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<その3.5>水路のインコ③(より詳細な記事 下)

埼玉県A市の水路のインコさんを保護したNさん、Aさん、Bさんのお3人が、詳しく当日の状況を教えてくださったので、許可を得て記事にさせていただきました(写真はNさんとBさんからご提供いただきました)。
今後同じような子を見つけた方の参考になったら幸いです。

3人が、インコさん捕獲成功の喜びに沸いていたところに、さらにスペシャルサプライズがありました!

3人の元に近づいてきて、「良かったですね」と声をかけてくださった方がおられたのですが、話を聞いてみると、なんとなんと、この方は、迷子情報サイトにこのインコさんの目撃情報を投稿してくださった方だったのです!
情報投稿後もインコさんが気になって、何度か現場にいらしてくださっていたようで、捕獲当日もいらっしゃっていて、実は、Nさんたちの捕獲作戦を、少し前からそっと見守っておられたとのことでした。
Nさんたちは、インコさんを捕まえられた喜びに加えて、目撃者様にも会えた喜びで、胸がいっぱいになりました。

Nさんは、AさんとBさんと目撃情報の投稿者様に、この子を責任持って預かることを約束して別れました。地元に戻ってから交番に届け出をし、その足で、鳥さんをちゃんと診てくれる動物病院へも行きました。

インコさんは、健康上特に問題がないようでした。体重が38gもあって、体格もよく、羽根も傷んでおらず、外の生活に疲れた様子もなく、本当に迷子なのかというぐらい立派で美しいインコさんでした。残念ながら未だに飼い主さんは見つかっておらず、今もNさんのところで元気に暮らしています。

捕獲当日の様子
この目つきを見よ
(`・ω・´)キリッ

さて、話は戻りますが、今回の捕獲劇は、Aさんの愛鳥のオカメさんと、Bさんが大活躍でした。

オカメさんは、迷子インコさんがくるまで、ずっと呼び鳴きをしてくれていて、インコさんを目の前にした時は、まるで「こっちにおいで!」と呼ぶようにさらに激しく呼び鳴きをしてくれたそうです。その声には野鳥まで反応するほどだったとか。
私は、鳴き声による呼び寄せは、同種じゃないと効果がないのかなと思っていましたが、大きな呼び鳴きは、それだけで鳥さんたちの気を引く効果があるのかもしれません。

そして、水路の柵の中に入ってインコさんを捕獲したBさんですが、Bさんがためらいなく柵の中に入れたのも、他にも誰かがいるという安心感があってはじめてできたことで、捕獲の成功は3人いてこそのものだったとしみじみおっしゃっていました。もしひとりだったら、柵内でインコさんを捕まえられたとしても、その後にインコさんを抱えたまま柵の外に出る方法がなく、途方に暮れていただろうとのことでした。
迷子の鳥さんの捕獲の際にチームであることって本当に大事だなと私も実感しています。探すのも捕まえるのも、ひとりだとそもそも超心細いですしね(^^)

最後にもうひとつ、この子にまつわるエピソードを。

あとからNさんに伺った話ですが、Nさんが初日に一人でインコさんを相手に悪戦苦闘している時、近くで測量の仕事をされている方が近寄ってきて、インコさんを見るなり、「お前まだいたのかー」とおっしゃったそうです。Nさんがお話を聞いたところ、その方は2週間位前から度々インコさんの姿を目撃していたとのことでした。迷子情報サイトの目撃情報よりもっと前から、この子はこの辺りにいたようです。

Nさんは、「目撃されていても目撃情報として知られることがなく、そのままになっている子達が結構いるのかもしれない」とおっしゃっていました。

これには私も同感です。最初に保護に成功した、志木市の公園のインコさんに関しては、そもそもがネット上にあがった情報ではありませんでした。公園のインコさんは多数目撃情報がありましたが、それもすべて基本的には、志木市のお隣のF市でインコさんを探しているMさんの元に、電話で寄せられた情報でした(※)。

志木市中宗岡の田んぼのインコさんの場合も同様に、Mさんの元に電話で寄せられた情報だけでした。捕獲作戦中、Mさんや私が現場周辺の通行人の方々にお声がけしてお話をうかがったら、何名かの方が「見たことがある」とおっしゃいましたが、それでも、一切ネット上には情報があがっていませんでした。

というわけで、ネット上に目撃情報をアップしてくださる方は、まだまだごく少数なのかもしれません。ネット上に情報をくださる方は、必ずしもその動物が迷子だという認識があるわけではなく、ちょっと珍しい物を見たぐらいの感じでアップする方も多いので、迷子を捜している側からすると、少し歯がゆく感じてしまう場合もあるのですが、迷子の命を助けたいと思っているのはこっちの都合に過ぎないので仕方ありませんし、迷子の鳥さんは、捕獲するより発見する方がずっと難しいので、どんな情報でも、提供していただいた方にはひたすら感謝をすることを忘れてはいけないと思います。

それから、その情報提供の場がTwitter上の場合、リツイートされることを楽しんでくださる方もおられますが、いきなりたくさんリツイートされて、投稿主さんが驚いてしまうケースもあるので、目撃情報は、あくまで慎重に扱わねばなりません。感じ方考え方は人それぞれなので、これが本当に難しいのですけどね…。

と、最後、ちょっと話がずれました。
いずれにしても、まずは目撃情報があることに感謝、そして、目撃されていても、それが目撃情報として知られることがなく、認識されないままになってしまっている迷子さんたちも、いつかなんとか救える方法を見つけられたらいいなと思っています。


※ 私がメインで情報発信をしているので、一見、まるで私が大活躍しているかのようですが、私はいつもMさんの元に集まる情報のおこぼれにあずかっているだけなのです。Mさんの元に情報が集まるのは、迷子になってからもう3年以上経つのに、未だに地道にポスティングやポスター掲示を続けていらっしゃるからであり、Mさんが救助に向かってMさんが救った子は他にもおります。

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