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<その7.5>これまた田んぼのインコ⑤ (捕獲&反省編)

現場を離れる際に簡単に、家に戻った後に詳しく、Mさんに、インコさんを保護できそうだったこと、K様から脚立をお借りしたこと、玄関チャイムを押さずに敷地内に入ってよいという許可をいただいたことを、DMで伝えました。

インコさんのことが気になりつつも家で仕事をしていたところ、13時近くなって、現地入りしていたMさんから「風が強い時って、鳥たちってあまり動かないんですか?」という質問のDMがきました。そういえばこの日は意外と風が強かったのです。私はあの子を残してきてしまったことについて後悔し始めました。

私が現場を離れるときには、低い捕まえやすそうな木にいたインコさんですが、お昼前にTさんやMさんたちが到着してすぐには全く姿がなく(※1)、風が強いからどこかに行ってしまったのではないかと不安になったそうです。

私は、この子は絶対に捕まえられると確信したことと、あとから人が来てくれると分かっていたからこそ現場を離れたわけですが、相手は生き物ですから、例えば天気の急変等の不測の事態によって状況が変わってしまって、姿を見せないようになり、保護ができなくなることも当然ありえます。

どうしてあのまま置いてきても大丈夫だと思ってしまったのだろう、あの時、皆さんいろいろ用事はあったかもしれないにしても、ダメ元でも誰かなるべく早く現場に来られる人を募ればよかったのではないか、誰かに来てもらって、せめてちゃんと引き継いでからその場を離れるべきだったのではないか―(※2)。

いろんな考えがぐるぐる頭をめぐりました。

私は、自分のこの時の判断を、今でも大変後悔しています。永遠に保護できず、結果的にこの子を死なせてしまう可能性も十分ありえました。どっちに転ぶかはただの運です。

ただ、この件に関して言えば、幸いなことに、ハッピーエンドでした。インコさんは、無事にその後、その日のうちに捕獲されたのです。

14時近くなって、Mさんから捕獲した旨のDMが来ました。捕獲には、何よりK様にお借りした脚立が役に立ったようでした。

後からMさんに、捕獲時の状況を伺いました。
Mさんのお話によると、インコさんは、到着時には全然気配がなくて不安だったものの、13時頃から姿を見せるようになり、私が捕獲しようとした穴の開いた木ではなく、少し離れたK家の隣家の低い庭木に、長くとどまっていたようです。

そこで、Mさんと、Mさんのご家族は、脚立をその木の前に移動させることにしました。そして、Mさんが脚立の上に乗って、インコさんにたくさん話しかけながらシードとお水を差しだしてみたそうです。

Mさんにご提供いただいた捕獲直前の写真
(Mさんは脚立の上に座っています)


しかしインコさんは、それだけではMさんのところに来てくれませんでした。Mさんが思い立って、差し出すものを粟穂に替えてみました。すると、なんと!インコさんが、Mさんの手……というより手に持った粟穂に乗ってきてくれたのです!

Mさんが、インコさんに顔を近づけても粟穂に夢中になって食べていたので、Mさんは、粟穂を持った方の手の指の隙間をだんだん広げていって、インコさんの足を、指と指の間に挟んで動きを止めました。そして、素早くもう片方の手で身体を掴みました。
逃げられないよう、そのままダッシュで車に行き、車の中で無事にケージに入れたそうです\(^o^)/

今回の捕獲は、ご近所の方々のご理解とご協力がなければ、絶対に無理なものでした(※3)。住宅街での保護活動は難しく、うまくいかない要素が多いですが、この現場のご近所の方々は、びっくりするぐらい、みなさん大変親切でした。たまたま動物の保護活動に理解ある方々だったということもあるでしょうが、日中に通っていたMさんたちが、「こんにちは」などのちょっとしたご挨拶をこまめにしていて、地域の方々とのコミュニケーションが十分に取れていたことも、大きかったと思います。

私自身はめちゃくちや内気なタイプ(!)で、自分から知らない人に声をかけるのが大の苦手ですし、私が行く時間は朝早くだったり、こちらが自転車に乗っていたりで、あまりご挨拶をするような機会がなかったのですが(まあ言い訳(´・ω・`) )、この現場で、挨拶でコミュニケーションをしておくことの大事さを痛感したので、今後は、保護活動のためにも✨キャラ変✨しようと決意しました。

実はそのことが、次の捕獲経験の現場で、実際に、大いに役立ちました。そのお話はまた次回…。

終わり

☆ ☆ ☆

※1 Tさんはご用事があって、この日は短時間しか滞在できず、お昼ぐらいにお帰りになったそうです。なので、捕獲時にはいらっしゃいませんでした。

※2 今思えば、突然だろうと仕事開始を1時間ぐらい遅めて、保護まであの場で頑張ればよかったと思います(;_;)
この日はもともと早退する予定があり、早退に加えて、突然の当日連絡で遅刻までするのは社会人としてどうなの?と考えたことから、「出来ない!」と思ってしまったのですが、よく考えたら早退の方をキャンセルして、その分を遅刻に回せばよかったのです。そうすれば、脚立も長時間借りっぱなしにならず、K家にもご迷惑をおかけしなくて済みました。
しかしあの時は、とっさにそこまで考えられませんでした(;_;)バカー

※3 今回大変お世話になった田んぼの所有者であるN様、脚立を快く貸してくださったK様には、Mさんからも私からも改めてお礼のごあいさつに伺いました。今回はこの両家の方々が、我々の保護活動に対して、寛大な心で接してくださったことが、一番のラッキー要素だったと思います。

※※このページトップの写真は、捕獲された時にインコさんがとまっていた木です。捕獲された日の夕方に、お礼のごあいさつに伺ったときに撮影しました※※





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