見出し画像

若きベンチャービジネス経営者との出会い

昨日は、株式会社ブルームアクト社長の髙野峻さんとの出会いがあり、改めて我が人生を振り返る有意義な一日になった。


同社は、茨城県つくば市に本社があるベンチャービジネスだ。

事業内容は、
①オンラインコミュニケーション事業
②動画ソリューション事業

人間は、生きる(生活する)ために働かなければならない。中には、働かなくても生活することができる人もいるだろうが、たとえそのようなお金に不自由しない人たちであっても、それが幸せな人生だと言えるだろうか。

人間は、[幸せになるために]この世に生を享けて生まれてきたのではないか。人間は「はたらく」ことによって幸せになることができるのだ。

陽明学の権威である安岡正篤翁は仰っている。

安岡正篤翁

人間はみな職業を持っております。社会学者は職業に二つの意味を説いている。
その一つは、それによって生活を営む手段とすることである。しかし、これは誰しも免れない条件ではあるけれども、それだけでは尊い意味はない。
職業の大切なことは、それが生活の手段であるということのほかに、その職業である仕事を通じて、何らかの意味において、世のため、人のためになるということである。
これあるによって職業は神聖であるということができる。これあるによって進歩がある。

我々は何のために仕事をするのか、何のために会社はあるのかといえば、第一に自己の主体性・自立性を練磨すること、自由を確立することであり、進んでは、それによって、発達する自己を通じて、何らか世のため、人のために尽くさんがためである。

「はたらく」意味とは、
①自らが生きるためであり、
②自己の主体性・自立性を練磨するためであり、それは、世のため、人のために尽くすためである。
すなわち、「はたらく」とは、「生きとし生けるものみなを幸せにする」ための尊い行為なのだ。

髙野さんは、仲間たちとともに、この「はたらく」をテーマに議論を重ね、ブルームアクトを立ち上げたのだとか。
そして、DX改革が喫緊の課題となっている現代社会において、今までの社会のあり方を変革しようという熱い想いを持っていらっしゃる。

ブルームアクトを創業してまだ数年と短いが、多くの金融機関・事業会社や公的機関で、同社のサービスが導入されている。
彼のパッションが同社を大きく成長させ、社会を変えていく。

私は、大学を卒業して、全く就職先としては考えていなかった金融機関(安田信託銀行)に入社した。
それは、私は金融機関に就職したのではなく、安田信託銀行という人間の集まりの中に飛び込んだ。安田の人(人間性、温かさ、義理と人情、人への思い遣り)の一端に触れて、入社を決めた。そして、それに私なりの意味づけをしたのだ。

その意味づけとは、「金融機関は、志高い経営者が持ち合わせていないお金や知恵の面で、黒子となって彼らを応援する応援団長である」と。

私は日露戦争で、ロシアと戦い、生き延びて生還した祖父から、「お国のために生きよ」と言われ続けて育てられた。
曲がったことはするな、人のために生きよ、嘘はつくな、誠実であれ、そのために学べと。
温和な祖父が、こんなにも熱がある人間であるのか、と私はそのギャップに驚かされたものだ。

「何のために生きるのか」、「何で仕事をするのか、働くのか」という想いは、子どものころから意識をしないまでも心の奥底にあったような気がする。そんな延長線で、安田信託銀行に入ったように思う。

安田に入ったからには、社長くらいにはなりたいものだと思った。それは、ほとんどのサラリーマンの常だろう。
人間は、社長になることが何かを成す手段であるべきなのに、社長になること自体が目的になってしまう。

人事部での7年余りの勤務のあと、事業法人営業を経験し、本店営業部でベンチャービジネスとの取引開拓に従事した。
そして、取引先の何社かの社長が盛和塾の塾生であったことで、彼らがセットしてくださって、経営のカリスマである稲盛和夫さんとの邂逅があった。

「君は何を成すために生まれてきたのか」「人は何のために生きるのか」「働く意味は何なのか、考えて生きているのか」と稲盛さんからの"人間としての根源的な問い"に、その時の私は答えることができなかった。

祖父に教えられたこと、東大応援部で学んだ3Sスピリッツ(サービス、サクリファイス、スタディ)は、私の頭からすっかり抜け落ちていたのだ。

「そうだ。もう一度、原点に帰らなければならない」
そんなショックがあって、それからの四半世紀に亙る七転八倒の人生が始まった。
そして、あっという間に、古来稀なる"古稀"になってしまい、今現在がある。

私は、この11月で齢71になった。
生まれ変わったことだし、あと29年、あわよくばあと49年の人生と思うが、それは第二生の人生であり、第二生に相応しい"新しい自分"を追求していくことだ。

素直な心で自己を見つめ直すこと。私の得意技を極めることで、その得意技を武器に、脇役の応援団長として、ベンチャービジネスの若き経営者たちをサポートすること。それが私の第二の生のミッションだ。

私の戒名は、不動院重陽博愛居士だ。
お不動さまにお護りいただいて、陽のエネルギー(熱い心、誠実な心、真っ直ぐな心)を持った心温かい若き人たち、ベンチャービジネス経営者たちを、広(博)く、愛し、応援することが私の第二の生のミッションなのだ。

髙野峻さんとの出会いで、そんな想いを持った。
嬉しく、楽しい一日だった。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?