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<その3>田んぼのインコ⑤(道具編(2) "いんこホイホイ”の使い方)

1)ホイホイの設置場所について
目撃情報をいただき、迷子鳥さんがどうも一定の場所に居ついているらしいと分かったら、迷子鳥さんを最初はともかく観察しまくって、よく来る場所を把握しましょう。居ついている子の場合、餌場はだいたい決まっているはずです。少なくとも早朝と、ねぐらに帰る前の夕方には食事のために降りてくる場所があります(それぞれ違う場所かもしれないし、同じ場所かもしれません)。
迷子鳥さんがよく降りてきている餌場が分ったら、そこをホイホイ設置場所とします。私有地なら当然許可を取りましょう。私有地ではなくて公共の土地のほうがやりやすく好ましいですが、迷子さんが捕獲したいこちらの都合に合わせて行してくれているわけではないので、こればっかりは運ですね…。
設置場所が決まったら、そこ【だけ】に餌を撒いておきましょう。ここに来ればおいしい餌があるということを刷り込むことが重要です。迷子鳥さんがお腹を空かせていないか心配でも、あちこちに餌を撒くのは厳禁です。なぜなら、迷子鳥さんがホイホイのところにスムーズに来てくれなくなるからです。

2)ホイホイ設置時のポイント
①ホイホイはできれば2個以上用意した方がいい
と思います。
ホイホイを設置するのはもともと鳥さんが降りてきている場所とはいえ、鳥さんは右に行ったり左に行ったりするものです。どれかに入ってくれればいいやということで、保険の意味で複数設置しておくと、鳥さんがあちこち動きまわっても、チャンスを逃さないで済みます。

餌の撒き方に注意しましょう
大事なことなので何度も繰り返しますが、周りに撒きすぎると、周りのものばかり食べてなかなかホイホイに入ってもらえません。ホイホイの周りはほんの少しパラパラ撒くだけにして、ホイホイの内部をてんこ盛りにしましょう。
誤った撒き方をしてしまった時のために、100円ショップの卓上ホウキ&チリトリがあると便利です。

これは餌の撒き方を完全に間違った例です。
この後ホウキとチリトリで餌を除去しました。

餌の内容も工夫しましょう。
普段なら発情抑制のためにあげていないような嗜好性の高い餌(鳥種によりますが、カナリーシードや、麻の実、ヒマワリなど)を用意するのも有効です。とにかく餌に夢中にさせるのがポイントです。

④ホイホイのかごが落ちる場所に目印をしましょう。
実際にやってみるとわかりますが、ホイホイから少し離れたり、やや斜めからの角度に立っただけで、迷子鳥さんが入ってるんだか入ってないんだか、はっきり言って全然分かりません。紐を引いていいかどうか判断するための目印は絶対に必要です。
ホイホイを設置する地面がアスファルトやコンクリートの場合限定ですが、チョークがあると大変便利です。チョークがない場合や、地面が土の場合などは、麻紐を切って置くとか、草を何本か並べて置くとか、他の方法を考えてください。

チョークで目印を書いた例


迷子の鳥を捕獲していることが分るように看板などを立てましょう。
野鳥を罠で捕まえるのは違法です。ホイホイを設置していると、あらぬ誤解を受けるかもしれません(田んぼのインコさんのために夜明け前にホイホイを設置してたら実際に「野鳥獲ってるの?」と聞かれたことがあります)。そういった事態をさけるために、看板を用意しておくと周りの人も分かってくださると思います。
ちなみにこれは、油絵を描くキャンバスボード(昔はダイソーに売ってました。最近は見ません)を看板にしています。ボール紙でもなんでもいいので用意しておくといいと思います。

看板があると怪しまれないで済みます
(看板自体が怪しいですけど)

3)実際にホイホイを設置した後はどうするか
迷子鳥さんがホイホイに慣れてくるのを待ちましょう
最初は警戒してホイホイに近寄ってくれなくても、だんだん慣れてくると、近寄ってくれるようになってきます。
田んぼのインコさんは、たくさんの雀さんと行動していたので、雀ばっかり罠に寄って来たらどうしようと思っていたのですが、人工物に対する警戒心の差なのか、実際に人間が見張っているときに罠のそばに来たのは、インコさんだけでした。
ついでに書いておくと、田んぼのインコさんは決して人懐っこい子ではなかったのですが、人間が近寄って行ったときに飛び立つのが一番遅かったのはインコさんでした。人と暮らしていた子は、人懐っこい子でなかったとしても、人への警戒心が低いです。そこが野鳥との違いです。今回、野鳥といる子をどう保護するかでとても悩みましたが、この、人工物や人間に対する警戒心の差を利用すれば、迷子鳥さんと野鳥を一時的に引き離すことができます。

4)ホイホイの紐を引くタイミングについて
迷子鳥さんが、ホイホイの付近の餌をついばむようになってきたらしめたものです。そのうちてんこ盛りの餌に気が付いて、ホイホイのカゴの中に入ってくれるかもしれません。ただ、カゴの内部に入ったからと言って、すぐ紐を引くのがいいかどうかは難しいところです。紐を引いてからカゴが落ちるまでのほんの1、2秒の間に、迷子鳥さんが飛び立ってしまうこともありえます。できるだけ鳥さんが餌に夢中になっているときを狙いましょう。

ちなみに、ホイホイでの捕獲に一度でも失敗したら、怖がってもう来てくれないんじゃないかと心配になりますが、今までの感じからすると、しばらくするとまた来てくれるようになると思います。この辺も飼い鳥ゆえなのかもしれません。

5)ホイホイの今後の課題
より安全に、より確実に、よりスピーディに捕獲できるホイホイを開発したいです。確実な捕獲のために一番大事なのは、やはりカゴが落ちるスピードで、そのためにいろいろな工夫が考えられますが、一番重要視しなくてはいけないのは、鳥さんの安全です。日本全国のあちこちで、ホイホイの改良版を考えてくださる方がいらっしゃるとうれしいです。


☆☆☆ホイホイ設置現場に持っていくといいもののまとめ☆☆☆
①卓上ホウキとチリトリのセット
②チョーク
(他に、ハサミやガムテープ等があると何かと便利かもしれません)
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※この記事に関しては特に、思いついたらどんどん記述を追加していく予定です。


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