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極端に怖がりな人「回避性人格」

〜偏りを魅力に変える基礎講座「回避性パーソナリティ」〜

遺伝的要因と環境要因がブレンドされ、愛着形成の影響を受けながら、その人特有の生き方の癖(考え方・感じ方・行動)が作られていきます。
これをパーソナリティー(人格)といいます。
パーソナリティーは、その人固有の”環境への適応様式”で、人によって随分違いがあります。
環境に上手く適応できず、行き詰まってしまう時にも固有のパターンを示しますが、それは本人も苦しいし、周りにいる人もどう関わればいいのか悩み、苦しみます。
生き方の癖を紐解きながら、少しでも生きやすくなるお手伝いができたらと思います。

パーソナリティーのパターンは、全部で10タイプに分けられます。
今回は「回避性パーソナリティー(回避性P)」について解説したいと思います。

傷つくことを極端に恐れる

回避性Pの偏りを持つ人の特徴は、一番に「怖がり」なところがあげられます。
傷つくことに敏感で、挑戦することも、責任を負うことも、変化することも苦手で、いくら苦しい状況にあっても現状維持でいいと変化を怖がります。
人間関係においても表面的な付き合いに終始し、深入りすることを避ける傾向がありますし、仕事においても負担が増えることを嫌います。

何事においても、つい消極的になってしまうのは「どうせうまくいかない」「失敗するくらいならやめておいた方がいい」という自信のなさが、根を張っているからなのです。

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生まれ持つ気質と傷つき体験

変化や新しいことを怖がるのは、遺伝的気質が影響しているといわれます。
生まれつき刺激に敏感で、不安を感じやすい性質を持ち合わせているということです。
ところが、極端に失敗を怖がるとしたら、過去に幾度となく傷つき、その時の記憶が恐怖心を強めているのかもしれません。
「余計なことはしない」と消極的になることで、心の安定を保っているのです。
また、プライドが高く、理想や目標を高く持つことも、臆病さに拍車をかけています。
更に厄介なことに「危険を怖がるが故に危険に遭いやすい」という側面があることも知っておいてください。
「挑戦を避ける」という事は「適応力を鍛えることができない」ということです。
それは「自信を育むことが遅れる」ことでもありますし「悪循環からなかなか抜け出せない」ことにつながっているのです。

また、回避性Pの偏りを持つ人の中には、コントロールの強い親に振り回された経験を持つ人も多いです。
いい成績をとることを強いられたり、世間体を気にする親を見て、期待に応えようと、幼い頃から必死に頑張ってきたというエピソードを持つのです。
そこに挫折体験が加われば、「頑張っても無駄だ」という確信を抱いてしまうのもうなずけます。

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困ったさんの持つ偏りが魅力に変わると

ところが偏りが修正され、回避性Pの持つ魅力を生かせると、輝かしい個性を発揮することができます。

回避性Pの傾向にある人は、一か八かの賭けに出ることを嫌いますが、慎重で、用意周到に情報を集め、十分に確信を得た上で前進していきますので、手堅く成功を手にするようになります。
友人関係も派手さはなく、むしろ少人数の気の許す仲間と丁寧に交流を深め、またひとりの時間も大切にし、趣味の世界も楽しみます。
注目を集めるような目立つ行動は避ける傾向がありますが、やるべきことはきちんとこなすので、人から信頼されることも多く、本人もその信頼に応えようと努力するので、安定したいい人間関係を築いていきます。

せっかくの才能を生かさないのはもったいない

失敗を恐れるあまり、持てる力を発揮できないなんてもったいないし、チャンスを逃してしまうのもとても残念なことです。
偏りを魅力に変えるためには、どんな関わりが必要なのでしょう。

それには、挑戦する前から「どうせ無理」と諦めてしまう、否定的な考え方にいかにブレーキをかけられるかが重要になります。

小さな成功体験を積むきっかけを作る
どんなことでもいいのです。
「やってみよう!」と一歩踏み出せるチャンスを提供できたら素敵です。
やる!と心に決め、実際に動き始めると、必ず変化が生まれてきます。
そうやって、小さな成功体験を積むことは達成感を育み、自分への自信を育てていきます。

決して強制しない
周りにいる人は、決して強制しないことです。
なかなか決断できず、じれったさを感じたとしても、あくまでも本人の主体性を尊重すること。
「やらされる」のではなく「自分の意思でやる」体験が必要なのです。

迷っている時はそっと背中を押す
本人は挑戦を恐れているものの、心の中では挑戦してみたいと思っています。
誰かが助けてくれたり、応援してくれるならやれそうだとも思っているものです。
問題となるのは、周りの人たちの方が熱が入り、本人の気持ちを追い越して、暴走してしまうこと。
無理強いではなく、程よく励まし、さり気なく勇気を持たせてあげることが大切です。
「騙されたと思ってやってごらん」
と誘い、やらないで後悔するより、やってよかったと思える体験を積ませてあげることです。

失敗した時は気持ちの立て直しを全力でサポート
このタイプの人が、偏りを強めて適応障害に陥ってしまう時は、大抵失敗して、乏しい自信を打ち砕かれた時です。
自分の力だけでは「次頑張ればいい」とは思えず、自己反省と自己嫌悪にとらわれていきます。
失敗した時こそ「悪いことばかりじゃない」「挑戦したことで得たものがこんなにある」と伝え、明るく「大丈夫、大丈夫」と、失敗の処し方を体験させてあげてください。

否定的な言葉は使わずとにかくほめる
このタイプの人は、いつも自分に厳しい評価を与え、自分のお尻を自分でひっぱたいています。
ですから、否定的な言葉をかけることで発奮させるという方法は一番向きません。
それよりも、やはり褒めることです。
「すごい!すごい!」と小さな成功を見つけて、褒めてあげてください。

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人はいつか死にます。
・・・自分もいつかは人生に幕を引かなければならない時がやってくる。
そう思えた時、恐怖に打ち勝ち、一歩踏み出せるきっかけとなるのかもしれません。
人は人生を終える時、これまでの人生を振り返り、何を思うでしょう。
「ああいい人生だった」と思えたらいいよねと、語りかけてくれる人がいたら、目先のことに一喜一憂している場合じゃないと、気づくことができるかもしれませんね。

鶯千恭子(おうち きょうこ)

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