぞ。
ぼうはお前のお祖父ちゃんのような、素直で、人生を真っ直ぐ生きる、勇気ある人間にならんといけんぞ」と言われた。

稲盛和夫さんも「大家族主義で経営する」と仰っている。

私たちは、人の喜びを自分の喜びとして感じ、苦楽を共にできる家族のような信頼関係を大切にしてきました。これが京セラの社員どうしのつながりの原点といえます。
この家族のような関係は、お互いに感謝しあうという気持ち、お互いを思いやるという気持ちとなって、これが信じあえる仲間をつくり、仕事をしていく基盤になりました。
家族のような関係ですから、仲間が仕事で困っているときには、理屈抜きで助けあえますし、プライベートなことでも親身になって話しあえます。
人の心をベースとした経営は、とりもなおさず家族のような関係を大切にする経営でもあるのです。

大家族で生活をしていると、年寄りからいろいろなことを教わる。それは、大学に合格できるための知識を教わるわけではないが、人としてどうあるべきかという、私に言わせれば、人間の生きる知恵であり、それは最高の人生哲学でもある。そんな"人間が生きていく原点"を教えていただいたのだと思っている。

今の核家族の時代では、その機会は別なところに求めなければならない。

今朝、副団長からLINEで下記のYouTubeが送られてきた。

自分のお祖父ちゃん、お祖母ちゃんのみならず、先に生まれた人たち、その人たちを先生と呼ぶ(先生は、決して、政治家先生や学校の先生、お医者さん等々を呼ぶ呼び名ではない。"先生"とは、先に生まれた、心清き善人たち、知恵者のことを呼ぶ呼び名だ)。
そんな先生(先達)から多くのことを学ぶことで、人は少しずつ成長する。人は、ほんまものの人になっていく。

それは、やはり地方からだろう。「地方を元気にする」ことからだろう。
ふるさと能登で、中能登町で、昔の大家族には戻れないが、何らかの形、創意工夫をして、そんな大家族主義のビジネスをつくることができたら、それは素晴らしいことだと思う。

皆んなの知恵を出し合って、その素晴らしい大家族主義の組織・団体・仕組みを考えたいものだ。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

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